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2013年03月15日
■艶やかな黒髪にこだわりを見せる中国政治指導者
ハゲは出世しないという長年の自説を、王岐山の常務委員入りで崩され涙目の私ですが、ハゲと共に現役指導者、引退した指導者クラス経験者の別なく、中国のエライさんが気にしているのが、2323と豊かで、9696とした髪の毛です。
これは今回の両会に際して、新旧指導者を捉えた写真です。平均年齢60オーバーの集団において、驚異の9696率。横から流している王岐山ですら9696であります。
ちなみに若き日の王岐山はこちら。時の流れとは残酷なものです。
胡錦濤や習近平をはじめとした指導者(ここでは党と国家の指導者を指しますが)はなぜ9696を止めようとしないのか。
若く見せたい、健康に見せたいというのが一般的だろうと思います。党の大規模な集会で「健在」をアピールするために引退した指導者が出席してきますが、現役の頃と様変わりしているのがほとんどで、白髪染めだけでは隠しきれない老いがにじみ出ています。
集会にジジイを呼ぶのは、ジジイのジジイを強調するため現役世代のイヤミなんじゃねえかと思う事もあったりします。これは残酷。写真は動画より残酷。
朱鎔基のように気にせず白髪もそのままなのは稀。それでも昨年の党大会でつけていた名札に使われている現役時代の写真と、現在の対比は10年という時間を感じずにはいられませんでした。
当時は気付きませんでしたが、白髪どころか透けてますね。
■9696、2323で団結示す
さて、BBCが珍しく指導者たちの毛染めについて記事を書いていたので、内容を軽くつまんでみます(記者が見る両会「中国指導者が毛染めに血道を上げるのは」(BBC中文 2013/3/12))。
北京の英字メディア機関であるDanweiの創設者であるジェレミー・ゴールドコーン(中国語名:金玉米w)は「指導者たちは、自分たちの間で差が出来るのを望まないという姿勢の現われ」とコメント。女性や少数民族は女性らしさ、少数民族らしさを出すため、色取り取りの衣装をまとうのですが、おっさん共は確かに、同じような黒のスーツしか見たことがありませんね。差があるのはネクタイくらいですかね。ほとんどは赤ですが。
記事によると、「少なくとも10日に1回くらいは毛染めに勤しんでいるはず」という専業人士(専門家)のコメントを掲載しています。ソースとなっている「專業人士」という人たちが何者なのかはさて置き、それくらいの頻度で毛染めをやっていないと危ないお年頃ですからねえ。
こうした9696統一に敢然と挑戦するのが、ポスト習近平の呼び声高い、広東省委書記の胡春華たん。白髪交じりでも気にしません。毛染めに勤しむ輩ばかりの政治局に置いて、王岐山と並んで異色の存在であります。
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*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年3月14日付記事を許可を得て転載したものです。