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新オタクグッズ「痛スーツ」に日本伝統文化の神髄「粋」を見た=中国人オタクの議論(百元)

2013年03月30日

■中国オタク「痛スーツはある意味では日本の伝統文化の延長線上のものなのか?」■

 


■意表を突かれる日本のオタクグッズ

ありがたいことに「日本のオタクグッズで、中国オタク的に意表を突かれるものはあるのか?」という質問をいただいておりましたが、先日それに関係しそうな話題を見かけましたので、今回はその辺りで一つ。

中国オタクの間にはイロイロなオタク関係のアイテムが伝わっていますが、中でも「痛車」をはじめとする、痛系(?)のグッズはオタクをアピールするアイテムとして注目されていまして、随分と広まっている模様です。車に限らず、「痛傘」や「痛バッグ」といった様々なアイテムが「痛く」なっているそうです。

20130330_写真_中国_オタク_


しかし、日本で最近出て来たという「痛スーツ」(仕事中も萌えキャラといっしょ スーツの裏地にこっそりプリント(マイナビニュース))というのには中国オタクも驚いているようで、ちょっとした話題になっているようでした。
そんな訳で今回は中国のソッチ系のサイトなどで見かけたその辺についてのやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの驚き

社会に出ると基本的にスーツしか着れないようなことになってくるような所があるが、そんな中でもオタクの魂を表現しようとするアイテムが日本で現れた。なんと、「痛スーツ」が作られているらしい!

公式サイトの画を見た感じでは、スーツの内側を萌えキャラで痛くするのか。また日本では不思議なものを作りだしてきたな……

日本では万物全てを萌えにできるという話があるが、こういう話を聞く度にそれが誇大な表現だとは思えなくなる。

しかし……仕事できるようなスーツを萌えで痛くして大丈夫なのか?さすがに難度高すぎると思うんだが。

こういった類のアイテムってこれまでもなかったっけ?ネクタイやYシャツとかをオタクアイテムにしたりするのはそれなりにあったはずだし、エヴァなんかはかなりクールな感じになっていたように思うが。

いや、そういうのじゃないんだよ。この「痛スーツ」というのはスーツの内側にでかでかと萌えが刻まれている、中身が「痛い」スーツなんだよ!

スーツの裏地が「痛い」のか……これは予想外の方向だ。

これぞまさしく、「自らの内に宿る愛」というやつか!!

さすがにこんなの着ていたらヘンタイ扱いされそうな予感が。しかし、紳士たるものこういう服を持たなければならないのかもしれない……!

理解不能だ。これはさすがに趣味のアイテムとしてどうなんだろう?

他の痛アイテムと比べると、あんまりシャレにならんよね。スーツは遊びで使うにも使い勝手が悪いし。それにしてもこれは羞恥プレイどころじゃない、ギリギリすぎる……職場でうっかり上着脱いだらアウトじゃないか!

これはちょっと意味が分からん。「痛い」のを外に見せられないのに、なぜ作るんだ?イラストやグッズをバッグにしまっておくのとどう違うんだ?

私は悪くないと思うぞ。通勤で疲れている時に、そっと自分の服の内側をのぞいて癒される……いいじゃないか!!

なんか分かる。これは通勤における一つの福音なのかもしれない。地下鉄とバスで押しつぶされそうになっているとき、懐には二次元の彼女がいるわけだ。

私もこのアイテムの報告制に関しては疑問だ。痛スーツは確かにスゴイ組み合わせだとは思う。しかし、なぜ内側を痛くするんだ?痛いアイテムを作るなら外側を痛くするべきなのに、なぜ外を痛くしない?

ボタン全部外して羽織るだけにするのかね?でもそれは「痛い」方向で恥ずかしい上に、普通にカッコ悪くて恥ずかしいような……

前のボタンを外して、ジャケット全開!!……そんなのやったら春の日の露出狂出現状態だな。
露出狂の口実が「俺の二次元の嫁をみんなに見せようとしたんだ!」になるわけか。

萌えキャラをタトゥーにするのと、どっちがキツイかね。タトゥーは消すのが難しいが、こっちはスーツでの行動となるし、見せるための行動が怪しいし。

オタクの道を深めるのも簡単じゃないんだな、と言ってみよう。

いやいやいや。恐らく、これは「普通に上に出して露出する」ためのものじゃないんじゃないかな。これは日本の伝統文化の「粋」ってやつだと思う。その「粋」文化のなかには衣服は表に凝って見せびらかすのはカッコ悪くて、裏面に凝って時折のぞかせるのがカッコイイという感覚がある。痛系のアイテムも日本のそういった文化と結びついてきたんじゃないか?

日本では、「本物」は「見せびらかすというのをやらなくなる」という話は聞いたことがあるね。あと日本では、オタクの間でも「知識をひけらかす」のはウチの国の感覚に比べて更に嫌われ易い行為になっているようには感じる。痛系アイテムも、痛くするアイテムの選択から、痛さの表現に進化してきたということなのだろうか。

ならば、痛スーツはある意味では日本の伝統文化の延長線上のものなのかね?そうなると、これは間接的なオタクのレベルの選別なのかね。「分かる人には分かる」「それを理解できるレベルの人としか付き合わない」とか、そういう意味を表すアイテムなのかね。

じゃあ、あれか。ひるがえるサイドベンツからちょっと覗いた絵柄を見て「今のミクは……!」とかやるのか?

この痛スーツに関して、自分の考えたシチュエーションはこうだ。懐から財布を取り出すときに、周りの人間の目にスーツの裏地がちょっと目につく、そして周りは「こいつ、痛スーツを着ていやがる!こいつは、紳士だ……!」と驚く、そんな感じで。

……普通の所でやるのは勘弁して欲しいが、オタク系のイベントでそれをやるのはちょっとカッコイイかもと思ってしまった!

とまぁ、こんな感じで。


■日本人的にもちょっと謎な痛スーツの存在意義

この「痛スーツ」は今までの痛系(?)のアイテムなどとは違うように思われたりもしているようで、面白い推測も出ていました。しかし、上のやり取りを見ていると、この痛スーツの存在意義をどう理解するべきなのか、こちらもちょっと混乱してしまいますね。

今回のやり取りを見ていて、この痛スーツを手に入れる、身に着ける方がどのような思いを抱いていらっしゃるのか、私も気になってきてしまいました。とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年3月24日付記事を、許可を得て転載したものです。

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