中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2013年3月8日、Sootoo.comは中国のスマートフォン出荷台数に関する記事を掲載しました。特に新しい記事でもないのですが、2012年の中国におけるスマートフォンの勢いが如実に現れている記事だったのでご紹介。中国の工信部が発表した数値を図に直したものですが、まずは2005年から2012年までの携帯電話全体とスマートフォンの出荷台数の遷移です。
2012年の中国携帯電話の総出荷数は4.66億台で前年比10.8%の増加。スマートフォンに限れば、総出荷台数で2.56億台、前年比166.8%と大幅に出荷数が伸びました。
このスマートフォンの勢いは下図の月別出荷台数をみても明らかです。
2012年1月の時点で全携帯電話出荷数に占めるスマートフォンの出荷比率は45.9%でしたが、4月以降は50%を超え、その後も順調に比率を伸ばし2013年1月時点での出荷比率は72.1%と中国で出荷される携帯電話の4台に3台近くがスマートフォンになっていることが分かります。
1,000元スマートフォンなどの廉価モデルや小米などコストパフォーマンスの高い手頃な価格のスマートフォンなどがスマートフォンの勢いを牽引している主要な部分ですが、最近は1,000元スマートフォンでもデュアルコアCPUな端末が出てくるなど、更に購買動機は高まっていますし、この勢いで行くと2013年中にスマートフォンの出荷比率が90%超になりそうですね。
そして、そのスマートフォンの中でもOS別に見るとやはり最も勢いがある、というよりスマートフォン人気を後押ししていると行っても良いのが、Androidです。
※同図のタイトル上はモバイルOSとなっていますが、スマートフォン端末のOSという意味なはずです。
2009年に公開されたAndroidは同年は0.3%でしたが2011年に大きく飛躍し、シェアを58.6%と過半数にまで押し上げ2012年末時点では遂に86.4%までシェアをあげてきました。
シェアという数の上では中国市場でも他の追随を許さないAndroid。この傾向はここしばらくは続きそうですが、1点気になる発言もありました。それは、工信部の関係者の談なのですが、Androidはオープンソースとは言えGoogleが主導して開発を行っているモバイルOSであり、コントロールを受ける可能性が非常に高い。したがって中国は中国で独自モバイルOSを開発していくべき、などという発言もあるので、急いで気にする必要はないですが、独自モバイルOSの動向、というのも頭の片隅に入れておくのが懸命かもしれません。
関連記事:
サムスンのシェアが激減、ローエンド時代を迎えた中国スマホ市場で中国メーカー躍進
SMS発信件数が実質的に減少、スマホとWifiが変える中国の携帯コミュニケーション(osschina)
「iPhoneを持っていたから」即逮捕されたチベット人=スマホがチベット本土と亡命政府をつなぐツールに(tonbani)
「Android飛躍の年」中国市場のシェアは過半数に=スマートTVにも期待(osschina)
9割がAndroidを選択=2010年中国モバイル開発者調査レポート―中華携帯ニュース
*本記事はブログ「中国モバイル業界雑記」の2013年1月9日付記事を許可を得て転載したものです。