■植樹大会に胡錦濤は姿を見せず■
■植樹イベントで中国共産党の最新序列をチェック3年ほど前にも扱ったのですが、毎年この時期になると、中国各地で植樹活動が開かれ、北京では常務委員が揃って参加します。確か鄧小平が始めたイベントで、もう30年以上続いているはずです。
今年は昨年と同じ豊台区永定河畔で開催された植樹活動。何年経っても緑で一杯にならないこの場所は、植樹イベント用に使うために毎年植えたそばから掘り返しているのか荒野のまま。
党大会、両会が終わり、指導部入れ替えが完了したわけですが、その後の最新序列がいつ判明するのか。誰かの葬式で分かるのか、それとも植樹活動か。と期待していましたが、植樹活動が来てしまいました。
党と国家の指導者、首都義務植樹活動参加(新華社 2013/4/2)
■院政をしいた男、引退後の江沢民
ちなみに江沢民が国家主席を引退した2003年両会直後の植樹活動には江沢民がしっかり参加。というか、4、5年前まではしつこく来て健在ぶりをアピールしていました。

こちらは2003年の写真。植樹活動を伝えた記事の序列は胡錦濤が先なのに、写真に映っている立ち位置での序列は江沢民が先に来てるんですよね。文字と一致させるなら左から5人目の江沢民と、その右の胡錦濤の立ち位置が逆なのです。今さらながらの話なのですが。当時の江沢民は中央軍事委員会主席の座を手放していませんでしたから、裏序列がうっかり出てしまったのか、写真と文章の珍しい不一致です。
■院政をしきたいはずの男、引退後の胡錦濤

※両会。習近平の褒め殺しで引導を渡される胡錦濤さん
さて、両会では習近平は胡錦濤にトップの席次を譲っていました。現時点では習近平さんが序列1位なのですが、江沢民が見せつけたような嫌がらせを胡錦濤もできるのか、と期待しておりました。ところがところが胡錦濤はまさかの欠席。閉会式の講話で胡錦濤に引導を渡したのが効いているのか(
関連記事)、特に健康面に問題ありと伝えられていない胡錦濤は植樹活動には姿を見せていないのです。
植樹活動ぐらい……と思うなかれ。この活動は高層動態(中国共産党高官動向)にカテゴライズされている重要なイベントで、CCTVの夜7時のニュース番組「新聞聯播」のトップで報じられているはずです。引退後はこういうところで姿を見せて健在ぶりをアピール。影響力を保持するものなのですが……。
ニュースで「胡錦濤が参加していない」とは言われないわけですが、引退したばかりの今年いきなり欠席する、あるいはさせられる事で、胡錦濤の完全引退が印象付けられてしまうのです。先代の影響力を排除しようとしている点で習近平は胡錦濤より上ですね。胡錦濤がとんでもない甲斐性なしというだけかもしれませんが。
関連記事:
「核心」になれなかった胡錦濤=習近平の褒め殺し演説で「完全引退」ムードへ(水彩画)江沢民が自ら序列格下げを願い出た理由=失意の胡錦濤に追い打ちをかける“殺し屋”っぷりがすごい(水彩画)胡錦濤大惨敗の十八大=敗因は“汚れ役の右腕”の不在(水彩画)巻き返しはありませんでした……胡錦濤派の大物が次々潰された全人代新人事を読む(水彩画)【小ネタ】サヨナラ!胡錦濤、“元”国家主席のキンモクセイ―中国*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年4月2日付記事を許可を得て転載したものです。