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「井戸水がピンク?あずきの色が移ったようなもの」“暴言”の環境官僚を更迭=中国的正義の果たし方

2013年04月06日

■「井戸水がピンク?あずきの色が移ったようなもの」“暴言”の環境官僚を更迭=中国的正義の果たし方■
 


2013年4月5日、新華社は河北省滄州市滄県共産党委員会常務委員会が、環境保護局の鄧連軍党組書記を罷免したと報じた。同氏は局長も兼任しているが、こちらも罷免が提案されており、県人民代表大会常務委員会での協議を経て罷免される見通しだ。

鄧局長は何をやらかしたのか?実は前日4日に放映されたテレビ番組で暴露された“暴言”が問題となった。


■ピンクの井戸水

20130406_写真_中国_ピンク

4日、中国中央電視台(CCTV)の人気調査報道番組「新聞1+1」は特集「赤くなった地下水、誰の顔が赤くなるべきか?!」を報じた。

滄県張官屯郷小朱庄村。この村の地下水がピンクになったとして村民たちを不安にさせている。ピンクの水では車を洗えないと洗車場は営業中止。養鶏場ではニワトリの死亡率が上がったとの話もある。不安に思った村民たちは解決を訴え陳情したが、

河北省→下級政府機関と話し合って解決してください。
滄州市→下級政府機関と話し合って解決してください。

とたらい回しされ、

滄県→ピンクだけど水質検査は合格です!飲んでよし!

と、力強くもいい加減な回答をもらったという。

で、CCTVが環境保護局の鄧連軍局長にインタビューしたところ、傑作の回答を引き出した。

赤いからといって水質が不合格というわけではありません。赤い水の中にはそういう色の物質が入っているものもあるわけですから。そうでしょ。例えばあそこにあずきを入れたら赤くなるでしょ。あずきで炊いたご飯も赤くなりますよね。でもだからといって不合格ではない。

というもの。「このあずき局長め!」と速攻でネット民のツッコミが入り、滄県はあずき局長の罷免を決めたという流れだ。


■中国的正義の果たし方

かくして番組報道の翌日、経緯の検証もなしに県環境保護局局長の首を飛ばして正義は果たされた。番組では結局、ピンクの水にはどんな物質が含まれているのか、汚染だとしたら汚染源は何かということは明かされることがなかった。局長の首を飛ばした県環境保護局がこれからちゃんと対応してくれるのだろうか?

まあ、そういうことはあまり気にしてはいけないのかもしれない。少なくとも正義は果たされたのだから。

ここで思い出されるのが先日のアップル対中国官制メディアの戦争だ。CCTVが「アップルの修理規定は他国と比べて中国人消費者にとって不利」と報道したのに、アップル社は「そんな事実はございません。これからもなにかお気づきありましたらご意見お寄せくださいね」とあっさり対応。その後、人民日報やらCCTVが猛攻撃を加え、アップルが謝罪するという騒ぎがあった。

「アップルが恐れ入りましたと言わないことで、中国官制メディアのメンツを潰したのではないか」というのが私の推論。まあ裏にはさまざまな陰謀が飛び交っていた可能性もあるが、あずき局長の首切りという、見事なまでの中国的「恐れ入りました」を見せられると、やはりアップルが中国流のふるまいをよく理解していなかったのが問題だったとの感を強くする。

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