中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2013年04月15日
■日本AV女優が参加したアダルトグッズ展示販売会
2013年4月12日から14日にかけ、上海市で中国国際成人保健・生殖健康展覧会が開催されている。公式サイトには「国内外市場の最新動向を把握」「業界内交流の理想の場所」とかお題目が並べられているが、基本的にはアダルトグッズメーカーの展示販売会だ。「性文化節」というタイトルが使われることが多いが、同種のイベントは中国各地で開催されている。
基本的にはアダルトグッズの展示販売会なのだが、ボディペインティング、ランジェリーショー、ポールダンスといった客引きイベントが目白押し。加えて専門家によるマジメな講義や古今東西用品展なども箔付けのために行われるなどなかなかバラエティに富んでいる。こちらを見ていただければそのカオスな状況がわかるはずだ。
今回、客引きの目玉となっているのが日本のAV女優の参加。波多野結衣さん、麻生希さん、松すみれさんが参加したという。
上記画像は中国新聞網の報道。B級中国語マスターを目指している若人はタイトルに使われている「胸器」という単語をぜひ覚えて欲しい。これは「凶器」(Xiongqi)と「胸器」(Xiongqi)のかけことば。日本語だと「あいつの胸はまるで凶器だな」と13文字になってしまうのに、「胸器」というたった2文字で表現できてしまう。
■日中関係の雪解け
どうでもいいニュースといってしまえばそれまでなのだが、彼女たちがイベントに登場できるようになったことが昨年の日本政府による魚釣島買収以来、冷え込んでいた日中関係に雪解けムードが到来したことを示している。14日には浙江省寧波市の遊園地に蒼井そらさんが登場。こちらも結構大々的に取り上げられている。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的に、日本関連のあらゆるものが使いづらかった状況に変化が生じたというわけだ。3月の中国全国人民代表大会(全人代)閉幕後、李源朝国家副主席が日中関係改善に前向きな発言をするなど、「そろそろ一段落」を匂わす動きが相次いでいる。
また日本の教科書検定で尖閣を日本領土とする記述が定着したとのニュース、あるいは台湾との漁業協定締結など、新たな燃料投下にも中国側が大きな反応を見せていないこともあげられる。
5月下旬にソウルで日中韓首脳会談が実施される予定だが、ここで安倍首相と李克強首相の二国間会談が実現すれば、雪解けムードは一気に加速するのではないか。
もっとも尖閣をめぐる問題は何の解決もされていないのは事実。衝突を回避するような構造を作り上げない限り、また1~2年後にはなんらかのきっかけで同じようなことが起きるのではないかと危惧する。
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中国側は一時的な摩擦と思っているかもしれないが、あれは分岐点だったと思う。
しばしば中国人が披露するAVネタは、たいてい相手を退屈させるだけの逆効果でもある。