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食べるだけでトリップしちゃう?!アヘン成分入りケシがら火鍋がブラックカレー並にスゴい―中国

2013年04月18日

■食べるだけでトリップしちゃう?!アヘン成分入りケシがら火鍋がブラックカレー並にスゴい―中国■


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*私が自宅で作った火鍋。日本の土鍋に真っ赤なスープを入れると違和感が半端ない。

■ケシがら火鍋

先日、「鍋料理にアヘンの原料 固定客をつかむため=南京市」 という記事をツイッターで紹介したところ反響が大きかったので、中国では結構有名な「ケシがら火鍋」についてご紹介。日本語抄訳を掲載しているのは法輪功系メディアの大紀元だが、元記事は揚子晩報である。その内容をざっとまとめると以下のとおり。

南京市に住むあるネットユーザー。1カ月ほど前に南京市のある火鍋レストランにいったところ、他の店の火鍋と全然違う味に驚いた。これはケシを入れているのではないか、と疑って確かめるためにもう一度店を訪れた。店に行く前にまず尿検査。モルヒネは陰性だった。そしておいしく火鍋を食べた後にもう一度、検査してみるとなんと陽性という結果が。モルヒネを摂取したことを示しているではないか。

この検査をマイクロブログで発表するとたちまち話題に。

揚子晩報は取材を開始。店主は取材に答え、「普通はケシがらを入れるんですよ。そうじゃないと絶対にまずいし、リピーターになってくれない。他の店もこれを入れているのを見ています」「ケシがらは火鍋に入れることが多いですね。焼烤(肉や野菜の串焼き)に入れることは少ない。ちょっと粉をかけるぐらい。調味料にケシがらを入れると、本当においしくなるんです。お店もリピーターが来ないとか商売の心配をしなくてもすむってもんです」と語っている。

警察は捜査を進め、ケシの実、ケシがらを販売している店を突き止めた。40キロの在庫が見つかったという。刑事処罰の対象は50キロ以上の保持のため処罰の対象にはならなかったが、10日間の治安勾留と罰金3000元(約4万5000円)が命じられた。警察は他の仕入れ先の調査を進めているという。


■1991年の禁止令

この記事はそこそこ注目を集め多くのサイトが転載しているのだが、ポイントは「ネットユーザーが尿検査したらモルヒネの陽性がでちゃったんですが……」という点にある。たしかに火鍋食って薬物検査で捕まったら大変である。

そして日本人的に面白いポイントとしては、「火鍋にケシが入っていたこと」はたいしたニュースではないという点だろう。

中国を代表する料理、火鍋。中国風しゃぶしゃぶなどと言われることもある。いろんな種類があるのだが、基本的には「赤くて辛いスープ」「辛くないスープ」の2種類に分けられる。この赤いスープがともかく辛くて、そしてやみつきになる味だ。こんなやみつきになるんだから麻薬でも入ってるんじゃないの、と思っている人は少なくない。そしてケシがらを入れたケシがら火鍋は実際に結構一般的な存在のようだ。

オンライン辞書・百度百科にはそのものずばり「ケシがら火鍋」という項目がある。かつては火鍋にケシがらを入れすぎていい感じになった人が交通事故を起こすという事例もあったとか。さらには肝臓病患者や妊婦、子どもが食べて死亡した例もあるという。

そのため1991年8月に政府は「食品中のケシがら(ケシの実)などを使用するなど違法行為取り調べに関する通知」を出している。この通知の冒頭にも事例が紹介されている。1987年末、四川省の食品衛生監督機構が268の火鍋レストランを検査したところ、67店舗がケシがらを、5店舗が頭痛薬を使用していることを発見した。また洛陽市食品衛生部局が市民の通報を受け、牛肉スープ、あんかけ面などの店舗を調査したところ、70店舗がケシがら、ケシの実を使用していた。

そして現在もまだ一部のレストランではけしがらを使用している。4月16日付浙江在線は浙江省湖州市の牛肉スープ・レストランがケシの実を使っていたとして摘発されたことを報じている。ちなみに店主は安徽省の出身で、国境にある違法のケシ取引市場で購入したとのこと。こうしたマーケットが存在する程度には流通しているようだ。また2013年4月9日付半月談によると、中国工商総局、衛生部など4部局は2011年にもケシがら火鍋禁止の緊急通達を出している。


■ブラックカレー

さて気になるのがケシがら、ケシの実が入った火鍋を食べると中毒になるのか、という点だ。通常、ケシがら火鍋を食べても尿検査で見つからない程度のモルヒネ含有量しかないようだ。もっとも入れている量が多ければ尿検査にひっかかるどころか、薬物を使用したのと同じような効果も得られる。冒頭で紹介した南京市のお店は豪華にもたっぷりとケシがらを使用したのではないか。

包丁人味平 7 カレー戦争「ブラックカレー」編 (SHUEISYA HOME REMIX)

麻薬料理と聞いて思い出すのが名作料理漫画・包丁人味平にでてくるブラックカレー。こちらはやみつきになるどころか、明らかに薬物による陶酔状態まで示していた。少なくとも今の中国のお店にはここまでの濃度で攻めているところはないのではないか。とはいえ1980年代には交通事故を引き起こすぐらいの強烈な火鍋もあったもよう。カレー将軍ならぬ火鍋将軍がごろごろいた時代だったようだ。

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