• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

フグ宴会を開いていた中国官僚を市民1000人が文革風吊し上げ=習近平の反汚職政策(水彩画)

2013年04月22日

■豪華食事を食ったら机の上で土下座させられたでござる■


■習八項

習八項については何度かブログで取り上げておりますので、改めて説明しなくてもご存知かと思います。豪華華美浪費ムダ遣いを戒める習近平のありがたいお言葉ぐらいにとらえていただければ。中国夢と節約を基礎とした習八項は、習近平の二本柱と言っていいでしょう。

と言っても、これまで習八項に反した官僚が後に処罰されたということはありません。実は習八項が出る前から官僚の浪費はよく吊し上げされており、「県庁舎がホワイトハウスみたいに豪華だ、けしからん」という報道もたびたび。なのでそんなに変わりない気がします。なお吊し上げられても、ホワイトハウスも解体されたとか、現地の書記が解任されたとはほとんど聞きません。


■フグをおいしくいただいていた官僚が吊し上げを喰らう

今回紹介するのは習八項を無視して豪華料理を貪り食ってたところ、民草に批判を受けたというもの。


19日夜、江蘇省泰州市の濱江工業園区管理委員会が、夜な夜な自らが所有する招待所で宴会を開催。高い酒を飲み、太刀魚や河豚など高級料理をかっ食らっておりました。なぜあやつらは毎日招待所にやってくるのか。不思議に思った近隣住民が見に行くと、個室で宴会を開いている官僚たちの姿を発見。これは許せないと近隣の住民1000人を呼び集め、招待所に乱入。現場を押さえられた管理委員会書記はテーブルの上で土下座して謝罪するハメに。

ちなみに招待所とはゲストハウスのこと。一般的には安宿という意味ですが、政府機関などが所有している宿泊施設という意味もあります。習八項が出てからというもの、高級レストランでの飲食は見つかるとやばいと減少したそうですが、代わりに人目のつかない招待所で宴会を開いているとも批判されてきました。ちなみにペットボトルにマオタイ酒を詰めるなど涙ぐましい隠蔽工作をしているのだとか。

今回の騒ぎはそうした招待所での飲食も許さない、という見せしめの意味もありそうです。あまりに出来すぎた話でやらせ臭がぷんぷんしますね。
 

20130422_写真_中国_

破壊力抜群の写真です。

同委員会の書記が「テーブルの上に」跪いて、情けを請うているシーンだそうです。現行犯ですから、写真が荒いのは仕方ないですね。何をどう取り繕ったかは記事では分からないのが残念です。


■書記は免職処分に

20日午後、泰州市は、公式微博アカウントで「中央の八項規定と省委、市委の十項規定に違反し、基準を超える接待を行ったため、厳しく調査処分する。断じて見逃さない」と発表。

中央が出した習八項に「高度に一致する」形で、各地方も独自の規定を打ち出しているんですが、江蘇省の規定にある「高い料理を食べない」「宴席を設けない」に違反しています。(江蘇省、作風改善の新「十項規定」打ち出す=新華社 2012年12月21日

記者が泰州市政府の関連部門に確認したところ、泰州市委、市政府が検討した結果、泰州濱江工業園九管理委員会主任張愛華を免職とした事がわかった。泰州市は22日午後から会見を開き、関係する情報を発表する予定。

■習近平のハエ叩き

先日話題となった習近平タクシー事件(関連記事)と今回のフグを食べた書記の吊し上げ。共通点をあげるならば、新華社などの絶対正義である官が主導して事を進めるのではなく、人民が習近平の美談を発見、人民が悪い書記を吊し上げたという形式にしている点で、以前のホワイトハウス報道と違うかもしれません。

習近平の反汚職運動に新たな成果が、となったわけですが、槍玉に挙げられるのは下っ端ばかりですし、どうしても出来レース臭が拭えません。政治局会議で議題の中心となった汚職問題のいい題材にされたような。相変わらずトラもハエも打つとか言ってますけど、ハエばかりですね。(習近平「歴史の清廉政治文化に倣い、腐敗を拒否する能力を絶えず高めよ」=新華社 2012年4月20日

関連記事:
習近平の水戸黄門的パフォーマンス=タクシー事件と削除祭りの真相とは―中国
「会議にはマイ水筒を持参せよ」習近平総書記の官僚ムダ遣い対策とそのコレジャナイ感
節約王・習近平に成金ファッション女王の李鵬娘が公開挑戦……か?(水彩画)
「核心」になれなかった胡錦濤=習近平の褒め殺し演説で「完全引退」ムードへ(水彩画)
「中国の夢」にチベット人の夢は含まれない=習近平とチベット問題(tonbani)
習近平の風紀引き締めでウイスキー売り上げが激減=民主制度VS共産党の官僚のムダ遣い対策―中国

*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年4月22日付記事を許可を得て転載したものです。

トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ