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フグ肝も食べられる?!日本開発の無毒フグが広州市で流通=当局は危険と警告―中国

2013年04月30日

■フグ肝も食べられる?!日本開発の無毒フグが広州市で流通=政府当局は危険だと警告―中国■


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■中国の無毒フグは日本の技術で作られていた

2013年4月、広東省広州市の食品薬品監督管理局は、市場で販売されている巴魚は、その多くが「養殖されたフグ」であり、食用にはリスクがあると警告。またレストランでのフグ料理提供は違法行為だと警告した。もっとも養殖業者、販売店は「うちの巴魚は養殖物じゃけぇ毒がないんよ」と堂々と述べている(新快報)。

ちょっとビックリしたので調べてみたところ、 私が知らなかっただけで、無毒の養殖フグは日本人が開発した技術のようだ。

海水不使用の養殖フグ、初出荷
スラッシュドット、2011年7月

岡山理科大学は、トラフグを海水を使わずに養殖することに成功し、7月28日に岡山市の中央卸売市場へ出荷した。海水を使わずに養殖したフグが出荷されるのは国内初という

養殖には同大の山本俊政准教授らが開発した「好適環境水」を使用している。好適環境水は淡水に電解質を加えたもので、海水魚と淡水魚が同じ水槽内で生育することも可能だという。

新快報記事には岡山理科大学の技術を使用したとは書いていないが、「巴鱼是人工淡水养殖的无毒河豚品种」(巴魚は淡水養殖の無毒のフグの品種です)とあるので、まず間違いなさそう。

いわゆるフグ毒、テトロドトキシンはフグの体内で生成されるのではなく、海洋細菌が生成し食物連鎖によってフグの体内に蓄積されると考えられている(ウィキペディア)。そのため隔離された淡水の環境で、テトロドトキシンを含まないエサを与えていた場合には無毒のフグになる。


■中国式フグ料理

ただし養殖方法に問題があれば毒が蓄積される可能性もある上に、海で養殖された有毒のフグが混入するリスクも指摘されている。新快報にコメントした中山大学生命科学学院の楊廷宝教授はフグの養殖と取引を禁止するのではなく、政府部局が管理を強化した上で、無毒の養殖フグを食べる環境を確保するべきだと提言している。

確かに今のところ目立った被害はないようで、広州食品薬品監督管理局も市民に「警告」したのみ。養殖業者、販売業者を規制する動きは見せていない。

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この「巴魚」の食べ方だが、日本式にフグ刺しにするケースもあるが、煮たり蒸したりという中国料理の一般的な魚の調理法で料理することもあるようだ。

ちなみに日本でも好適環境水で育てられた養殖フグは出回っているが、一般のフグ同様に規制されているため、中国のように好き勝手販売したり、「肝も一緒に煮込んでみた」とはやってはいけないことになっている。

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