• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

水に落ちた犬は叩け!江沢民の陰謀で胡錦濤同志の序列が垂直落下(水彩画)

2013年05月04日

■胡錦濤同志は完全終了しました■


■最新葬式で知る中国共産党の序列

4月24日、倪志福氏がなくなりました。元中国共産党中央政治局委員、元中華全国総労働組合主席ですが、訃報を聞いて思ったのはついに最新序列完全版が手に入るということ。ひとりほくそえんでいたのですが、これが中々面白い。誰が得するのかわかりませんが、ご紹介しておきます。

倪志福同志の遺体、北京で火葬(新華社 2013/5/2)

旧正月前に胡錦濤、習近平らにお見舞いされたばかりなのですが、享年79歳と意外と若い。中国共産党の要人といえば、80歳、90歳は当たり前という世界なのですが。

これまでの流れをおさらいするために、前々回の葬式から再度見てみましょう。当時の序列です。


■2012年11月27日の序列

胡錦濤、習近平、江沢民、呉邦国、温家宝、賈慶林、李克強、張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗

党大会直後の11月27日に挙行された丁光訓の葬儀では、総書記となった習近平を差し置いて、胡錦濤が依然1位を占め、習近平が2位。

ちなみに2002年、江沢民が総書記を退いた際には、党大会から両会まで胡錦濤>江沢民でした。前例とは違う対応だったので、胡錦濤>習近平の序列に違和感を感じました。

しかし胡錦濤が頑張ったわけではないでしょう。党大会、両会での見事な引退させられっぷりや、留任するかもと見られていた中央軍事委員会主席まで手放し、しつこく「潔い」と報じられたのを見れば、文字通り名を捨て実を取った形で前任者を葬った習近平さすが、というより胡錦濤の甲斐性の無さが目立ちました。

江沢民はこれまで同様、総書記以外の新旧常務委員に割り込む形で3位。


■2013年1月22日の序列

ところが年が明けた1月22日、楊白氷の葬儀では、江沢民の序列が新旧常務委員の後ろまで下がったのです。
江沢民がこれからは他の古参同志と同様に扱って欲しいとの希望でこうなりました、という説明が夜遅くに新華社から出される異例の事態。よほど動揺があったものと推察できます。
(関連記事:江沢民が自ら序列格下げを願い出た理由=失意の胡錦濤に追い打ちをかける“殺し屋”っぷりがすごい(水彩画)

ちなみに、当時の序列は以下の通り。

胡錦濤、習近平、呉邦国、温家宝、賈慶林、李克強、張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗、江沢民


■2013年5月2日の序列

そして、最新序列ですが、以下の通りとなっています。

習近平、李克強、張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗、江沢民、胡錦濤

前回まで1位だった胡錦濤が劉少奇失脚レベルの序列大幅低下であります。もちろん失脚などではありませんで、引退直後で江沢民の後ろから始まるハードモード。これは江沢民が序列後退を申し出た時点で分かっていたことではありますが、実際に目にすると改めて江沢民の仕掛けた罠が生き生きとしてるのがわかります。

江沢民は胡錦濤を巻き添えにしてまで自らの序列を後退させたわけで、今後胡錦濤が江沢民のように習近平総書記の横で党大会などのイベントを迎えることはまず出来ないでしょう。それこそ、江沢民の狙い通り「その他大勢の常務委員経験者」として扱われるわけで、江沢民が欠席しても胡錦濤がその他大勢扱いされるのが続くのは止められません。

胡錦濤はその手の集まりに出席するたび、もれなく自分が甲斐性なしだと知らせる特典を貰ってしまったわけで、毎度毎度生き恥を晒すわけです。トウ小平や江沢民は完全引退後も特別扱いだったのに対して、胡錦濤は甲斐性なしな自分の非力さをかみ締めることでしょう。

20130504_写真_中国_胡錦濤_


ここ最近の葬式でも冴えない顔をしていた胡錦濤ですが、いつにも増して顔が死んでますね。党大会から両会までの暫定1位は習近平からのプレゼントだったと思うことにしましょう。


■補論:江沢民と胡錦濤の序列
(文責:Chinanews)

時事通信が記事「江沢民氏、胡錦濤氏より上位に=指導部交代後の序列判明―中国」という記事を出しています。確かに名前の並びは常務委員の後に「江沢民、胡錦濤」と並んでいますが、これが果たして序列なのかは疑問。江沢民は「党と国家の指導者」扱いからヒラ同志扱いにしてくれと言ったそうなので、その言葉どおりならば江沢民と胡錦濤はヒラ同志として同格となるはずです。

Togetterのまとめ「矢吹先生に聞く中共とは」では序列について矢吹晋先生が解説していますが、こちらが参考になります。名前が書かれる順番は序列なのか、総書記就任順なのか、それとも頭文字の画数順なのか。もし画数順だとしても、時事通信を始めメディアやウォッチャーは「江沢民>胡錦濤」と読みとってくれるわけで、そこまで考えての「江沢民、ヒラ同志への降格」だとしたら……などと妄想してしまう次第です。

もっともこの件については水彩画さんにおたずねしたところ「引退した総書記2人が序列に並ぶ現象が史上初」とのことで、判断する材料が足りなすぎるとのお答えでした。

関連記事:
国家大劇場初のソロを唱ったのは江沢民=老いてなお元気すぎる件―中国(水彩画)
江沢民がいつまでたっても健在な件=揚州市の地震対応を自ら評価(水彩画)
第二の「江沢民死去」誤報?!読売のスクープが危険で危ない件
江沢民、またまた健在ぶりをアピール=外交官僚向け書籍に寄稿―中国(水彩画)
江沢民が新聞、テレビで健在をアピール=次期人事介入への野心めらめら?!(水彩画)
【中国斜め読み】フェラーリと江沢民と令計画の挫折=バイオハザード5と尖閣(ujc)

*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年4月29日付記事を許可を得て転載したものです。

トップページへ

 コメント一覧 (2)

    • 1. ahaha-man
    • 2013年05月04日 23:00
    • もう辞めたんだから、前に辞めた人の後で別に何もおかしくないと思うが。
    • 2. Chinanews
    • 2013年05月07日 01:31
    • >ahaha-manさん
      結局、2期10年で総書記交代というルールが江沢民から始まったので、2人の引退総書記が並ぶ現状のすべてに前例がなく、そこでいろいろな憶測と駆け引きが飛び交う状況になっています。

コメント欄を開く

ページのトップへ