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「冬はスキー、春は花見」タイで高まる日本旅行人気、円安追い風に(ucci-h)

2013年05月07日

■今やタイ人観光客が日本へ行き、日本人より一人当たりよりお金を落とす時代■

 

Tokyo tower
Tokyo tower / apple 94


■訪日観光客数でタイが国別6位に


タイが、韓国、中国、台湾、米国、香港に次ぎ第6の日本訪問観光客の多い国となってきていることは意外に知られていない。

日本観光庁の統計によると、タイの訪日観光客数は2012年で26万人。前年比80%の高い伸びだった。2011年は東日本大震災大震災があったとはいえ、訪日観光客数全体(836万人、34%増)の伸びを大きく上回る数値となった。

韓国からの204万人、台湾の146万人、中国からの143万人(年後半、尖閣問題でへこむ)、米国72万人、香港48万人に次ぐ第6位で、豪州の21万人、英国の17万人を上回っている。


■円安が追い風に

そして、ここに1992年以来20年ぶりの大きなバーツ高、円安の波がやってきた。バーツは、円に対して1~3月で14%上がった。4月からでも7%上昇している。2012年10月から見れば、半年で3割も上がっている。タイ人にとって日本旅行が30%引のバーゲンセールになったようなものだ。

2013年、タイの訪日観光客数は1~2月で前年比31%増を記録した。このペースだと、30万人を超えそうだ。日本観光の需要増で、日本円札が足りなくなっているほどだとか(バーツ高に泣く日本人は円からバーツに、公定レートよりも有利に換えれるかもしれない)。

4月のタイ正月(水掛祭り、4月12~16日)にも、近所のタイ人には日本へ行く人が多かった。冬場はスキーに、春は桜を見に日本を訪れる。もちろん買い物も楽しみの一つだ。タイは中進国とはいえ、資産税がかからないこともあって金持ちは少なくない。隣の車をベンツなど4台持っている家では、時折、韓国、日本、香港へ旅行に行き、日本へ行けない貧乏人の日本人にお土産を買って来てくれる。


■日本のライバル・韓国の成功

日本の法務省がタイ人の不法滞在を防ぐため、なおかたくなにビザ発給、入国を厳しくしているが、時代は変わりつつある。今やタイを訪問した日本人が消費する金額よりも、日本を訪問したタイ人が消費する金額が多いとも言われているのだ。

観光客の奪い合いでも日本のライバルとなっているのが韓国。積極的なビザ優遇政策を展開している。タイとは相互ビザ免除協定を結んでおり、ビザを取得することなしに90日間の滞在が可能だ。タイへ行く韓国人観光客は117万人(2012年)、日本人(137万人)を追い抜こうかという勢いである。

タイ人観光客招致では韓国が日本を圧倒、49万人のタイ人が韓国を受け入れた。全体で見ても訪韓外国人観光客数は1114万人(2012年)と日本よりも約300万人多い。日本も観光業を伸ばすためには、タイなどへのビザ免除を早めに実現する必要があろう。

タイ航空の日本行きフライトの座席充足率は、この第1四半期、昨年の80.3%から、84.5%に上昇している。乗客数は、50万8千人で25%増という。今や、北海道のニセコ・ヒルトンに泊まる方が、サムイ島の同等のホテルより安くなっているそうだ。また、タイ人は、銀座へ行ってロレックスを買うようになってきたそうだ。

「東京は、タイの78番目の県のようなものだ」とこちらでは嘯かれるようになってきた。日本の観光庁も喜ぶべきことだろう。

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*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2013年5月6日付記事を、許可を得て転載したものです。

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