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2013年05月07日
■注水肉、ニセ牛肉、ニセ羊肉、病死肉など食肉犯罪事件10例
2013年5月2日、中国公安部は食品犯罪摘発キャンペーンの成果を発表。典型的事件として10例のケースを紹介している。その中でも最もインパクトがある「ネズミ肉で作ったニセモノ羊肉」の話は日本語メディアでもかなり大々的に報じられた。
ただし10例まとめて紹介しているサイトはないようなので、ざっくりとではあるがまとめて紹介したい。鴨肉でニセ干し牛肉を作ってみた、キツネ・ミンク・ネズミでニセ羊肉を作ってみた、農薬子羊で死亡事件、政府関係者が病死ブタを横流し、病死ニワトリで燻製肉などなどバラエティに富んでいる。
公安機関、食肉製品犯罪を集中的に取り締まり、食卓の安全守る
3カ月で各種食肉製品犯罪382件を摘発、容疑者904人を逮捕、各種ニセモノ、劣悪製品2万トン超を押収
中国公安部ウェブサイト、5月2日
1月25日以来、中国公安部は全国公安機関に指示し、「食品犯罪取り締まり食卓安全防衛専門アクション」を実施してきた。各地公安機関は関連部局と協力し、各種食肉製品を中心に各種食品安全違法犯罪活動を厳しく取り締まってきた。専門アクション開始以来の3か月間で2010年の食品犯罪を摘発し、3576人の容疑者を逮捕した。闇工場、訳工房、闇拠点、闇市場など計1721カ所を撲滅。省・区・市を越えた犯罪ネットワーク325組織を摘発した。中でも注水肉、ニセ牛肉、ニセ羊肉、病死肉、有毒有害食肉製品などの犯罪382件を摘発。容疑者904人を逮捕した。現場で押収した各種劣悪食肉製品は2万トン超。猖獗を極める犯罪者たちに厳しい一撃を食らわせた。
中国公安部発表、食肉製品犯罪の典型的事件例10ケース
中国公安部ウェブサイト、2013年5月2日
(1)遼寧省:未検疫牛肉販売事件
検疫を済ませていない冷凍牛肉を販売。40トン超を押収した。
(2)内モンゴル自治区:劣悪干し牛肉事件
鴨肉などを原料としたニセモノ干し牛肉、干し羊肉を販売。14.6トンを押収。
(3)江蘇省:ニセ羊肉事件
キツネ、ミンク、ネズミなどの肉をゼラチン、カルミン酸(着色料)、亜硝酸塩などで加工し羊肉として販売。
(4)貴州省貴陽市:毒鶏足事件
鶏足を過酸化水素水で漂白。香料、酢酸、着色料などで加工して販売。1日300キロを生産していた。
(5)江蘇省:劣悪豚頭事件
工業用松やにを使って毛をむしったブタの頭を販売。ブタの頭25トンを押収。
(6)陝西省:有毒有害食品死亡事件
2012年7月、郝は病死した子羊を購入。裁いてみると肉は真っ黒、農薬のにおいがぷんぷん。その肉を冷凍した後、羊肉串屋を経営している韓に売りつけた。韓の店にきた客はマイ羊肉を持ち込んできたが、韓はこっそり問題の肉に取り替えたところ、客は中毒症状を起こし、1人が死亡した。肉に含まれている農薬が原因だった。
(7)安徽省:病死ブタ販売事件
病死したブタを販売していた業者を摘発。2012年6月から20トン超を販売していた。
(8)福建省:病死ブタ横流し事件
養豚業者から病死したブタ肉を回収するよう政府に雇われた関係者がその肉を転売。冷凍庫や解体施設までつくって大規模に販売していた。これまでに40トン弱を販売(レコードチャイナ関連記事)。
(9)四川省:注水ブタ肉事件
以前、ブタを殺した後血管から水を入れる注水ブタ肉の作り方を紹介したが、今回は生きているブタにひたすら水を飲ませるという手法。食肉処理場に送り込む前にポンプで無理やり水を飲ませていたという。
(10)遼寧省:病死鶏販売事件
容疑者夫婦は養鶏場の病死した鶏を買い集め、燻製肉に加工した後販売していた。2007年以来、2万羽を販売。
・牛、豚、鴨などの肉で作る。
・病死したニワトリの肉で作る。
・ネズミやキツネなどの肉で作る。