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2013年05月10日
2013年5月9日午前10時(台湾現地時間)、台湾の漁船・広大興28号が航海中、銃撃を受ける事件があった。台湾・中央通訊社が伝えた。
銃撃された現場は台湾とフィリピンの排他的経済水域(EEZ)暫定境界線付近。漁船乗組員の話によると、攻撃してきた船は灰色の船体で、白い船室だったという。船体に書かれた番号もよく見て取れないうちに銃撃された。機関銃の掃射を受け、65歳の船員・洪石成さんがなくなったほか、燃料タンクにも弾が当たり、動けなくなったという。
当初はフィリピン海軍による銃撃とも報じられたが、台湾・中央通訊社の取材にフィリピン海軍、海岸防衛隊、水上警察、漁業・水産資源局はいずれも銃撃の報告は受けていないと回答している。馬英九総統は真相を明らかにし犯人を逮捕するようフィリピン側に要請せよと台湾外交部に指示している。
なお台湾とフィリピンのEEZ暫定境界線付近では、これまでにもフィリピン当局が台湾漁船を拿捕、追跡する事件が起きている。2006年には台湾漁船が銃撃され、船員1人が死亡している。
■2013年5月10日追記
フィリピン政府は台湾政府の照会に対し、銃撃したのはフィリピンの軍艦ではないが、“公船”であったと回答した。馬英九総統は外交部に指示。フィリピンに強く抗議、譴責し、事実を明らかにし責任を追及するよう求めた。
台湾側は銃撃された地点は台湾EEZ内であり、漁船に一切の非はないと主張している。