• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

エア帰国と裸官取り締まりキャンペーン=習近平ら高官子女の帰国は虚報だったのか―中国(水彩画)

2013年05月11日

■エア帰国と裸官取り締まりキャンペーン=習近平ら高官子女の帰国は虚報だったのか―中国(水彩画)■

東西
東西 / 【J】


■「汚職官僚対策に新展開!高官子女が続々と帰国」は虚報だった?


2013年3月の記事「習近平の娘も李克強の娘も帰国……中国高官子女の帰国ラッシュは何を意味するのか?(水彩画)」で、習近平、李克強、李源朝、汪洋、馬凱など中国共産党指導部の子女の帰国ラッシュを報じました。

習近平は就任以来、汚職対策と華美・浪費対策を次々と打ち出してきたわけですが、民衆の批判が強い「官僚の子女の海外留学」を徹底的に取り締まる姿勢を見せたと言われていました。

妻や子どもを海外に住まわせ、後は自分だけ逃げ出せば一家全員亡命できる状態の官僚を「裸官」と言いますが、もちろん中国人民の怒りの的です。また中国の教育制度をこんなふうにしておいて、自分の子どもだけ海外で学ばせるというのも許しがたい話であります。

高官子女の帰国ラッシュはこうした民衆の不満に答えたものと見られていました。しかも子女はたんなる一時帰国ではなく、大学を退学したり家を処分するなど、完全撤退の構えで習近平政権の決意っぷりが見えるとの論評。

ところが、米華字ニュースサイト・多維網が、このネタをどうやら虚報らしいと報じています。

ハーバード大学国際学生事務所に近い人物(うわ、うさんくさ)が亜州週刊に明かしたところでは、大学在学中の中国高官の子女は退学も帰国もしていないとのこと。消息筋は党中央が故意に香港紙向けに流した煙幕なのではないかと指摘しています。

しかし、多維網によると、国営通信社記者を名乗るマイクロブログアカウント、人民通訊社が「重要ないいニュースです。習総書記のお嬢さんが帰国して勉強されています」「首長が良い見本を見せてくれた。さらに多くの指導者が学ばなければ」とツイしているとのこと。煙幕だとすれば、その対象は香港だけではないようです。


■高官子女のエア帰国と「裸官」取り締まり

王岐山が海外の高官子女を厳しく調査と報道(香港文匯報、2013/4/26)
香港紙「中紀委がまず『裸官』から処罰を 海外の高官二世呼び戻し」(網易、2013/4/28)

4月26日、党員の汚職を取り締まる中央紀律検査委員会のトップ、王岐山書記が、旧正月前に「海外にいる高官子女を呼び戻し、調査する」と発言したことが伝えられています。同日、人民日報も呼応するかのように、家族を海外に移民させている党員を指す「裸官」について、監督を強めなければならないと語気を強めていました。

もし高官子女の帰国が事実だったとしても、まず自分たちの問題をなかったことにしてから、下級官僚たちに「子どもを海外に送るとは何事だ!」と怒っていたことになりひどい話なのですが、帰国がデマだったとすると高官たちは自分の子どもは海外に滞在させたままエア帰国させて取り締まりをするというもっとひどい話に。

まあ現時点では偽情報を流した意図は図りかねますが。

関連記事:
海外逃亡の準備は万端!汚職ざんまいの「裸の官僚」を取り締まる新規定―中国(水彩画)
習近平の娘も李克強の娘も帰国……中国高官子女の帰国ラッシュは何を意味するのか?(水彩画)
汚職官僚1万6000人が海外に逃亡、持ち出した金は1兆円!―中国
移民するために道士になろう?!中国人の移民熱
留学するか?それとも密航するか?中国から脱出するための6つの方法―オレ的中国

*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年5月10日付記事を許可を得て転載したものです。


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ