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2013年05月12日
■「琉球国民」抜きの琉球国復活
中国共産党の準機関紙・環球日報が「沖縄独立勢力を育成すべき」との社説を掲載した。産経新聞が報じているが、もっとも論議を抜き出したような書き方で、この社説の“面白さ”があまり伝わってこない。
“面白さ”というと不謹慎と怒られそうだが、「世界はパワーポリティクスで動いており、正義や大義などない」という世界観が記事からにじみ出ているのは注目に値するだろう。環球時報に特にその傾向が強いとはいえ、こうした国際政治観は中国で主流派だという印象を持っている。パワーポリティクスの犠牲となった19世紀の中国史を考えれば、不思議ではないかもしれないが。
閑話休題。同社説ではそうした冷徹なパワーポリティクスの観点から、「琉球国民」の心情など一切考えることなく、琉球問題再提起について検討している。そして日本が屈しないかぎり日中友好などありえないという分析から、数十年後に日本に脅威を与える一手段として、沖縄に独立勢力を育成するべきと説いている。
■社説:琉球問題の活性化、政府の立場変更の下地作りを
環球時報、2013年5月11日
◆琉球問題はいつ何時であれ提起しうる対日政策カード
8日人民日報は「歴史的に疑義があり、いまだ帰属が決定していない琉球問題だが、再び議論しうる時がやってきた」との内容の署名記事を掲載した。日本側の反応は強烈で、中国側に「抗議」したばかりか、「世界に日本の立場を説明」し、「中国の正当ではない主張を否定する」と安倍首相は話している。米国務省も「米国は日本が沖縄の主権を持つことを承認している」と表明した。
中国の研究者が官制メディアに一言載せただけでこれほど緊張するとは、日本の自信のなさを示すものだ。1971年、日米は「沖縄返還」協定を調印し、米軍が占領している琉球諸島を勝手に日本へと引き渡した。中国の意見を求めることをまったくせずに、である。どの時期に追求したとしても、その違法性は明らかで法的根拠がある。
琉球は釣魚島(尖閣諸島)とは異なる。歴史的にみて琉球国は中国と藩属関係にあり、中国の領土ではなかった。中国は琉球を「回復」することはないが、しかし琉球の現状を否定することはできる。東欧の領土の変化を見れば、大国の駆け引きが琉球諸島に何を生み出せるのかを知ることができるだろう。
もし日本が最終的に中国との敵対を選ぶならば、中国は現在の公的立場を変えて、琉球問題を歴史的懸案として再提議するべきだろう。
台湾問題、チベット問題について、西側諸国は通常、公的立場を曖昧にしつつも、一部のエリートたちが「台湾独立」「チベット独立」を指示している。中国もまたまったく同じような形式を将来的な対日政策の選択肢とできる。
◆琉球問題再提起の3ステップ
中国の「琉球問題再提起」は3つの段階に分けて進めることができる。
第一に民間の琉球問題に関する研究と議論を開放し、琉球の歴史問題と琉球国復活を指示する民間組織の成立を認め、日本による琉球違法占領に関する歴史知識を世界に普及することだ。政府はこの活動に参加はしないが、反対もしない。
第二に、日本の中国に対する態度を見て、中国政府は正式に立場を変えるかどうかを決定。中国政府の撫で国際的舞台に琉球問題を提起する。一国の政府が重要な地縁的政治問題において立場を変えるのは国際的に珍しいことではない。もし必要ならば、中国政府はこのカードを切るべきだ。
第三に、もし日本が中国台頭を妨害する急先鋒になるのならば、中国は将来、実質的なパワーを投入し、沖縄地区に「琉球国回復」の力を育てるべきだ。20~30年を経て中国が十分な実力を身につけたのならば、この手段は決して幻想ではなくなる。もし日本が米国を巻き込み中国の未来に脅威を与えるのならば、中国は琉球の日本からの離脱を現実的な脅威へと変える。これはきわめて公平な方法だ。
◆日本は中国の宿敵、国際環境が悪化すればまず叩くべきは日本
日本は中国に対して数々の罪を犯した国だ。そして今、日本は中国の国際的戦略環境を破壊しようとする、最も活発な挑発者となった。日本による歴史の否定は中国に「樹欲静而風不止」(樹が静まろうとしても風が止まない)の苦しみを与えた。中国は一貫して対日友好に務めてきたのだ。しかし今、我々はようやく理解した。日中の「友好」は普通に作り上げることはできない。中国が「もう一つの米国」の力を持って、日本に政治的回族のような嫌がらせと対抗を止めさせることによってのみ、実現するのだ。
あるいは日中は摩擦を続け、「三十年河東、三十年河西」(黄河の河道が数十年周期で変化するように情勢が移り変わること)的な台頭を実現することが定められていたのかもしれない。両国が友人になるのはきわめて困難であるならば、我々はただひたすらにまた数十年間、敵となるだけだ。
日中はまさに21世紀における「文明の敵同士」となるだろう。平和にあって長期にわたり、駆け引きを続ける関係となる。中国の総合的国力はすでに日本を越えており、平和の主導権は今、歴史的にみて我々の手中にある。
琉球問題の再提起が、他国による中国分裂活動を活発化させる契機となるという懸念もあるが、それは心配する必要がない。中国が転換的な経済衰退を引き起こさないかぎり、分離主義が中国に与える脅威は過去のものでしかないからだ。辺境地区における事件の性格は事実上、変化しつつある。将来、中国が徹底的に「民族問題」を解決できるか。この問題における外国の影響力は次第に弱まっている。
今まさに日本が衰退の憎しみをすべて中国にぶつけているように、中国の発展がもし国際環境の妨害に遭遇したならば、我々の戦略的突破口としては日本が選ばれるであろう。琉球問題はまさに開放的に扱うべきであり、多くの可能性を受け入れるものである。
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◆大会の告知用動画
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5月19日に沖縄祖国復帰記念大会が開催されます、日の丸パレードがあります。
最近、本土と沖縄は離間工作がされているため、沖縄に対して誤った印象が広がっています
この印象を覆すためにもこの大会に注目して盛り上げた方が良いと思います。
今、日本人に必要なのは団結心です
賛同いただけたら拡散をよろしくお願いします
一緒に沖縄を守りましょう