• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

北斗の拳と星矢で日本アニメ人気確立、90年代前半に中国で放送された日本アニメ一覧(百元)

2013年05月16日

■90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート■

オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力

■オタ中国人の憂鬱アップデート

2年ほど前にブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」のまとめ本「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力 オタ中国人の憂鬱」を出させていただきましたが、この2年で中国オタク事情も大きく変わり、書籍の内容も一昔前の話になってしまっています。また、いつもの中国オタクの反応という形では紹介するのが難しい話というのもたまってきていますので、「オタ中国人の憂鬱」のアップデートになるような話を書いていこうかと思います。

第7回となる今回は、前回の「80年代に中国で放映されたアニメ」に続き、「90年代前半に中国で放映されたアニメ」について。

<オタ中国人の憂鬱アップデート>
ロボが好きな日本人オタク、人間が好きな中国人オタク=中国でマクロスほどガンダムが流行らない理由(百元)
中国オタクコンテンツ市場の今=ネットで生き残ったアニメ、消えていく漫画とゲーム、ラノベの台頭(百元)
中国の海賊版を支えてきたファンサブ活動に変化の波=戸惑う中国人オタク(百元)
中国で人気になる日本アニメの傾向とは?大前提は日本人に受けること!(百元)
中国で広がる日本アニメの正規版ネット配信=テレビはダメなのにネットはOKの理由とは?(百元)
80年代に中国で放映されていた日本アニメ一覧、香港・台湾経由で流入した“すごい作品”も(百元)

90年代前半の中国ではテレビ視聴者が増えていった時代であると同時に、VCDによる海賊版の爆発的な普及の前の時期です。中国オタクの上の方の世代の人にとっては、この時期に放映されたアニメが思い出のアニメになっていることも多いようです。

では以下にネットの普及以前の時代のものを中心に、中国で放映されていた、或いは見ることのできた作品をざっと紹介させていただきます。(地方ごとに放映の時期にはずれが生じている上に再放送も行われているので、年代に関してはあくまで大まかなものということをご了承ください)


■91年頃中国本土のテレビ局で放映されていた作品
1/12 聖闘士星矢 黄金聖衣 セイント スコーピオン

「ドラゴンクエスト」
「紅三四郎」
「ミームいろいろ夢の旅」
「聖闘士星矢」
「ゲッターロボシリーズ」
「伊賀野カバ丸」
「へーい!ブンブー」
「ガラスの仮面」
「Dr.スランプ」
「水戸黄門」


香港や台湾のテレビで放映され、中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「新・巨人の星」



「ドラゴンクエスト」は「神龍之謎」という日本の感覚だとドラゴンボールやそのゲームと混同しそうな中国語タイトルになっていたそうです。また「Dr.スランプ」は20話程度で放映されなくなってしまったそうです。野球アニメに関しては、この後に入ってくる「タッチ」「H2」の前に香港台湾経由で「新」の方の巨人の星が入っていたというのも、なかなかにスゴイ状況かもしれませんね。

そして見逃すことができないのが、中国オタクの歴史の第一歩とも言える「聖闘士星矢」の放映ですね。「聖闘士星矢」と「北斗の拳」はこの時期の日本のアニメの人気を決定的なものにしました。この二作が中国に入った時期に関しては「聖闘士星矢」の方が「北斗の拳」よりも先だったそうです。私は93年から中国にいたのですが、当時私の周りでの作品の流行り方や、その後の作品人気の持続具合から、私はてっきり「北斗の拳」の方が先に入ったものだと思い込んでおりました。


■92年頃中国本土のテレビ局で放映されていた作品「ゴールドライタン」
ワンワン三銃士 BOX [DVD]

「若草の四姉妹」
「ワンワン三銃士」
「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」
「ふしぎの海のナディア」
「キテレツ大百科」

香港や台湾のテレビで放映され、中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「きんぎょ注意報!」

「ふしぎの海のナディア」がこの比較的早い時期から入っていたそうです。「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」は日本のオリジナルシリーズということでこちらに書きましたが、トランスフォーマーシリーズの前作は88~90年代頃に中国のテレビで放映され大人気になっていたそうです。

それからこの年はアメリカで「超時空要塞マクロス」と「超時空騎団サザンクロス」「機甲創世記モスピーダ」を編集合体で1つの作品にした「Robotech」の放映が始まり大人気になったそうです。中国におけるマクロス人気はここから始まったのですが、最初の一歩が「Robotech」だったことからシリーズのつながりに関する微妙な混乱も存在するようです。

一応この1年後に香港、台湾では日本の「超時空要塞マクロス」も放映されたそうなのですが、中国本土において「超時空要塞マクロス」と「Robotech」の違いがきちんと認識されるのは90年代後半になってからだったという話です。


■93年頃中国本土のテレビ局で放映されていた作品
超音戦士 ボーグマン バトルフィギュアシリーズ アニス ファーム BORGMAN Anice Farm

「天空戦記シュラト」
「キャプテン翼」
「北斗の拳」
「とんがり帽子のメモル」
「鎧伝サムライトルーパー」
「きまぐれオレンジ☆ロード」
「燃える!お兄さん」
「超音戦士ボーグマン」
「ダッシュ!四駆郎」

「北斗の拳」の人気が本当にスゴイことになりました。また「シュラト」「サムライトルーパー」「ボーグマン」と装着モノが三作品入っていますが、こちらからは「聖闘士星矢」の影響力の大きさも感じられますね。それと「キャプテン翼」のアニメは私の認識していた時期よりも早く入っていたようです。

「スラムダンク」と「キャプテン翼」の関係については以前書いた「スラムダンクが先に人気になっていたのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするのではなく、「スラムダンクが同時期の比較対象になったのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするべきですね。他にも中国オタクにラブコメ作品を強く意識させることになった「オレンジロード」が入っています。

それからアメリカで「百獣王ゴライオン」と「機甲艦隊ダイラガーXV」編集合体で1つの作品にした「Voltron」がこの時期に放映されていたそうです。


■94年頃中国本土のテレビ局で放映されていた作品
Saber Rider Vol.2

「宇宙の騎士テッカマンブレード」
「星銃士ビスマルク」
(アメリカ経由で「Saber Rider」の名前での放映だったそうです)
「機動警察パトレイバー」(TV、OVA、劇場版)
「忍たま乱太郎」
「トランスフォーマー 超神マスターフォース」
「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV」
「タイムボカン」
「魔法のプリンセス ミンキーモモ」(コメントで教えていただいた情報によれば91年の「海モモ」の方だそうです)「絶対無敵ライジンオー」
「元気爆発ガンバルガー」
「六神合体ゴッドマーズ」
「魔神英雄伝ワタル」
「ロードス島戦記」(OVA)
「マッハGoGoGo」(アメリカ経由で「Speed Racer」の名前での放映だったそうです。またアメリカ版の方も一緒に放映されたそうです)
「まんが偉人物語」

香港や台湾のテレビで放映され、中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「横山光輝 三国志」
「うる星やつら」(TV、OVA)
「ドラゴンボール」(劇場版)
「未来少年コナン」

「パトレイバー」はTV版8~12話ごとにOVAを1話はさむ形で放映されたそうです。またこの作品の吹き替えは非常にクオリティが高かったそうです。「忍たま乱太郎」はこの後もかなり長い間放映され人気になっています。


■95年頃中国本土のテレビ局で放映されていた作品
Xボンバー REMASTER DVD-BOX

「プラレス三四郎」
「Xボンバー」(特撮人形劇ですが中国ではアニメ枠扱いでした。海外経由の「STAR FLEET」の名前での放映だったそうです)
「メタルファイター・MIKU」
「SLAM DUNK」
「重戦機エルガイム」
「魔神英雄伝ワタル2」
「三つ目がとおる」
「魔法の天使クリィミーマミ」

香港や台湾のテレビで放映され、中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「たいむとらぶるトンデケマン!」
「超時空世紀オーガス」

「スラムダンク」は中国で最も人気になった日本のアニメで間違いないでしょう。「スラムダンク」の影響により中国のバスケ人口は増大しましたし、作品の影響による社会現象まで起こっていました。「エルガイム」は放映されるときに何話か抜けていたらしく、カットされていた可能性もあるそうです。

90年代後半以降でもう1回更新するくらいの量があるのですが、このGW中に終わらせるのはちょっと難しそうなのでここで一区切りにして続きは近いうちにまたやらせていただこうかと思います。とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

<オタ中国人の憂鬱アップデート>
ロボが好きな日本人オタク、人間が好きな中国人オタク=中国でマクロスほどガンダムが流行らない理由(百元)
中国オタクコンテンツ市場の今=ネットで生き残ったアニメ、消えていく漫画とゲーム、ラノベの台頭(百元)
中国の海賊版を支えてきたファンサブ活動に変化の波=戸惑う中国人オタク(百元)
中国で人気になる日本アニメの傾向とは?大前提は日本人に受けること!(百元)
中国で広がる日本アニメの正規版ネット配信=テレビはダメなのにネットはOKの理由とは?(百元)
80年代に中国で放映されていた日本アニメ一覧、香港・台湾経由で流入した“すごい作品”も(百元)

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年5月5日付記事を、許可を得て転載したものです。

コメント欄を開く

ページのトップへ