■微信(WeChat)がインドに正式進出 TVコマーシャルの放送も開始■
■携帯コミュニケーション・アプリの巨頭Wechat、インドに進出テンセントの微信(WeChat)、4億アカウント越えを果たし、中国発のITサービスとは異例のペースで海外展開を狙うこのサービスがインドに正式進出。ムンバイで立ち上げイベントも開催しました。
すでにCafe Coffee Day、Big Bazaar、Tradusなどのインドの企業が、WeChatにオフィシャルアカウントを開設、マーケティングに利用しています。またTVコマーシャルによるPRも始まりました。
インド映画風の歌うCMで、出演者には俳優Varun Dhawanさん、女優Parineeti Chopraさんを起用しています。がイメージキャラクターとして同コマーシャルにも出演しています。このTVコマーシャルが示すとおり、微信(WeChat)のボイスチャット機能”Hold-to-Talk”を、インドでは前面にアピールしていくようです。
■2Gユーザー対応が問題に
音声通信のやり取りということで2Gユーザー攻略が鍵になる、としているニュースもありました。 というのもインド市場は8.62億人ほどの携帯電話ユーザーがいるそうなのですが、3Gユーザー率はわずか10%程度で残りの90%は2Gユーザーなのだそうです。
2G回線となると通信速度の遅さがネックとなります。音声チャットのやり取りなどはデータ圧縮などで対応していくことになるでしょう。ただしスマートフォン向けのリッチなユーザーインターフェイスを2Gユーザー向けにどうするのかも懸念材料。
例えば微博(マイクロブログ)では、2Gなど低速接続ユーザー向けに、シンプルなWAP接続ページが提供されていました(下図参照)。
Wechatも同様の取り組みをするのかが気になるところですが、個人的にその可能性は非常に低いと思っています。
というのも、本国・中国でも3Gユーザーの比率はまだまだ低いのですが、Wechatは低速ユーザー向けの対応をしていないためです。中国の3Gユーザー数は2013年3月末時点で25%。微信(WeChat)がサービスを開始した2011年初頭時点では10%程度しかありませんでした。
■インドのソーシャルメディア事情
さて、最後にインドのソーシャルメディアの状況について少し触れましょう。We Are Social社がSlideshareに公開している資料によると、
昨年11月末時点で人口は12億人強。うちインターネットユーザーは1.37億人、ソーシャルメディア人口は6000万人強とのこと。6000万人強というのは中国市場に比べて約10分の1ですが、ただし年率52%と驚異的なペースで利用者は増えているそうです。インドで一番利用されているソーシャルメディアはFacebook。うち30%はモバイルからのアクセスだというデータもあります。
利用率が低いというのは浸透に時間がかかる恐れがある反面、爆発的普及を期待できる部分もあります。今後の更なる展開に注目していきましょう。