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中国のスパイがインド・ダラムサラに潜入、チベット人2人の暗殺を計画(tonbani)

2013年05月25日

■ダラムサラで中国が送ったスパイ逮捕■
 


■ダラムサラに潜入した中国のスパイを逮捕

2013年5月22日、チベット亡命政府があるインド・ダラムサラのマクロードガンジで、中国が送った1人のスパイがインド警察により拘束された。名前はペンパ・ツェリン(33)というナクチュ出身のチベット人である。彼はチベット自治区ナクチュ地区の政法委員会書記、公安処党書記兼署長の李玉泉の指示を受けていた。

ペンパ・ツェリンは普段デリーに住んでいたが、数日前からダラムサラに来ており、水曜日の夜逮捕された。彼は1999年から2002年まで人民解放軍に所属し、諜報活動や戦闘訓練を受けていたという。

チベット亡命政府保安省秘書であるワンチュクはVOAのインタビューに次のように答えている。

2009年に彼が亡命して来たときから、彼がチベットで軍人や警官をやっていたことは分かっていたので、特別扱いにしていた。しかし、彼が中国のスパイだとは知らなかった。最近になりタシ・ギェルツェンとカルマ・イシェを暗殺しようとしていることが判明したので拘束した。取り調べの末、「中国のスパイだ」と認めている。

中国は亡命チベット人たちが過激なテロリスト活動を行っているという疑いを持ち、亡命政府やチベット青年会議(TYC)などがどのような過激な活動を行っているのかを調査するよう命じていたという。ただそのような事実は見つけられなかったので、たんにダライ・ラマや亡命政府の言動などを報告していたとのことだ。


■暗殺指令

ペンパ・ツェリンは2002年、ナクチュ地区ラリ県トメ郷の出身。李玉泉の命を受け2年間特別訓練を受けた後、ネパール国境のダムまで送られ、ネパール経由でインドに入った。インドに滞在中、「自分は亡命政府保安省の人間だ」と偽り、多くの人を騙していたという。

20130325_写真_チベット_スパイ_
殺されそうになったというタシ・ギェルツェン(左)とカルマ・イシェ(右)。

VOA:
どうして中国は2人を殺そうとしたのか?

ワンチュク:
彼が言うには上官の李玉泉が「タシ・ギェルツェンとカルマ・イシェは以前中国の刑務所にテロリストとして収監されていた者である。彼らは危険だから殺せ」と命令したという。当初は2人を「ネパールまで連れて来い、ネパールで自分たちが片付ける」との指示だった。ペンパ・ツェリンは2人と仲良くなり、ネパールに連れ出そうとしたが失敗。そのためネパールでペンパ・ツェリンに会った李弾泉は、「2人を殺せ」と言って毒を渡したという。

タシ・ギェルツェンとカルマ・イシェの2人から殺されそうだと聞いたので、ベンパ・ツェリン拘束をインドの警察に依頼した。


■3種の毒

中国がチベット亡命政府にスパイを送り込んでいるのはわかっていたことだが、証拠がない限りは逮捕できない。その意味では今回はレアケースと言えるかもしれない。

ペンパ・ツェリンはダライ・ラマ法王の健康状態やスケジュール、そしてNGOの活動、主要活動家のプロフィール、新規亡命者の情報などを、電話やネットを通じて定期的に報告していた。2009年5月以降、合わせて110万ルピー(約190万円)を李玉泉から受け取っていたという。

李玉泉は2012年以降、ネパールで2回、ペンパ・ツェリンと接触している。暗殺を指示した際には3種類の毒を渡したが、2匹の子犬と鶏に毒を使ってその威力を見せたという。

参照:
5月23日付Tibet Net、5月23日付phayul、5月24日付VOAチベット語版、5月23日付Hindustan Times

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年5月24日付記事を許可を得て転載したものです。

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