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タイのインラック首相の日本訪問と高速鉄道=日本、中国、韓国など5カ国が受注に興味(ucci-h)

2013年05月25日

■インラック・安部閣僚会議での経済協力はタイではどう伝えられているか?■

BTS train
BTS train / cinz


タイのインラック首相が、2013年5月22日から25日までの4日間、一部閣僚を連れて日本を訪問している。5月23日には、安倍首相の日本政府と会談した。トップ外交だから、全般にわたり一般的な物言いに終わったようだが、こちらタイではどう報じられているか?


■日本、中国、韓国、フランス、スペイン、5カ国が興味を示す高速鉄道建設

根底に、タイの2兆バーツ(6兆円)を投じるインフラ投資に対し、日本の協力を求めることがあるわけだが、インフラ投資の中心になる高速鉄道建設については、“インフラ輸出”を国是とする日本からの強い興味が示されたと言う。

バンコクから、北のチェンマイへ、東北のノンカイへ、南のパダン・ブサールへ、そして東南のラヨーンへの4幹線が計画されている。2014年から2019年の期間を見込んでいる。

これに対して、中国、フランス、韓国、スペイン、そして日本の5カ国が興味を示している。

フランスからは、2月と5月に首相や外国通商相、また運用担当大臣がタイを訪れており、6月には両国間でMOU(覚書)を結ぶ予定と伝えられている。フランスは、高速鉄道の建設だけでなく、タイの老朽化した在来鉄道の支援をすると言われている。

中国のタイへの影響も大きい。タイのレール・ゲージは東南アジアに多いメートル・ゲージ(1m幅)だが、これを中国で使っている標準軌(1.435m)に変えられないか、タイでは考えている。特にノンカイからラオスを経由して中国につながる鉄道に対しては、中国は格別の興味を見せている。

おそらく、外交巧みなタイのこと、高速鉄道全般を一国に任せるのでなく、レールの敷設工事や車両発注、その他、分けてくるかもしれない(そうでないかもしれない)。バンコクの高架鉄道の車両は、ドイツ製と中国製だが……。


■日本の勝機

日本は、安全技術とスピードを売り物にして働きかけているが、スペックを高めて、高い価格で売り込むようだと難しいだろう。電気製品と同じで、その国の購買力に見合ったプライスを出せるだろうか。

インラック首相も会談でほのめかしていたように、ダウェイ(ミャンマー南部の新しい臨海工業地帯)の建設に、日本の投資を求めているようだ。高速鉄道とダウェイへの投資。この合わせ技が出来れば、日本の勝機もあろう。ダウェイは資金手当ての面でなかなか進んでいない(関連記事)。

安倍首相は、インラック首相との会談の翌日、5月24日(金)にはミャンマーへ飛ぶ。日本のタイへのオファーが注目される。

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*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2013年5月25日付記事を、許可を得て転載したものです。

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