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20年遅れの“3G元年”、モバイル王国タイの通信改革(ucci-h)

2013年05月27日

■遅ればせながらいよいよ始まったタイの3G携帯データ通信■

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■タイの通信機器はモバイルが主流

遅々としてしか進まないタイの通信環境の整備。2013年5月、「20年待たされた」と言われた携帯電話の「3G」(第3世代移動通信システム)がようやく本格的に始まった。約半年前、昨年12月に3G用の2100メガヘルツ帯が携帯3社に与えられていたが、満を持してのスタートとなった。海外では4Gが普及しようかという今、遅まきながら3G元年となった。

タイでは、パソコンよりも、携帯電話・スマートフォン、タブレットが普及している。モバイル王国と言ってもいいだろう。タイの人口は6600万人だが、携帯の台数は8200万台。複数台持っている人が多い。

スマートフォンは携帯電話の4分の1ほどと見られている。累計1800万台くらいは行っているのだろう。もっとも昨年は年間販売台数1250万台のうち430万台がスマホ。総数に占めるスマホ比率は35%と上昇している。今年は全体で1600万台が売れ、うち45%の700万台がスマホになる見通しだ。今後、スマホの比率は急速に上昇していくことになるだろう。

調査会社IDCによると、携帯電話以外ではタブレットが350万台ほど、ノート・パソコンが250万台ほど売れている(2012年)。


■タイ3大キャリアの投資計画

タイの携帯電話サービスは、1位の「AIS」,2位の「DTAC」、3位の「ツルー・ムーブ」の3社によって提供されている。
各社ともこの5~6月から新しい周波数帯2100メガヘルツ帯での3Gサービスを拡張する計画だ。いずれも1000万人の3Gユーザー獲得を目指している。

1位のAISはすでに850MH帯でサービスを展開しており、150万人の顧客を抱えている。これを大きく伸ばすと積極的な姿勢を見せている。2位のDTACは慎重だ。3Gサービスは6月以降。2100メガヘルツ帯でのベース・ステーションを年内に5000作る計画だ。3位のツルー・ムーブは積極的だ。3Gに加えて、4Gのワイアレス・ブロードバンドでのサービスを、チェンマイも含む16県で年内にもスタートさせる。各社とも、年間150億バーツ(約507億円)弱を投じる予定だという。


■残る課題

すでに3Gのパッケージ料金も発表されている。だいたい各社横並びだ。通話100分、データ通信量500MBで、月額299バーツ(約1000円)が相場だ。通話量、データ通信量により月額599~899バーツくらいまでプランが分かれている。

現在、タイでのデータ通信料金(音声通話を除く)は月額平均100バーツ程度。3Gの導入で、シンガポール並みの月額500バーツに近づいていくのだろうか。

もっともまだ課題は残る。3Gのデータ通信速度は2Gの5倍の速さと言われているが、まだインフラ整備中ということもあり、実際には最低基準のダウンロード345kbps、アップロード150kbpsをまだ出せない状態。2Gより遅いとまで言われる始末だ。乗り換えには様子見してからでも遅くはなさそうだ。

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*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2013年5月27日付記事を、許可を得て転載したものです。

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