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2013年06月12日
■私は宇宙人を殺しました
山東省濱州市の李凱さん、2013年6月7日にマイクロブログで驚くべき告白をしていた。私は宇宙人を殺しました、と。
李さんが宇宙人を殺害したのは今年3月9日未明のこと。高圧電流を流した網を黄河のほとりに設置し、野ウサギや野鳥を捕ろうとしていた時のことだという。ちなみにこれが合法的な行為かどうかはよくわからない。
その時、背後から光がさした。ふりかえるとなんとUFOがいるではないか。しかも李さんの自転車がUFOの下に移動している。自転車ドロボウだろうか。そのUFOからは続々と5人の宇宙人が下りてきた。
*宇宙人5人が下りてきた。
その宇宙人5人は李さんを追いかけてきたというが、ドジっ子だったらしく、李さんの仕掛けた網にひっかかりあえなく感電死。残る宇宙人は慌ててUFOに乗って去って行ったという。自転車が持ち去られたかは定かではない。
李さんはご自宅にあった大型冷蔵庫で今もその宇宙人の死体を保存している。
*どっかで見たことのある形の宇宙人。しかしでかい。190センチ、体重45キロとのこと。
李さんは翌日、警察に通報したが、とりあってもらえなかった。6月8日、再び警察に通報。今度は警官が家にやってきて、調査を進めると約束したという……。
■ステキなUFOネタの残念な結末
と、ここまでで終わっておけば、ステキなUFO話で終わってしまったのが、冷酷無情な科学的社会主義がすべてを破壊してしまった。
李さんのステキなつぶやきとインパクト大の写真はネットで大変な話題に。「ニセモノに違いない」などと言わずもがなのことを言って怒り出す人まで。メディアも騒ぐわ、現地警察にも通報がいくわでしぶしぶ動き出した警察。
李さんを問い詰めたところ、私はたんなるUFO愛好家でありまして……。ええ、あの宇宙人ですが、針金ににかわで肉付けして色を塗ったニセモノでございます……、と認めてしまったという。
それだけで終わらず、警察は「事実を捏造し正常なる社会秩序を乱した」として、李さんに5日間の行政拘留を科している。
今、中国にはUFOブームが到来している。改革開放以来、中国共産党鉄の掟がゆるんだ中国では「マヤ歴の世界終末論」が大ヒットするなど怪しげなものがばりばり流行る素地があるのだが、その中でも人畜無害かつロマンにあふれ、しかも人々を楽しませてくれるのがUFO。UFOなのだ。
先日も人民解放軍が夜中にこっそり衛星攻撃兵器の打ち上げ実験を行ったところ、またたく間に「UFOキター」とネットで大騒ぎとなり、新型兵器の秘密実験どころじゃねぇ騒ぎになったほど。
私は今後さらなるUFOブームの発展を祈っているのだが、ちょっとお茶目な小ネタを繰り出すだけで、行政拘留というのではちょっと厳しい。もっと寛容な心でUFOとUFOに接した人々を見守って欲しいと願うばかりだ。
参考記事
ETtoday、CCTV、東南網
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