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日本映画の中国公開に斬新な試み、アニメ映画「言の葉の庭」が日中同時公開を実現(百元)

2013年06月21日

■アニメ映画「言の葉の庭」が5元で見れる、日本とほぼ同時の有料配信が中国の動画サイトで開始■


■映画「言の葉の庭」、日本公開と同時に中国での動画配信を開始

5月31日公開の劇場アニメ「言の葉の庭」(公式サイト)が、中国の動画サイト「楽視」で有料配信が開始されたそうです。中国での配信開始は日本と同じ5月31日で、時差の関係で日本より若干遅くなったようですが日本での公開とほぼ同時の配信となったそうです。
(同作は映画公開と同時に日本、香港、台湾のiTunesでもダウンロード販売を実施するなど意欲的な試みに取り組んでいます。また楽視での有料配信は1カ月限定でその後は無料配信となるようです)

今回の配信は有料配信ではありますが、その値段は僅か5元(約80円)と中国の感覚でも非常に安価なものになっています。また新海誠作品は「秒速5センチメートル」などが中国オタク内では評価が高いのですが、それでも実際にお金を払ってくれるようなファンがどれくらいいるのか?ということになると未知数ですね。

ちなみに配信される動画の画質はかなりの高画質(恐らくBDレベル)なようで、コチラの方でもかなり気合を入れているようです。今回はとりあえず、中国のソッチ系のサイトなどで見かけた配信開始前~直後辺りのやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

20130621_写真_中国_映画_
楽視の特設サイト。新海誠監督の中国向けメッセージも掲載されているほか、有料視聴者には楽視のスマートテレビ、新海誠作品のDVDや画集があたる抽選会も実施されている。


■中国人オタクの反応

新海誠の「言の葉の庭」が有料で日本との同時配信される。しかし値段はたった5元だ。みんな、どうする?俺は見るぞ。

新海誠作品の新作劇場版を持ってきてこういう試みをするというのは面白いな。でもウチの国の人間って動画にお金払わない習慣だから不安もある。数十秒の広告に文句言いつつも、結局は金払わんで海賊版見るのが基本だし。

5元なら安いよな。果たしてどれだけの人間が見るのか、興味ある。

私は新海誠ならその10倍でも見るけど、他の人がどうなのかは何とも言えん。

5元だったら時間のある時に見ても良いね。ただ、bilibiliとかで見れちゃう動画の方が公式配信の何十倍もアクセスを稼いじゃうんじゃないかな……
(bilibiliは中国の動画配信サイト。ニコニコ動画のようにコメントをつけられるため、独自の盛り上がりを見せている)

コメント弾幕つけられる動画サイトなら50元だって出すよ。でも普通に見るだけじゃねぇ。

版権買って独占する動画サイト、特に他サイトの動画を消しまくって圧力をかけまくる楽視は業界の毒だ。そんな所にはびた一文払うわけにはいかん!もっと高画質のデータがすぐ来るし、俺はそっちを落とすよ。

動画サイトの方は最高で720の画質だろ?1080のが流れているから私もそれを落とすわ。

見たいと思っていた作品だから、たった5元なら払わない理由は無いね。これがうまくいって、今後もっと多くの作品が入ってくれるといいんだが。

これがテレビアニメで毎週1話ごとに5元とかなら払わないが、これはテレビアニメじゃなくて劇場版だから、金払って見てもいいや。

映画館なら0が1個増えてもいいんだ……ネットで自分のPCで見るってのはなぁ。

金払ってみるにはサイトに会員登録しないといけないのかな?ちとめんどくさいな。

5元という価格での手続きというのもあるし、しょうがない面もあるんだろうけどもうちょっと簡単にお金払って見れるようになってくれれば良かったんだがな。めんどくさくなってやめるヤツも結構いるんじゃないか。

オタクである以上正規版に金を使うのはやぶさかではないが、金払ってオンラインで見るのはなんか微妙な気分になるな。

日本と同時配信で5元なんだから画質が最高ではないというのは見ない理由にはならんわ。映画館で見たいのは確かだが、その条件を現在のウチの国で実現するのは極めて難しい。

誰かがディスクを買って流してくれますから、5元払う必要はありません。

映画館だったらこの10倍の値段、しかも北京や上海でしか見れないとかになって、交通費諸々の費用や時間がかかるから、今回みたいなやり方はアリだと思う。

結局の所、払わない人間にとっては5元という価格は問題じゃないと思う。自分の財布から金が出るか出ないか、別の場所でタダで見れるかというのが問題になるんじゃないかと。

「正規版は高すぎる」「正規版を支持する、でも価格が不合理だから買わない」これがウチの国のオタクの口にする理由だったが、今度は「価格も妥当」になってきたわけだ。この配信の結果で、ウチの国の実情が判明してしまうかもね。

正直オンラインで金払ってまで見る気にはならないから、私はBD待ち。ここまでやるなら国内でBD売ってくれよ。代理購入とか金と手間かかるし。

大きい声では言えないが、ダウンロードしてみれば金かからないんでそっちかな……ダウンロードすればBDのリッピングデータか、最高画質になるんだから、誰が5元も払って劣化版を見に行くんだ?
こんなのに金払うわけない。版権買って他の動画サイトの動画を見れなくする楽視は大嫌いだから、絶対に払わん。

PCで見るのに金払うとか、アホらしい。映画館と同じレベルにできて最高の解像度にできるならこの10倍払ってやってもいいけどな。

5元なら特に問題ない。十分以上に割に合う。「劇場版アニメ」なんだから国内の映画館で上映して欲しいってのはあるけど、5元で見れるなら別にいいや。他の作品もこうやって入って来てくれると有難いんだが。

劇場版アニメに関しては日本のアニメ環境との断絶が激しいからね。日本では劇場版でファンが再度盛り上がるが、ウチの国ではテレビアニメ終わったらそこでファンの盛り上がりもほぼ終了。色んな作品の劇場版を今回みたいにウチの国でやってくれれば、もっと作品人気も続いて楽しめると思うんだが。

5元払うのは別に良いんだよ。ただ、P2Pやら他の動画サイトで動画ファイルが流れまくっていると、なんか気分が悪くなる。

それは考え方を変えろよ。お前の使った5元は、制作者への支払いであり、作品のファンであるという証だ。下を見るんじゃなくて上を見ろ。

私は新海誠作品に出会ったきっかけは海賊版からだったけど、こういう所でお金を使うことによって少しでもまともなファンに近付きたいと思っている。ディスクや関連資料をきっちり揃えるのは正直不可能だが、手の届く範囲でやれることがあるってのは嬉しいよ。

平凡なストーリーと風景を美しい描写で芸術のレベルにまで高める新海誠はやはりスバラシイ。日本と同時なタイミングで、しかも5元で見れたのはかなり得した気分だ。

日本の上映との同時配信だし、たった5元だから払って見た。とても良かった。ただ、ここまでのクオリティだったらやはり映画館で見たかったとも感じてしまったかな。

とまぁ、こんな感じで。


■いざ安く正規版が見られるとなると……

5元と言う価格は中国オタク内でも「安い」と感じられるものですし、この有料配信に関しては、払うか払わないか、オタク趣味にお金を使うか使わないかという、根本的な話になってしまうのかもしれませんね。

上の方のコメントにも少しありますが、中国オタクの間では「オタクとしては正規版を支持するのが正しい」という看板が日頃から掲げられていたりしますが、いざ目の前に「安い値段で、正規に劇場版作品が見れる」という選択肢が出現してしまった場合、人によっては戸惑ってしまったりもするようです。実際に「動ける、選べる」というのは、「動かない、選ばない」ということもできてしまうわけですしね。

中国の動画サイトにおける日本のアニメの正規配信や、今回の劇場版アニメの有料配信など、1年前には想像もできなかったような話ですし、この辺に関しては中国のオタク界隈の激変に「心の準備の時間」が足りないというのもありそうです。

この配信に関しては、なんとも思い切ったことをやったなーというのが私の正直な印象です。結果がどうなるかに関しても気になりますし、引き続き追っかけてみようかと思います。とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年6月1日付記事を、許可を得て転載したものです。

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