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「雨期にはよくあること」自動車を飲み込んだ水道管爆発、中国の“ごく一般的な”都市水害(斧澤)

2013年07月04日

■昆明で水道管が爆発、担当者「雨季にはよくあること」■


北京や上海、広州に高層ビルが建ち並ぶのは当たり前。今やちょっとした地方都市でもがんがん開発が進み、ビルがにょきにょき生えています。東京を訪れた中国人観光客の皆様が「東京はビルが少ないし、空気もきれいでイイネ」と仰るのもざらだったり。

というわけで地表はそれはもう素晴らしい“発展”ぶりなのですが、地下はというと残念なケースが多いのです。排水設備が整備されていないことから、ちょっとした豪雨で街に死人が出るぐらいの浸水が起きてしまったり。あるいは水道管の水漏れによって地下に空洞ができ、突然巨大落とし穴のように陥没、これまた死者がでる事件も珍しくありません。

以下は斧澤さんがご紹介してくださった、「世界的ニュースになるほどではない、よくある中国の都市水害」について、です。(以上、文責は高口)


雲南省昆明市でまたも水道管が破裂、300トン超の水道水が失われた

雲南網、2013年6月3日

20130704_写真_中国_水道_

4月、記者は2012年の昆明市中心部で発生した水道管の破裂によって一年で78万立方メートルの水道水が流失している、と報道した。そしてまた事件が繰り返された。6月1日夜、鼓楼路の路上で雨水により道路が陥没、水道管が爆発し、300トン以上の水道水が無くなった。陥没後の水溜りには一台のバンが飲み込まれつつあった。

記者が現場に到着した時点で、その車を飲み込んだ大穴は、水道管まで長さ4メートル、深さ2メートルを超える大きさになっていた。昆明通用水務公司水道網保守部門の劉宇副経理は「水道管を変えなければ、この大きさまで掘らざるをえない」と話す。

大穴の近くには一台のバンが停車しており、前面は傷だらけになり、バンパーは変形し、右側のタイヤは2つとも外れていた。2日朝、バンの運転手の李さんは車の前で思わず「ああ」と声を出してしまった。「この車は2ヶ月前に買ったばかりなのに・・・修理工場の人が見にきたんだが、修理に2万元かかるらしい」

6月1日の夜を思い出すと李さんは未だに恐ろしく感じるという。夜10時ごろ、彼はそのバンに友人を乗せ、小菜園から盤龍江沿いに走っていく所で、鼓楼路を曲がって、北京路へ行こうとしていた。「その頃路面に水がたまり、深くはなさそうだったのだが、水の下に何があるのかはっきりわからず、盤龍江の橋を渡ろうとしたところ、車が急に沈んでいった」

20130704_写真_中国_水道_2

李さんの話によると、タイヤが半分沈んだ時点で車をバックさせようとしたが、うんともすんとも言わず、彼と友人は車を降りてレッカー車に牽引してもらうことにした。車を降りてよく見ると、水が穴から噴出しており、車が穴の中に飲み込まれていくのを見るほかなかった。

通行人の和さんによると、夜11時半頃通りがかった時点では、水が溢れ出して周囲100メートルほどはすべて水没し、足を踏み入れると靴がびしょびしょになるほどだった。通行者は爪先立ちで歩かざるをえず、バンは引き上げるのに時間ががかった。「あの車両は非常に引き上げるのが大変だったようで、運転手が呼んだレッカー車が長い時間引っ張っていたが、縄が何本も切れていたようだ」最終的には消防隊が救援車を呼び、鋼線の縄で引っ張りあげた。

劉宇副経理は記者に対し「夜11時ごろ、会社に水漏れの通報があり、直ちに従業員を現場に派遣した。私も同行し、今までの経験から判断し、この水道管は人が壊したものではなく、雨で地盤が緩んだことで破裂したものと判断した。水道管が破裂した後、水が地上に噴出し、車が飲み込まれた。このような事は雨季には多く、今回は300トン以上の水道水が流出したと考えられる」と話した。

また、劉副経理は、彼らが現場に到着した後、すぐに水道管の栓を閉め、土を掘って水道管を交換した。水道管の栓を閉めた影響で鼓楼路地区の住宅の水圧低下や断水が起きたが、給水車を派遣し住民の必要分は確保した。3日0時前後には水道管の交換がおわり、給水を回復した、と説明した。

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*本記事はブログ「斧子―Onoko」の2013年6月4日付記事を許可を得て転載したものです。
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