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ダライ・ラマ誕生日祝うチベット人に中国軍、警察が発砲、7人以上が負傷(tonbani)

2013年07月09日

■タウで部隊がダライ・ラマ誕生会に集まった人々に無差別発砲■


ダライ・ラマ誕生会で発砲 チベット僧ら7人負傷
共同通信、2013年7月9日

中国四川省カンゼ・チベット族自治州タウ県で6日、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世の誕生日を祝うため集まったチベット僧らに中国の治安部隊が発砲し、少なくとも7人が負傷したと伝えた。頭に被弾し、重体になっている僧侶もいるという。

チベット族に発砲、7人負傷=ダライ・ラマ誕生日に当局-中国四川省
時事通信、2013年7月9日
治安部隊を乗せた4台の警察車両と7台の軍車両が祝賀現場に来て、チベット族住民に活動を停止し、解散・帰宅するよう要求。住民が拒否したため、治安当局は催涙弾を発射したほか発砲した。7人のうち3人は重傷だという。

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*丘の上で法王の写真を掲げるチベット人。


■ダライ・ラマの誕生日を祝うチベット人に中国警察、軍が発砲

2013年7月6日、ダライ・ラマ法王の誕生日であるこの日、チベット・カム地方タウ(四川省カンゼチベット族自治州道孚県道孚)では、ニャンツォ僧院の僧侶やゲデン・チュリン尼僧院の尼僧を中心に、僧侶・俗人数百人が地元の聖なる丘であるシダク・マチェン・ボムラに向かった。法王の写真が掲げられ、参加者たちがカタ(祝福の白い布)を捧げるため列を作っていた。

この情報を得た当局はただちに警察車両4台、軍のトラック7台を現場に向かわせた。参加者たちが手に手にカタを持って並んでいたころには、軍・警察は列を組み威嚇を始めていた。また軍警の到着後、丘に登ろうとした車も途中で差し止めた。2011年にタウで焼身抗議し死亡した尼僧パルデン・チュツォの弟、僧ジャンチュプ・ドルジェも行く手を阻まれた一人だ。彼は強行突破を試みたが、投石され車の窓ガラスを割られたという。

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*カタを捧げるため列をなす人々。その向こうには横隊を組んだ軍、警察の姿が見える。

軍、警察はチベット人に解散するよう命令した。チベット人たちは従わず、平和的な祝賀会なぜ許されないのかと反論。言い争いとなった。そうこうするうちに突然、軍、警察は発砲したという。さらに催涙弾を撃った後、襲いかかり、チベット人らをめった打ちにした。拘束者もでたというが、その詳細は分かっていない。

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*軍、警察に行く手を阻まれる車。

発砲により少なくとも7人が被弾したと言われている。その内、氏名が分かっているのは焼身者パルデン・チュツォの弟、僧ジャンチュプ・ドルジェ、ニャンツォ僧院の戒律師ツェリン・ドゥンドゥップ、ダクチュン村のウゲン・タシ、ニャンツォ僧院の教師タシ・ソナム、タシ・ドゥンキャ、ドンパ・ネンダクの6人。その他に氏名不明の尼僧1人が負傷した。

追記:頭は撃たれたチベット人はニャンツォ僧院僧侶タシ・ソナムという情報もある。その他、撃たれたチベット人の内、彼以外の2人も重体という。

追記2:ICTの報告によれば、頭を撃たれたのは2人で、2人ともニャンツォ僧院僧侶。僧ウゲン・タシと僧タシ・ソナムという。<写真>撃たれた頭を治療されているのは僧タシ・ソナムとも。/http://www.savetibet.org/tibetan-monks-shot-as-police-open-fire-on-tibetans-praying-on-dalai-lamas-birthday/

追記3:TCHRDは被弾した人の数は少なくとも9人と言う。Tibet Timesは写真と共に被弾した人は10人という。その内重傷の2人について、TCHRDとTibet Timesはタシ・ソナムはニャンツォ僧院の教師である僧侶、ウゲン・タシは俗人という。ウゲン・タシは少なくとも8カ所撃たれており、生存が危ぶまれている(9日付TCHRD、9日付Tibet Times)。

事件後、タウの街は緊張に包まれた。ニャンツォ僧院付近には多数の軍、警察が集結。チベット人の移動を厳しく制限している。

タウではこれまでに3人が焼身抗議を行っている。6月11日にも、現在のところ最後の焼身者である尼僧ワンチェン・ドルマ(31)が焼身、死亡したばかり(関連記事)。またタウでは毎年、法王誕生日のたびに当局とチベット人の衝突が発生している。

チベット各地で法王の誕生日を祝う集会が開催されているが、何の問題も起きていないケースがほとんど。当局が介入しなければ何も起きないのだ。なぜ尊敬するラマの誕生日会を平和的に開くことを干渉しようというのか?草原で平和的に祝賀会を行う人々に発砲する必要がどこにあるのか?

参照:
7日付RFAチベット語版、7日付Tibet Timesチベット語版、7日付Tibet Express チベット語版、8日付phayul英語版、8日付VOT中国語版

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年7月8日付記事を許可を得て転載したものです。

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