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住民デモで核燃料工場建設が中止に、異例の決定の裏側に見える香港、マカオへの配慮―中国

2013年07月15日

■住民デモで核燃料工場建設が中止に、異例の決定の裏側に見える香港、マカオへの配慮―中国■
 


中国の核燃工場建設、異例の中止 住民の反対デモ受け
朝日新聞デジタル、2013年7月13日
中国広東省の鶴山市で計画中だった原子力発電用の核燃料製造工場の建設が、住民の反対デモを受け、中止になった。市政府が13日発表した。原子力関連の計画が住民の反対で変更されるのは、中国では極めて異例だ。

(…)12日には建設反対デモがあり、千人近くの市民らが参加。横断幕を掲げて車道を歩いた後、鶴山市を管轄する江門市の政府庁舎前で抗議の声を上げたり、国歌を歌ったりした。参加者によると警察官が数百人出動し、庁舎前を柵で囲んで警備したが、衝突はなかった。横断幕には「反核」「原発は未来を絞め殺す」などと書かれていた。

広東省江門市鶴山市の核燃料工場建設計画が住民デモを受けて中止された件について。日本の報道の多くは住民の反発を恐れたという文脈で解釈しているが、実際にはそれだけではなく香港、マカオへの配慮があったと思われる。

12日に1000人規模という比較的小規模のデモがあり、13日早朝には鶴山市政府が中止を決定しているが、他地域の環境デモと比べても驚くほどの速さだ。ましてや核燃料工場という国家級プロジェクトの中止を決めるにはあまりにもフットワークが軽すぎるのではないか。その背景に香港、マカオへの配慮があったと考えると、異例の動きも理解しやすい。


20130715_写真_中国_核燃料_

工場建設予定地は香港から約120キロ、マカオから100キロ足らずの地にあり、両地の住民の間では建設計画を懸念する声が上がっていた。12日のデモにも香港、マカオ、さらには広州など地元以外の参加者も目立ったという(VOA)。

10日にはマカオの崔世安行政長官が広東省政府に核燃料工場プロジェクトについて照会しているほか、デモが起きた12日にはマカオ日報に工場建設反対の一面広告も掲載されている。

20130715_写真_中国_核燃料_2


表だった動きを見せたのはマカオだが、中国本土とのきしみが目立つのは香港だ。核燃料工場で新たな火種を増やすことはないとの判断は十分に理解できる。今後、より文句を言う人の少ない田舎に立地を移して工場建設を進めることになるのだろう。

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