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2013年07月16日
Chicken Feet - Grain Express / avlxyz
広西チワン族自治区で、46年物の「ゾンビ鶏足」 が発見された。2013年7月8日、RFIが伝えた。
鶏足(もみじ、ニワトリの足)は中国で人気のある食材の一つ、庶民のおつまみだ。余談ながら日本で売っている角煮のタレに八角、紹興酒を足して鶏足を煮るとお手軽に中華っぽい鶏足が作れることに気がついたのでぜひお試しあれ。
その鶏足が「黒心食品生力軍」(悪徳食品新メンバー)に加わったという。作り方は簡単。ベトナムから密輸した賞味期限切れの鶏足を過酸化水素(中国では食品への使用は禁止)で洗うだけ。殺菌効果、漂白効果がある過酸化水素を使うことで、細菌まみれ、血まみれの鶏足も真っ白な姿に生まれ変わるという。その後は有名ブランドのパッケージに入れて、ニセ・ブランド品として出荷という手はず。
広西チワン族自治区防城港市では2012年6月以来、こうした鶏足食品を7回にわたり摘発。押収額は2000万元(約3億3000万円)を超えている。南寧市では今年5月、鶏足、牛百葉(牛の胃袋)、牛黄喉(牛の大血管)など密輸された冷凍食品20トン超を押収した。それらの冷凍食品は30~40年前に製造されたもので、最も古い鶏足は1967年に製造されていたという。なんとベトナム戦争の最中に製造されたベテランだ。なんでベトナムにこんな古代の遺産が残されているのかはよくわからないが、米軍の忘れ物なのだろうか。
過酸化水素を使って古くなった食品をよみがえらせる術はいろいろと応用が利くようで、中華の高級食材・熊の手にも使われているのだとか。密輸入する際、冷凍状態を保ち続けるというわけにはいかず、ちょっぴり酸っぱくなってしまうこともあるが、それも過酸化水素を使えば一発解決。庶民のおつまみ・鶏足も、 高級食材・熊の手も、どちらも「黒心食品」からはまぬがれられないようだ。
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出たのを摘発するんじゃなくて元を断てばいいのに。