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日本企業、利益の10%超は中国で稼いでいた=米州を上回る比率に(岡本)

2013年07月17日

■日本企業の収益の1割は中国!?■


ジェトロの世界貿易投資白書を読んでいたら面白い記事を見つけたので,ちょっと紹介。

ジェトロの調査によると,日本企業の収益の半分はほぼ海外から来るようになってきているそうです。具体的な統計をみてみると,以下のようになっています。

20130717_写真_中国_日本_

(出所)日本貿易振興機構編(2012)『ジェトロ世界貿易投資白書2011』(「I.世界経済・貿易・直接投資の現状」p.36)

ビジネスですので年によって収益のソースは変わります。そこで5年間平均をとってみました。2006~2010年度、5年間の地域別営業利益は平均で国内58.3%、米州8.66%、欧州4.18%、アジア21.66%、その他7.22%となっています。ここからいえることは,日本企業の収益は6割国内,4割海外です。4割の海外のうち2割がアジアになっています。
 
日本の対外直接投資は北米欧州の方がアジアを上回っているにも関わらず,アジアからの収益が高いということになります。もちろんアジアへの直接投資は増加傾向にありますし,北米欧州への投資は景気の変動にも影響されます。それでもアジアへの投資とその収益の増加は確実に言えます。

アジアへの直接投資の行き先は,中国がトップです(2位はタイ)。日本企業のアジアからの収益は全体の2割ですが,この中で中国の占める割合は過半を超えていると想像されます。つまり日本企業の収益のうち1割は中国であるといえます。これは米州とほぼ同じ数字ですので,アメリカ・カナダにならぶ大きさです。

日中関係が冷え込んでいます。政治関係が緊張しても経済関係が冷え込まないのは,日本企業の収益にとって中国は切っても切り離せない存在になっているから,といえるからかもしれません。

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*本記事はブログ「岡本信広の教育研究ブログ」の2013年7月16日付記事を、許可を得て転載したものです。

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