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朝日君が中国で人気となった理由とは?朝日新聞微博アカウントの検閲削除問題

2013年07月18日

■朝日君が中国で人気となった理由とは?朝日新聞微博アカウントの検閲削除問題■


中国版ツイッター「微博」、朝日新聞社アカウント全て利用不能に
朝日新聞デジタル、2013年7月18日

朝日新聞が中国版ツイッター「微博(ウェイポー)」に開設していた四つのアカウントが、16日から17日にかけてすべて利用できなくなった。朝日新聞のニュースなどの発信や、フォロワーの閲覧ができない状態が続いている。全アカウントが同時に利用できなくなる異常な事態を受け、朝日新聞は、これが意図的な閉鎖かどうかなどを確かめるため、原因について各運営会社に問い合わせている。17日夜までに回答はない。


■朝日新聞中文網の微博アカウントが削除された

朝日新聞中国語版の微博アカウントが削除された。現時点では原因は不明。記事「社説:中国経済 不透明な体質にメスを」の中国語版記事をつぶやいたためともささやかれているが、そこまでアグレッシブな内容でもなく疑問は残る。アカウント自体の削除ではなく、つぶやきの削除程度でおさまる内容にも思えるのだが。

朝日新聞中文網はサーバを中国国内に置いていない。つまり中国のウェブサイト認定システムの枠外にあるサイトだ。共同通信中国語版日経新聞中国語版も同様だが、唯一、朝日新聞中文網だけだが中国の検閲システムで閲覧禁止措置を受けている。薄熙来事件の内幕を追った連載「紅の党第2部」を中国語訳して配信するなどサイトの内容そのものがアグレッシブなことが原因だろうか。

朝日新聞というと親中というイメージを持っている人も多いと思うが、最近の論調はむしろ中国に厳しい印象。中国語版も他紙以上に攻めている。もっとも個人的には検閲を喰らうほど目立ってはいないものの、ちくちくといやらしいコラムを飛ばしている日経新聞中国語版のほうが好みである。

それはともかく、上述の「社説:中国経済 不透明な体質にメスを」のつぶやきにしても、検閲されている朝日新聞中文網にリンクを貼るのではなく、長微博という長文文章を画像にしてつぶやきに添付する機能で配信し、検閲システムで禁止されているサイトの内容をサイバー万里の長城に持ち込んだというのが問題になった可能性はある。


■朝日君が人気となった理由

この朝日新聞中文網の微博削除は中国ネット界でもちょっとしたニュースとなったが、その背景を簡単に説明したい。実は朝日新聞中文網の微博アカウントは「朝日君」と呼ばれ、今年初頭にはちょっとした人気を博した存在なのである。

それを象徴するのが1月30日付南都週刊の記事「朝日君,晚安·哦呀苏咪」(朝日君、晩安、おやすみ)だ。朝日新聞中文網の微博アカウントの軽妙な書き込みが人気を博したことを紹介している。

例えば2012年5月19日に中国共産党中央軍事委員会の郭伯雄副主席の日本訪問が突然中止になった時の話。朝日新聞中文網はそのニュースを流したが、速攻で検閲の対象に。そこで「中国のあの人が24日に予定されていた日本訪問を突然中止した」と書き込むといった具合。

またある強制土地収用事件について、「日本鬼子だって、この土地は天皇のものだなんて恥ずかしくて言えない」と、中国政府の横暴な土地巻き上げを揶揄して見せた。

そしてもう一つ、人気を博したのが南都週刊の記事タイトルにもなっているおやすみつぶやきだ。たんに挨拶するだけではなく、毎日、謎かけ画像を残して話題となった。3月15日、最後のおやすみつぶやきがツイッターで紹介されていたので引用したい。




■検閲される前から朝日君は終わっていた?

もっともそうした機転の利いたつぶやきは最近ではめっきり減っていたもよう。削除された微博つぶやきを収集している自由微博を見ると、普通の告知ツイートばかりとなっている。朝日新聞中文網が面白つぶやきを連発できた理由は、若い中国人担当者に自由に任せていたことが要因だが、社内の問題なのか中国当局に怒られたせいか、そうした体制はすでに終了していたようだ。話題となったおやすみつぶやきの担当者も今は朝日新聞中文網を離れているという。

朝日新聞中文網の微博アカウント削除は政治的な理由でも気になるところ。ただそれだけではなく、その成功と消滅は中国でSNSマーケティング展開を志す人にとっては何よりの参考書と言えそうだ。

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 コメント一覧 (1)

    • 1. 匿名
    • 2013年07月18日 21:17
    • 朝日と毎日の反日は別に構わないが、ニューヨークタイムズの反日は影響力が大きいから止めていただきたい。

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