■「もめていたら農民が突然倒れて死にました」と政府発表、遺族は殴り殺されたと主張=毎度おなじみの城管&図頼事件―中国■
■毎度おなじみのひどすぎるカオス
毎度おなじみ城管の暴行と図頼事件の話。湖南省郴州市臨武県で城管と農民がもめる事件が発生した。その後、農民は「城管に殴り殺された」(遺族の主張)/「突然倒れて死んだ」(政府の主張)という悲劇を迎えることに。
事故現場で遺体を盾に抗議する遺族たち相手を警官隊が蹴散らし、遺体を奪ってポイ捨て。取材していた記者を警官が袋だたきと事件はカオスな方向に発展。今年に入って数回目の城管バッシングが盛り上がる機運を見せている。
城管とは:都市管理局の略称。
百度百科だと「我が国現在の法体制の下、従来の多頭法執行による重複を避けるため生み出された綜合法執行機関」というなんだか難しい説明が。
簡単に説明すると、無認可屋台の取り締まり(工商局の管轄)、ゴミのポイ捨て取り締まり(環境保護局)、駐車違反(警察)などなど政府各部局の汚れ仕事を一手に引き受けている部局です。実際に民草と向き合うお仕事なわけですが、もめることも多く、かつ城管の暴力行為がたびたび暴露されて問題に。
図頼とは:
図頼(とらい)とは、前近代の中国で行われていた風習の1つで、対立した相手に対する憤懣や怨恨を復讐するために、家族や親族の死を対立相手が原因であるものと誣告することで、対立相手を陥れたりそれを材料として恐喝を行って金品などを奪ったり屈服させたりすること(
ウィキペディア)。
「おまえの金の取り立てが厳しいからばあちゃんが自殺した!」と棺を金貸しの家に持ち込み交渉する……といったアグレッシブな事件もあった。 現代でも遺体を盾に事故現場を封鎖するという騒ぎが続発。当局が遺体を奪って火葬するといったバトルに発展するパターンも。
参考記事:18日付
京華時報、18日付
新京報、18日付
新京報、18日付
新京報■事件のあらまし遺族と政府の主張を総合するとおそらくこんな話だったもよう。
17日午前10時、湖南省郴州市臨武県解放南路で、城管がスイカ売りの露店を取り締まり。服を来ていない、経営証明書を持っていないことを理由に罰金100元(約1650円)を要求。売り物のスイカを押収した。スイカ売りの鄧正加夫妻はこれに抗議し揉み合いに。鄧さんの親族の証言によると、城管はスイカを地面に投げ捨てるなどの暴力行為もあったという。
夫婦はオート三輪で露店を県検察院付近に移し、残ったスイカを売ろうとしたところで10人余りの城管が到着。口論となった。ついに城管が夫婦を袋だたきにする暴力行為へと発展。スイカを量るための天秤棒で鄧さんを殴りつけたという目撃談も。鄧さんは死亡した。なお当局発表では「突然倒れた」。
揉み合いになった時、鄧さんは城管隊長の所属証をもぎとっており、その証明書は今、遺族が保有している。
■図頼遺族は死亡事件があった地点に遺体を置き、政府との話し合いが解決するまではその場所を占拠する姿勢。死体を盾に交渉を進める、いわゆる図頼事件というやつである。
17日午前2時には現場に冷蔵庫も運ばれ遺体を収容。長期戦に備える姿勢も見せた。
そして午前4時40分、そこにやってきたのは警察隊。棍棒で遺族を蹴散らし、鄧さんの遺体を持ち去ったという。警棒や盾で武装した警官隊は「身とを開けろ。さもなければ死んでもらう」と叫んでいたとのこと。遺体は南強鎮蓮塘村入り口に投げ捨てられた。
■「撮ればここで死んでもらうことになる」記者も袋だたきに17日午後11時、湖南経済テレビの記者2人が現場を取材していたところ、警官5~6人に囲まれて棍棒で袋だたきにされた。警官らは「撮影するな。撮ればここで死んでもらうことになると脅したという。
*遺体を盾に道路を封鎖している現場。遺族の抗議文が書かれた横断幕。
*17日夜、現場に集まる野次馬たち。やってきた警官隊にペットボトルやスイカを投げつけたという。
*事故現場に寝かされている鄧さんの遺体。
*18日未明、完全武装の警官隊が到着。この後、遺族を蹴散らし遺体を持ち去った。
*殴打された遺族のみなさん。
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