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中国に抗議する「帰還行進」、チベット人活動家が謎の失踪(tonbani)

2013年07月30日

■チベット国境に向かい 消えた活動家■

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*2013年3月10日、徒歩でダラムサラを出発するリンツァ・ツェテン・ドルジェ。右手は去年ネパールまで一緒に歩いた母親。


■2回目の「帰還行進」……チベット人が謎の失踪

ダラムサラからチベットに向けて、「帰還行進」を行ったチベット人リンツァ・ツェテン・ドルジェが失踪して50日あまりが過ぎた。中国当局に拘束された可能性が高いが、現時点では一切情報は公開されていない。

リンツァ・ツェテン・ドルジェは昨年にも「帰還行進」を行っている。2012年3月10日のラサ蜂起記念日にダラムサラを出発、チベット問題を訴える「帰還行進」を行った。母親と姪も一緒だった。数ヶ月かけネパール国境に辿り着いたが、ネパールに入ったところで警察に拘束され、彼だけ5年の刑を受けた。その後、人権団体等の圧力により9ヶ月後に解放された。

解放された彼は今年の3月10日、再びダラムサラを起点にチベットへの平和行進を始めた。今回はたった一人での旅路。途中から自転車に乗りながら3ヶ月後に中国国境に近いシッキムのカリンポンに辿り着いた。そして、6月8日、携帯を含む、ほとんどの荷物を最後の宿泊地であった僧院に置き去りにしたまま、突然消息を断った。

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*仮の宿泊場。


■リンツァ・ツェテン・ドルジェの覚悟

今回、RFAが彼が最後に録音したというビデオメッセージを手に入れ、発表した。それによれば、彼は「チベットに入った瞬間から、私の平和的闘争が始まる」「闘争すべき場所はチベット内地だ」と宣言し、チベットに潜入し何らかの行動を起こすという強い意志を示している。

「もしも、チベット潜入に成功したならば、起こり得ることは次の3つであろう。完全に消え去り、2度と消息は知られない。または、裁判に掛けられ獄に繋がれる。または、拷問を受け死亡する」と語り、続けて「私はこれらの状況を覚悟している。チベットの自由を獲得するためには、強い決意と大きな犠牲を覚悟しなければならない」と決死の覚悟を語っている。

もしも、チベット(中国)国境を越える前にインド側で国境警備隊に拘束されていたなら、すぐに分かるはずなので、彼は国境を越えたと思われる。中国側に拘束されているのならば、何らかの情報が入っても良いようなものだが、それもまったくない。

彼は発見されるのを避けるために、通常の国境越えの峠を通らず険しい山越えを試みた可能性が高い。その場合には事故もあり得る。無事チベット側に入る事に成功し、現在潜航中なのかもしれない。

何れにせよ、家族をはじめ多くの人たちが非常に心配している。彼の母親は先のサカダワの期間中、息子への連帯を示すためにハンガーストライキを続けていた。

参照:7月22日付RFA英語版

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年7月29日付記事を許可を得て転載したものです。


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