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踏み絵と化した中国国旗掲揚=拒否したチベット人3人を拘束、軍警が村を封鎖(tonbani)

2013年08月06日

■中国国旗掲揚を拒否した村人3人拘束/1959年以前のダライ・ラマ写真はOK!?■


20130806_写真_チベット_踏み絵_
*チャムドの僧院に掲げられた中国国旗。

■中国国旗掲揚を拒否した村人3人拘束

中国政府はチベット各地で中国国旗の掲揚を強要している。特にチベット自治区では役人と警官が僻地の村々をくまなく巡り、国旗掲揚と指導者の肖像写真掲揚を強要するという共産党忠誠心キャンペーンを行っている。8月1日付RFA英語版によると、国旗掲揚を拒否したチベット人3人が拘束される事件が起きた。

事件が起きたのは7月末。チベット自治区チャムド地区パシュ県のポルン村、ムコ村を巡視した役人が、各家に中国国旗を掲揚せよと命令したという。

現地からの報告を受けた、在インドの亡命チベット人が伝えるには、「村人たちがこれを拒否した時、役人たちは、命令に従わない者は『反国家活動』を行ったと見なされると警告した。それでも、村人たちは従わなかった。すると役人たちはポルン村から2人、ムコ村から1人を連行した」という。

その後、同地域には軍、警察が派遣された。検問を実施し、チベット人の移動を制限。さらに情報が外部に漏れないよう、「携帯が押収され、チャムド地区以外と通話した記録を全てチャックしている」。

なおパシュ県では共産党創立記念日である7月1日に僧侶が逮捕される事件が起きたばかり。記念日の歌舞祝賀会の最中、ドンサル僧院僧侶ロプサン・ゲンドゥンが「ダライ・ラマ法王に長寿を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!チベットに独立を!」と叫び、その場で警官に逮捕されている。彼はその後行方不明のままである(関連記事)。


■噂を信じて強制送還された亡命チベット人

近年、中国政府は亡命チベット人に対し、チベットへの帰還を勧め、一時帰省ビザも発給している。長年別れ離れとなった家族や親戚に会うために帰省しようとする人も少なくない。最近、そんなチベット人の1人が、20年ぶりに故郷のチベット自治区チャムドに帰ろうとした際に事件が起きた。7月30日付RFA英語版が伝えた。

そのチベット人が話すには「7月20日にネパールとの国境である橋を渡り、中国内に入りシガツェ県のディンリに到着した。ディンリの検問所で警官が自分の荷物をチェックし、ダライ・ラマ法王の写真と法王が著した仏教の本を見つけた」という。

「すぐにディンリの拘置所に連れて行かれ、そこで10日間拘束され、厳しい尋問を受けた。」「彼らはダライ・ラマの写真がチベットでは禁止されていることを知っていただろうという。私は『最近ダライ・ラマの写真が許可になった』と聞いていたと答えた。すると彼らは『許可されたのは1959年以前の写真だけだ』と言うのだった。」

結局彼はその後、ネパール国境の橋まで連れて行かれ、「インドへ帰れ」と言われ送還されてしまった。

今年6月、青海省の一部地域で寺院にダライ・ラマの肖像写真を飾ることが許可されたと報じられた。結局、事実ではなかったわけだが、このチベット人は噂を信じてダライ・ラマの写真を故郷への土産として持参したのであろう。また警官の「許可されたのは1959年以前の写真だけだ」という発言も何の根拠もないものと思われる。

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年8月5日付記事を許可を得て転載したものです。


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