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しょぼい体育館でのイベントはやめて欲しい……中小同人イベント事情in中国(百元)

2013年08月13日

■中国オタク「ウチの国のオタクイベントの会場、もうちょっとなんとかならないだろうか?」■

漫展
漫展 / 艾林佳树


■中国の同人イベント事情


ありがたいことに「中国の同人イベント事情について何かありませんか」という質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。

ここ数年の間に中国で開催されるオタク関係のイベントはかなり増えているようで、この夏も中国の各都市で小規模のものから大規模なものまで様々なオタク関連のイベントが行われているようです。

ただ、中国のイベントでは同人イベントと商業イベントの区切りもあいまいですし、同人サークルと関連商品などのグッズを売っているスペースが混在していたり、海賊版が普通に売られていたりするなど、かなり混沌としたものになっていたりもするようです。また、コスプレがかなり重要なものになっていて、コスプレイヤーや、そのコスプレショーが客寄せとして非常に人気が高いのも特徴の一つでしょうか。

そんな中国のオタク系のイベントですが最近は「イベント開催の場所」というのが頭の痛い問題になってきているようです。先日、中国のソッチ系のサイトでこういった「オタク系イベントの会場」に関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの嘆き

ウチの国の同人イベントの会場、もうちょっとなんとかならないだろうか?いつも体育館とかで開催するんじゃなくて、もっとイベント向きの会場でやるとかできないもんだろうか?

分かる。体育館とかは不便というか、あまり使い勝手が良くないんだよな……私もなんでいつも体育館開催が好まれるのか不思議に思う。

体育館でのイベントは確かに微妙なものがあるよね。あんまり清潔ではないし、売っているものも少ない、てか規模も小さいし、コスプレイヤーも少ないし。今までの経験から、自分は体育館で開催するイベントには行かないことにしたわ。

じゃあどこでやれって言うんだよ。ウチの国では手軽に使える場所も少ない。イベント開催できるだけで十分にスゴイことなのに、それ以上を要求するとか何様のつもりだ。

いや、ほら、イベント向けの施設とか、展示施設とかそういう所でやって欲しいんだよ。もうちょっと清潔で、コスプレ関係の舞台や更衣室くらいは欲しい。上海や広州のイベントはそういう感じじゃないか。

同人イベントと商業イベントをごっちゃにしていないか?政府機関がバックにいるようなイベントと、一般人主催のイベントは性質が異なるぞ。


まぁウチの国では純粋に同人系のみのイベントって案外無いからなぁ。商業系のイベントにも同人イベントにも関連グッズ売りや海賊版売りがいるし、主催側もそのスペース代で金稼いでいる面があるので区別つき難いかもな。主催者や主催者のコネ関係を見ると、どこまでが商業でどこまでが一般人主催の同人なのか分からなくなるし。

簡単に言えば、場所のレンタル費用の問題でしょ。体育館は安い。

北京だと体育館だとか学校施設関係のイベントは小規模イベント、大規模イベントになると大きな展示施設になるね。ただ大規模イベントは場所の費用もかなりかかるんだよ……

一応、都市によっては展示施設で開催する同人イベントもあるから、不可能ってわけじゃないんだけどね。ただハードルが高い。予算や日程の問題がのしかかってくるわけだし。

費用もそうだが手続きの関係や日程の確保の問題もあるぜ。参加者にとって都合の良い連休とかは確保するのが難しい。そしてそれに関して学校の体育館は比較的融通が利くんだよ。主催側の段取りがイイカゲンでも、学校施設の場合はある程度なんとかなっちゃうし。

都市の規模とそれに関係した設備の有無にもよるかなぁ。私のいる広州だと普通に展示施設で開催できているようだし。

「漫展」は全て「大人」が主催しているわけじゃないんだよ。学生が中心になっている場合は、展示施設を使うのは厳しい。

私の住んでいる都市では来月に初のイベントが開催されるが、場所はやっぱり体育館だ……

同人イベント主催に関して商業イベントのイメージを重ねている人が多くないか?同人イベントは開催にこぎつけるだけでもかなり難しいんだぜ?文化局とかの政府関係がバックにいるような商業イベントと比較してもしょうがないぞ。

ややこしいのがウチの国では同人系のイベントも商業系のイベントも「漫展」という言葉でごっちゃにされてしまっているって所だな。ウチの国は商業イベントにコスプレや同人が入ったりするし、その逆もある。日本のように基本的にまず同人ベースで開催、一部の大規模なイベントでは企業ブースも参加というのとは違う。あまり理想を求めてもしょうがないぞ。

小規模でも、もうちょっと使い勝手の良い設備があればいいんだがなぁ……一線級の都市だと場所のレンタル費用も高くなってしまうんだよね。

体育館って細かい不満は出るけど、イベント開催ということに関しては使い勝手良いしね。場所は大きめだし、コスプレ劇なんかの舞台になる場所も設けられるし。

イベントに対するイメージ、あと参加したイベントってのは地方ごとに結構違うよね。上海とかだと大型イベントには事欠かないだろうし。あと、地方によってはぶっ飛んだケースもある。聞いた話ではホテルで開催して、招待された主要な参加者はホテルに部屋をとってもらえてついでに大騒ぎ。なんか金の使い方を間違えたイベントなんてのもあったとか……

私が最初にサークル参加したイベントは体育館だった。そこが自分の第一歩だったから体育館開催に悪いイメージは無いんだけど、最近の人からすれば文句出るのか……まぁ、設備が万全ではないからな……

小規模のイベントは場所もそれなりの所でしか出来ない。知名度も無ければお金も無い。あとでかい場所借りてもそこを埋めるほどのサークルも客も来ないからな。

ウチの国は正式な展示施設ってわりと少ないし、オタク関係以外でも体育館的な場所での展示イベントなんてのは普通にある話だからしょうがないよ。あと小規模でも使い勝手の良い展示系施設は政府関係の貿易展覧会とかに使われるものだから、民間では申請してもなかなか使わせてもらえないわけで。

いやいや、最近は建物は結構あるぞ。問題はやはり費用だ。私の地元なんかはオタ関係の空気が薄いからイベント主催側が利益を出すのはほぼ不可能。そんな中で主催側の持ち出しでイベント開催してくれたりするから、こっちとしては体育館でもやってくれるだけで十分有難いよ。

費用の事情は分かるんだけど、盛況しているイベントだと体育館というのはなんだか微妙な気分になるね。イベントのチケット費用をそれなりに取られるんだから余計にそう感じてしまう……

イベントのチケットも一線級の都市だと40~50元くらいになるしねぇ。年々入場料が高くなる。

評価の基準や文句の出る順番的に場所や施設は後回しになる傾向があるからね。参加者も場所を見て「体育館だから行かない」とはなかなかやらないから、場所に関しては主催側もそこまで重視しない。

ウチの国では人が集まり過ぎるとイベントそのものが難しくなってしまうからしょうがないだろ。学校関係の施設、体育館でやる分にはそういったリスクが低くなるわけだし、それに加えて費用だって抑えられると来れば体育館開催が一般的になるのも道理だろ。

ウチの地元の場合、それなりに施設もあるし展示系の施設で大きな部屋を借りればどうにかできるね。ただ体育館に比べると費用や交渉面で難しくなるのは確かかな。

費用に関しては、良い場所借りると高いしそれを入場料で回収するのはほぼ不可能。サークルのスペースに関しては無料にして呼ばないといけないし、商業系のスペースから費用を徴収しても追い付かない。それに加えて有名なコスプレイヤーを招くためには、彼らの交通費や食費、宿泊費とかの負担や接待もあるし。更にはスタッフ関係でも費用は出ていくんだぞ。

ウチの方ではチケット代が30元で、一回の開催でサークル参加除いてざっと1万人くらいが来るらしい。ただ当然ながらチケットの売り上げが全部事前に動かせるわけではない。イベント開催前に動かせるキャッシュにも限界があるから、体育館とかの確保し易く費用も安い場所ってのは都合が良いそうだ。

都市や場所によってはイベント開催で儲かるように見える、或いは本当に儲かっていたりするけど、厳しい所も多いんだよ。大き過ぎる所を確保してガラガラだとダメージでかいし、安全な選択になってしまうのはある面ではしょうがない。

それに最近では儲かってしまうこともあるから一山当てようとするのが流れ込んでいるのも厳しい。そういう所は豊富な資本で集客の良い日時と場所を押さえてしまうから一般人主催の小規模な所はいよいよキツイ。国際展覧中心とかが気軽に使えればいいんだが、現実は厳しいよなぁ。

とまぁ、こんな感じで。

周边
周边 / ixxxxi



■大型イベントは当局の認可をとるのが大変です

イベント会場に関しては中国独自の事情もありますし、それに加えて地方や都市ごとに環境が異なるのもあってかイベントに対するイメージや体験、更には求めるものが違ったりもするようで、なかなかに難しい話になっている模様です。

上の方にもある通り、中国のオタク系イベントでは場所の確保というのが主要なハードルの一つとなっています。そして中国の中小規模のオタク系のイベントは学校の講堂や体育館、或いは大きめの教室で開催されることも少なくありません。

こういった学校の設備を使ってのイベント開催に関しては費用の問題以外にも、使う際の交渉や許可を取るのが楽、若者が集まって騒いでもあまり問題にされないといった点も便利だそうです。

中国では人が大量に集まるイベントはイロイロと警戒されたり、めんどくさい扱いをされることになり易いのですが、学校の施設というのはある程度「閉じた場所」でもありますし、学生による関係というのもありますから、オタク関係のイベントにおいても「非常に使いやすい」部分があるそうです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年7月19日付記事を、許可を得て転載したものです。

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