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仁義なき中国IT業界:パソコンに無料ソフトを入れるとスマホがウイルスに感染する不思議

2013年08月22日

■パソコンに無料ソフトをインストールしたらスマホがウイルスに感染した、仁義なき中国IT業界■

20130822_写真_中国_迅雷_

記事の要点
・大手IT企業のソフトに「悪意あるプログラム」が仕込まれていた
・感染させたパソコンを踏み台にしてスマートフォンに悪さ。
・目的は他社の宣伝してもらうかわりの「バーター」か

■有名IT企業の暴挙

記事「中国携帯ウイルス事情:ウイルスのプレインストール?!半年で4億8000万台が感染」で、中国でアンドロイドを狙ったウイルス、悪意あるアプリが蔓延。怪しげな場所でスマホを買うと最初から入っていることがあるという話をした。

だが今回ご紹介する話はかなり予想外のネタ。有名企業のパソコン用ソフトに「悪意あるプログラム」が仕込まれており、自分のアンドロイド・スマートフォンに要らないアプリを仕込まれてしまうと事件が発覚した。2013年8月22日、網易が伝えた。


■動画視聴ソフトをパソコンに入れたら、スマホに謎のアプリがごっそり入っていた

「悪意あるプログラム」入りのパソコン用無料ソフトを公開していたのは迅雷社。P2Pダウンロードソフトで名を為した企業で、一時期は中国人のパソコンにはたいてい迅雷が入っているという時期もあった。近年ではP2Pベースの動画配信サービス・迅雷看看も展開している。

「悪意あるプログラム」が仕込まれていたのは、その迅雷看看のパソコン用ソフト。感染したパソコンがアンドロイドOSのスマートフォンと接続されると、勝手に九游棋牌大庁、91携帯電話助手、360携帯電話助手、UUネット電話、機鋒アプリストアなどのアプリをインストールしてしまう。またパソコンのインターネットエクスプローラーのスタートページの切り替え、デスクトップにショートカットを設置、お気に入りにリンクを登録などの挙動も示す。


■動機は「バーター広告」だった?

21日、迅雷社は記者会見を開き、「悪意あるプログラム」が仕込まれていたことを事実と認めた。噂が広がったのは8月初頭だが、記者会見によると「悪意あるプログラム」の配布が始まったのは6月19日のこと。その後、発見し次第削除したと発表している。

「悪意あるプログラム」を仕込むよう命じたのは、迅雷看看のある部局マネージャー。すでに主要責任者は解雇したほか、その上司にも過失記録、警告、罰金などの処分を下したという。

問題は「悪意あるプログラム」を仕込んだ目的はなにか、だ。騰訊科技によると、ある消息筋は「バーター目的」だったという。つまり迅雷看看が「悪意あるプログラム」を使ってアプリのインストール数増加を手助けする。手助けされた企業は迅雷看看のスマホ・アプリを広告に載せるというもの。迅雷看看のスマホ・アプリはまだあまり普及しておらず、お互い広告しあうという形ではバーターが成立しなかったため、「悪意あるプログラム」を使うという手法を使ったのだろうと推測している。


■中国ソフトウェアの楽しさと怖さ

P2Pダウンロードで一世を風靡した迅雷社だが、動画配信サイトの普及に伴って海賊版ダウンロード需要が減少したことで以前ほどの勢いはないようだ。迅雷看看にしても他サイトとの競争に苦しんでいる。そうした中、邪道中の邪道である「悪意あるプログラム」の仕込みが発覚したことで、迅雷社にとっては大きな打撃となりそうだ。ダウンロード用ソフトの迅雷7には「悪意あるプログラム」は仕込まれていなかったが、噂が広がる中でアンインストールする動きも広がっているという。

中国のソフトウェアはアップデートも早くアグレッシブに新機能を盛り込んでくるという楽しさがある一方で、今回のようなリスクが存在することも事実。中国の小規模ショップでパソコンを買うと、親切にも不要なソフトをごまんとインストールしてくれたりするのだが、そのために新品のパソコンがいきなり調子が悪いというせつなすぎる話もよくあること。

たとえ大手のソフトでも用心は怠ってはならないと言えそうだ。

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