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【小ネタ】試合ボイコットに殴り合い、中国の“スポーツ内戦”全国運動会が大変なことに

2013年09月04日

■【小ネタ】試合ボイコットに殴り合い、中国の“スポーツ内戦”全国運動会が大変なことに■


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網易の報道。動画。


■中国国内最高峰のスポーツイベントで生まれた奇観

棒立ち状態で一切ディフェンスしない選手たち。その逆サイドをだらだらと進みトライ。中国国内最高峰のスポーツイベント、第12回全国運動会・7人制女子ラグビー決勝の北京代表対山東代表の一戦で、この奇観が繰り広げられた。 

トライの認定をめぐるジャッジが不満のもとになったようで、不利な判定を受けたと主張する北京側は控えの選手たちが「審判換えろ!審判換えろ!」と大合唱。山東代表の応援団は「負けを認められないのか」と応じ、冷め切ったコートとは裏腹の野次合戦が展開されたという。

ついにキレた北京代表は試合を放棄しようとしたが、現場にいた官僚の説得によって5分後にコートに復帰。ただしその後も棒立ちを続けるままで、山東代表がえんえんと得点を決めまくるという奇観が生まれた。最終的なスコアは71対0。解説者はラスト10分、競技の歴史などを語ってこの場をしのいだという、関係者すべてが不幸になる状況が生まれている。

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謎のバトルが展開されてしまったのが女子ラグビーだけではない。2日に行われたオープンウォータースイミング・女子10キロでは、江蘇省代表と天津代表が水中で体をぶつけあい、一度は片方が相手の上になって鎮めようとする状況まで生まれた。ここまでわかりやすい戦いはなくとも、体のぶつけあいは腐るほどあったようで、試合後に各地方チームが協議結果に不服を申請したという(新華社)。


■スポーツ内戦としての全国運動会

なぜここまでムキになってしまうのか?

4年に1度の全国運動会はいわば中国国内版オリンピック。オリンピックが「国と国の威信を賭けた戦争」だとしたら、全国運動会は「地方と地方の威信を賭けた内戦」である。メダル獲得数ランキングも発表されており、その成果は政績(政治業績)にも反映されるという。

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メダル獲得数ランキング。トップは山東省。3位に人民解放軍が入っているのがなんとも。なお最下位はチベットでメダルどころか入賞者もゼロ。チベットがんばれ、がんばれチベット。

なのでドーピングしてみたり、年齢詐称してみたりというのもざら。日本など他国では有力選手が五輪を期に引退するケースが少なくないが、中国の場合だと「次の全国運動会までがんばってもらうで」と引退できないケースも多い。

地方の意地と意地がぶつかりあう全国運動会、9月12日までの会期中にはまだまだ無駄に意地を張った末の小ネタが出てくるのではないか。

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 コメント一覧 (2)

    • 1. 二流子
    • 2013年09月04日 18:08
    • 全国運動会の実際にあった非バトルとバトル。
      元気のいいネタ(良すぎる?)でしたね。
      久しぶりの更新で、安心しました。
    • 2. Chinanews
    • 2013年09月06日 09:45
    • >二流子さん
      ご心配おかけしました。別のお仕事が忙しくて、更新を開けてしまいました。ぼちぼち復帰します

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