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「共産党一党支配の体制崩壊を想起させる恐れ」、ラノベ「ノーゲーム・ノーライフ」中国語版が出版中止に(百元)

2013年09月16日

■中国オタクの「ノーゲーム・ノーライフ」が中国で出版中止になった件についての反応■

ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)

アニメ化も発表されているライトノベルの「ノーゲーム・ノーライフ」の中国本土での出版が中止となった件が、作者の榎宮祐先生のtwitterでその理由も含めて発表されたそうです。

榎宮祐さんのライトノベル「ノーゲーム・ノーライフ」が“体制崩壊を想起させる”として中国で出版中止(ニコニコニュース)



ありがたいことにこの件について、「中国オタクの反応はどうなのか?」という質問をいただいておりますので、今回は中国のソッチ系のサイトなどで見かけたその辺に関するやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの反応

ライトノベルの「ノーゲーム・ノーライフ」が中国での出版が絶望的になったそうだ……

理由は「体制の問題」?なんなんだ?

出版の方は難しいからな……残念だわ。

榎宮祐という名前がなんか見慣れた名前だと思ったら、うどんげの人か!ラノベまで書いていたのか! !

榎宮祐はラノベもラノベの挿絵もやっているよ。この「ノーゲーム・ノーライフ」は本文、イラスト両方とも榎宮祐だ。

本文の内容がダメなら、もう挿絵だけでもいいから出してくれよ!

これ、私はかなり期待していた作品なんだが……アニメ化もあるし、これから来る!と思っていたのに、なんでこんなことに。。こっちでファンをやるのもめんどくさい話になりそうな気がするなぁ。

アホらしい話だが、ウチの国でこういうリスクを言い出したらどうしようもない。こういう話になってくるとマジでお手上げだ。

ある種のネタにしか思えないよな。実際俺は大笑いしてハラが痛くなってしまったよ!

うーむ……大まかな説明でしか分からないが、そこまでやるほどの内容か?

ネタな話ではあるが、ちょっと考えてしまう事件でもある……


これくらいの内容だったらウチの国のネットにもあふれているように思うんだが・。

ネット小説でもっとヤバイのあるよね。そっちの方は訴えられたり消されたりしていないのに。日本だから、出版だから気にしているのか?

日本のアニメや漫画の過去の作品でもこの手の内容のものはイロイロとあるけど、普通にこっちで人気になってるよな。

でもリスク0とは言い切れないし、今の空気では問題になる可能性があるのも確かだ。何ともアレな話ではあるが、実際にそうなった時のダメージを考えると出版中止というのも分からなくはない。

中国ではあんまり売れ行きが見込め無さそうだという判断も混じっていたりして。それに加えてリスクがあるのも間違いないから、いい撤退の口実にしたんじゃないかとも思ってしまう。

「魔法科高校の劣等生」がこっちで普通に正規出版やらなにやらが展開されているのに、なんで「ノーゲーム・ノーライフ」はダメなんだ?

「ソードアート・オンライン」だってウチの国的にヤバイ内容の所があるよな!

「ソードアート・オンライン」や「魔法科高校の劣等生」は問題になりそうな個所は後の方だし、十分人気が見込める作品だから少々違う話になるんじゃないか?

問題点はどこだ。「体制」についての話もそうだし、「すべての国に対して宣戦布告する…」というのが日本軍国主義的だとか、そんな話になるのかね?こんなの言い出したらなんだってこじつけできてしまう気もするが。

作者のtwitterや日本のネットのニュースの情報を見た感じでは、中国本土で出版できないってのは政府機関の審査で……と言う話ではないみたいだね。出版社の自主的な判断によるもののようだし、リスクを避けようという面が強いのではないだろうか。

台湾版を待つとするか。あっちがどうなるかは分からんが。

私は榎宮祐のイラストのファンだから、もし出たらイラストだけでも買う価値はあると思っていたが、まさかこんなことになるとは想像もしなかったよ……

なんかこういうニュースを聞くとウチの国のめんどくさい現実に引き戻されてしまうねネット小説とかではこんなの問題にもならない、てかもっとヤバイ話だってあるのに。

なんか台湾版の続きが出るのか心配になってきたわ。

台湾は大陸の方と違うから全く影響受けないってば。コンテンツに関してはやはり台湾が良い。

それにしても作者のtwitterでの言葉、カッコイイな。「なんかもう、中国語版が出るよりこっちの方が面白いから、いいっす。」「何はともあれ面白いので良し!」と来たか!

こんなことになったら、読者としても胸が熱くなっちゃうわ!もう言葉も無いよ!!

とまぁ、こんな感じで。


■出版の検閲は特に厳しいので……

受け入れざるを得ない事情ではあるものの、なんとも微妙な気分になってしまったりするようです。

中国では書籍に限らずドラマやアニメなどでも、もし「挙報」(通報)されてしまったら、実際に上が動いて影響が出てしまう可能性も高いですし、出版関係は政治に直結する分野と見做されているので管理が厳しいというのもありますから、リスクを考えるとこういう選択もしょうがないのかもしれませんね。

この件に関しては「たかが娯楽に何を本気になっているのか」という印象を受ける方もいらっしゃるのではないかと思いますが、中国では「たかが娯楽だから簡単に規制してもいい」「少しでもボヤになりそうな気配があればとりあえず潰しておく」といったスタンスなので、何かと手軽かつ迅速に規制されてしまう所もありまして……

中国でもあまり注目されていない分野であれば結構自由にやれたりもするのですが、一旦話題になって上の目にとまるレベルの話になってしまうとかなり面倒なことになります。この件に関してはそういった方面でのリスク回避という話もあるのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年8月19日付記事を、許可を得て転載したものです。

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