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2013年09月16日
ごくごく一部で爆発的話題となっている刀削麺ロボを見に行ってきました。
■刀削麺ロボの誕生と発展
刀削麺ロボが世界(のごく一部の物好き)に知られるようになったのは2010年のこと。CCTVの発明紹介番組で紹介されたことがきっかけです。
*[我爱发明]机甲厨神(2010.10.31)。
某ウルトラマンにくりそつのデザインを含め、ちょっぴり話題になりました。
その後、刀削麺ロボはメーカーで改良の末、量産化されたばかりか、模倣するメーカーも登場するなどちょっとした人気産業(?)に。中国の街を歩いていてもなかなか刀削麺ロボは見つけられないのですが、ネットではロボを売りつける広告をちょくちょくみかけるという不思議な状況になっています。
*量産が進む刀削麺ロボ。
*猪八戒タイプ、一休さんタイプも。好機匯致富機械厰公式サイトより。
■東京で刀削麺ロボに会える
そんな刀削麺ロボがついに日本上陸を果たしました。導入したのは「刀削麺荘 唐家 錦糸町店」。
あの刀削麺ロボが生で見られる、しかも日本で!
とすっかり盛り上がった私は刀削麺フェチの友人2人と食べに行ってきました。なお私はどちらかというと刀削麺があまり好きではないという……。でもロボは好きです。
JR錦糸町駅から徒歩5分ほどにある小さなお店、その厨房の奥に彼はいました。
お店の方に話をうかがうと、元はウルトラマンタイプだったそうなのですが、さすがに日本では無理だろうということでコックさんデザインに変更したそうです。ただ色は変えても胸のカラータイマーは残ったまま。
刀削麺を削るという目的からすると不必要なほどでかいロボはなんと重さ80キロ。わざわざ輸入したという熱意だけで目に熱いものがこみあげます。当初は秋葉原店に導入する予定だったそうですが、厨房に入らなかったために錦糸町店でのデビューとなったのだとか。
なお日本到着時点でセンサー(麺の厚みをはかるものでしょうか)がぶっ壊れており、秋葉原に部品を買いにダッシュしたというエピソードも泣かせます。
こちらが刀削麺ロボの勇姿をとらえた動画。一定のリズムで削り続ける姿がなんとも頼もしい。ただ麺が飛びすぎて鍋に入らないこともあるようで、シェフさんがつきっきりでした。1杯分の刀削麺を削り終えた後にストップするのも手動です。
こちらが完成品の刀削麺。シメの刀削麺を食べる時点ですでにべろべろだったために写真もイマイチな上に何を注文したかもちゃんと覚えていないという……。たぶん、担々刀削麺と冷やし棒棒鶏のせ刀削麺だったような気がします。
味は普通。
一緒に行った刀削麺フェチの友人2人は当初、「機械にうまい刀削麺が削れるはずがない」「人間が削るがゆえの厚みの違い、それこそが刀削麺の神髄よ。均質に削ったロボ刀削麺がうまいはずがなかろう」と仰っていましたが、食べると「意外と普通」「普通の刀削麺やった」とトーンダウンしていたことをご報告します。
■メカが変える中華料理の世界……になったらいいなぁ
というわけで普通においしくいただける刀削麺のお店。家の近くにあったなら嬉しいな、と思った次第。刀削麺荘 唐家さんは現在、フランチャイズオーナーを募集中で全国100店舗を目指しているそうで。全国に100台の刀削麺ロボが駐屯してくれたらなんとすばらしい世界だろう……と期待に胸が高鳴ります。
なおロボではないのですが、中華料理メカというジャンルでいいますと、上野・千里香の自動羊肉串焼き器もなかなかのものです。
無煙ロースターという大発明が焼き肉界を変えたように、未来の中華料理界もメカが変えてくれるのではないか。別に変えなくてもいいけど、楽しいからもっと面白いメカが登場して欲しい。そう願ってやまないのです。
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刀削麺好きの人間としてはとても有難い情報でした。
それにしても刀削麺ロボ、案外悪くないみたいですね。
正直慣れないお兄ちゃんが作るペラペラで一定しないのを食べさせられるくらいならロボの方がいいかなーなどとも思ってしまいます。