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中国の絵師、漫画家、アニメーターに未来はあるのか?アニメ学科卒業生の悩み(百元)

2013年09月23日

■中国オタク「中国では絵師に未来はあるのか?」■


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*騰訊網の記事「アニメ・漫画専攻、あなたはそれでも受験する?」。1999年にはアニメ専攻がある大学は2校だったが、2008年には1230校に。

■中国のアニメ・漫画業界は食える仕事なのか?

ありがたいことに「最近中国ではアニメや漫画の人材を育成していると聞きますが、学生の就職先としてオタク分野はどうなんでしょうか?」と言う質問をいただいております。

そんな訳で、今回は中国のソッチ系のサイトで見かけた「美術学科と将来の仕事としてのオタク分野」などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

俺、美術学科なんだけど、この先やっていけるのかと、不安になっているというか迷いまくっている。先輩からはとてもツライと言う話ばかりが聞こえてくる。ウチの国で絵描きでやっていくにはどうすればいいんだろう……

そういうのって、描くものが良ければどうにでもなるんじゃないの?イラスト関係の業界って能力を要求される面が他の業界より大きいから、自分の能力に自信が無いなら別の道を探してみる方がいいのでは。

イラストに関しては流行というか、求められるものというのがあるから能力だけで全てが決まるってわけじゃないと思う。そもそもウチの国ではこの分野だとどんな仕事があるんだ?もちろん「食っていける」レベルでだ。

CGモデルの構築とかは需要あるし、アニメ関係でも需要あるでしょ。あと食えるかどうかは知らんがオタク関係ではpixivで活躍している中国人絵師で同人グッズで活躍している人もいるはず。抱き枕とか。

自分の興味があることを仕事にするのはおススメしないぞ。本気でやりたいなら学ぶことや試すことは止めないが、それでもまずは「お試し」くらいのつもりでいた方が良い。

アニメよりもまだ漫画家の方がマシ。ウチの国ではアニメ関係は本当に厳しい。ただそれでも、食えるレベルの現金収入が得られるかは分からんが。

ウチの国では漫画での成功ってのは本当に少ないよ。現在は漫画雑誌の絶対数が少ないし、プロの漫画家になるのも難しい。ネットの漫画系サイトで有名になるならそれなりに簡単だが、原稿料は人気にならないともらえない!

デザイン関係なら需要はあるよ。企業の中に入るとか、スタジオで仕事取るとかいうルートもある。
イラストは挿絵描きとかが比較的儲かるって聞いたけど、どうなの?

挿絵やカードの絵とかが効率良く稼げる時代もあったけど、今はそうでもないね。皆その仕事やるようになってきて、単価が落ちている。しかも美術学科の卒業生がどんどん入ってくるから人材も途切れない。私の知る限りではゲームの原画とか美術監督とかやれればかなり稼げるけど、そこまでいくのが難しいし。

普通の仕事を探している人間でさえ飯の種に困るご時世なのに、自分の夢、好きなことをずっとやっていけると思ってんの?

仕事に関しては卒業証書の価値次第な所もあるね。大学の本科を出ただけじゃどの学科でも仕事を探すのは難しいし、美術学科系は当然厳しい。しかし中国伝媒大学や北京電影学院とかになると別の話になってくる。

既に出ているけど、絵描きというかデザイン関連の仕事自体はあるから臨機応変にやれるかだと思うよ。オタク系のイラストだって広告関係の需要はあるんだし。

イラストだけだと厳しいし、利用されるだけになったりするが、それを組み合わせたモノの制作、例えばWebサイトの開発とかができるならば案外いけるよ。本気なら自分でスタジオ開いちゃうのも一つの手だね。

オタク関係で食っていきたいなら、台湾か日本に行ってガンバレ。国内に希望は無い。

国内だとイラストレーターってホントに厳しい職業だからね。まぁ日本でも楽なわけではないだろうけど、仕事の必要とされる市場の規模が違うのは確かだ。あとイラストレーターって才能に加えて仕事を獲得する能力を要求される職種だから、単純に腕前があるだけでは余程のレベルか、良い支援者が付かない限りやっていくのは難しいよ。

中国のアニメ漫画関連産業とか、もう飽和状態なんじゃないの?仕事見つからない話ばかりだ。

飽和と言うか、仕事が作れる状況になる前に人が増えすぎたというか……中国は人が多過ぎるし、毎年どんだけ多くの美術学科の卒業生が出るか。漫画、アニメ、イラストでは「糊口をしのぐ」レベルでも足りないのは明らかだ。

ウチの学校、宣伝では就職率90%以上とか言っているんだけど、それがアニメや漫画分野、デザイン分野の数字とは言っていないんだよなぁ……ちなみに俺の学科の就職率、7月時点で20%……いや15%も怪しいぜ。
(訳注:中国は9月から新学年開始なので、大学4年の場合7月にもなれば実質的に卒業状態です)

芸術関係は手に職をつけるというものではないんだよな……金持ちの道楽だ。でもウチの国では大学が利益優先で自己ブランドの美術学科作りまくって、そこに大学受験の抜け道的な扱いで受験生や学生が増えちゃったから大変なことになってんだろう。

コネのある会社に滑り込めるか、自分でスタジオ開くかでもしないと卒業と同時に失業状態に突入だよね。いや、失う職すらないか。不景気なのか、人が多過ぎるのか、その両方か。どこの会社もどんなヒドイ条件で応募しても人が来るみたいに考えてしまえる空気だし。

オタク関係でイメージされているのはゲーム、イラスト関係、漫画、アニメ、グッズ作成とかかね。その中ではネトゲがわりと良いとは言われているけどそれも既に古い情報。イラストの仕事の単価はガンガン落ちているし、新人はドンドン増えている。

カード収集系の携帯ゲームの絵師くらいならできるぜ!と心のどこかで考えていたが、現実は厳しいよ。突出したものがないと、その他大勢の中での競争になる。

入れる所があるなら入っちゃうのが良いかもね。入ってからその後の事を考える。私は当時えり好みをしてしまったが故に現在道に迷っている最中だ。

え、えーと……同人イベントとかは?

最近はライトな参加者が増えて、商業との区切りが薄くなってきているから同人誌は前ほど需要は無いかも。同人グッズの方が稼げる状態になっているかな。ただこれも大手や商業ベースの所や、オリジナルのグッズが入ってきたりして簡単じゃない。日本の作品から得られる同人のイメージで考えると間違うし、ウチの国の同人イベントの変化も激しいからかなり不安定だよ。


中国のアニメ産業は発展の余地が有るように見えて実はそんなに無いんじゃないかと思ってしまう。資金は補助金頼みでほとんど回収できない。コンテンツ販売は一部の愛好者から小銭を稼ぐくらい。もし日本語が話せて本気で自分を試すなら日本で試す方がいい。日本からアウトソーシングで仕事を請け負えるようになれば当たりじゃないかな。

我が国では前途が無いから日本や台湾に行けとか無責任なこというのはよせよ。みんながそんな風に考えたら国産アニメはダメになってしまう。それに我が国の漫画業界も成熟してきているし、アニメ業界もゆっくりと進歩している。国内のアニメ漫画産業の中で活躍してやる、後に続く人間のための場所を切り開いてやると言うヤツはいないのか?おこぼれにあずかることしか考えていないヤツばかりでガッカリだ。

国内のアニメ産業に盛り上がって欲しいという考えには同意だが、現実的な問題もあるからねぇ。多くの人間にとっては職歴や実績が無いと仕事がみつからない状況だ。実習生としてお金を「払って」仕事を「させてもらう」なんて話すらある昨今では、リスクから考えてしまうのも責められないよ。

イラスト系の技術だけってのはやはり厳しいね。広告分野や3DCG分野とかにはそれ専門の勉強をした人材もいるし。それに加えてウチの国では版権の意識が低いし、パクリとかそれっぽいのを描くとかじゃなくて、単純コピーや劣化コピーで使いまわされたりすることも多いから絵師をやって「食っていく」となると厳しいわな。

モノスゴイ才能があるならば最初から一直線でプロを目指しても良いかもしれないが、そうでないならまずは口を糊することのできる仕事を探して、余った時間を趣味に使うくらいがいいんでないかね。腕前と運があればそこから目が出るかもしれないし。日本のプロもそういう経歴の人が少なくない。

結局はどういう仕事と生活を追い求めるかだろうね。趣味や副業から始めるならそこまで絶望的ではないが、忍耐と自分の将来への見切りも必要。

とまぁ、こんな感じで。


■美術学科、アニメ学科卒業生の受難

将来を考えるとなかなかに厳しい空気が漂っている模様です。

上の発言の中にもありますが、中国ではここ数年で美術系の学科やアニメ学科などの卒業生が増加しています。この背景には中国の国産コンテンツ推進政策や、中国の大学で生徒数増加のために美術学科、アニメ学科を作る動きが流行ったというのもあるそうです。

しかし作ったアニメで利益を上げる方法が中国ではあんまり無い上に、動漫基地などの箱モノを作るだけで終わってしまったり、質より量でどんどん作ってしまうので稼げる当たりの作品も少なかったりで段々と勢いも落ちていき、就職先も不足する……といったことになっちゃっているそうです。

一応この美術系の学生の増加と言うのは中国オタク界隈にとっては「全般的な画力の向上」というプラスの面もあります。この中国の大学における美術系学科の増加というのは00年代後半から活発になっていったのですが、当時私の知り合いの中国オタク系サークルでもきちんと絵の書ける人間がどんどん増えていった覚えがあります。しかし生活や就職といった面ではあまり使い勝手の良いスキルではないのも確かで、何とも難しい話になってしまっているようです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年9月2日付記事を、許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (2)

    • 1. 2323
    • 2013年09月23日 14:42
    • 長歌行みたいの増えてくれると良いなー
    • 2. 妹
    • 2015年11月13日 16:36
    • 5 ★文字を発展させる事を放棄した史那は二次元文化発展も放棄したのだから諦めろ。何をやっても日本には勝てない。
      日本語の表現力嘗めんな。

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