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日本の「忠臣」って死のうとしすぎ!日中の“忠”の違いに戸惑う中国人オタク(百元)

2013年09月29日

■中国オタク「日本の忠臣って死ぬことを強調し過ぎじゃないか……?」■

岳麓 | 长沙
岳麓 | 长沙 / +AARON++


漢字の表記では同じ言葉であっても、日本と中国ではイメージが微妙に異なるものがあるかと思います。そしてそれはアニメや漫画の中の出てくる設定やキャラに関してもあるようで、中国のソッチ系のサイトでは時折そういった「同じ言葉でもなんか違う部分もあるように感じるもの」に関するやり取りが行われています。

先日ネットを巡回していてそういった言葉の一つであろう「忠臣」に関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

アニメや漫画に限らず日本の作品には忠臣のキャラが出て来るけど、日本の忠臣って死ぬことを強調し過ぎじゃないか……?主君に忠義を尽くすとかいうのは分かるが、なんか盲目的に主君のために死ぬのが良いみたいな扱いされているのに違和感があるんだが……

ああ、なんか分かる話だ。死にたがるわけではないんだけど、忠臣なら死ぬのが当然みたいな空気はアレだ。

アニメや漫画だと、主君の幸せが自分の幸せみたいな所はあるが、わりと頻繁にそこへ自分の命を賭けちゃうよな。

日本における忠臣のイメージって具体的にどんな感じなんだろうな?草履を懐で温めておくとか?

いや、そりゃ秀吉と信長のエピソードだから忠臣じゃないだろ。あえて言えば気が利く部下というか、主君への自己アピールの見本?

なんか日本の忠臣って服従を尊ぶ所が物凄く強いよね。主のために一心に動く人間を忠臣としているというか。キャラとしては分かるけど、私はなんか感情移入しにくい。

ウチの国だと国家や天下のためといった所かね。あと忠臣とされる大臣でも家族のために利を図るのを優先したりするしなぁ。もちろん朱熹の理学に染まっちゃっているようなのもいるけど。

主人のために死ぬのは有り得る話だとしても、日本の忠臣はそこを強調し過ぎな気はするな。

忠義のための行動の結果命を落とすとかならそれなりに分かるんだけど、日本の場合主君のために死を選ぶのが忠臣みたいな方が扱いとして強く感じるんだが、どうなんだろう?

言っちゃなんだが、日本の「忠臣」はなんか野蛮に感じる。

ウチの国で言えば春秋戦国時代の感覚に近いのだろうか?確か当時は尊王な気風があったようだし、その後の「家」を基本とした利益の追求とは異なる理屈があったように思う。


日本人の忠臣のイメージって、最後に死が来るような気がするんだよね。伝統的に人気の高い忠臣蔵も自分達の死を前提とした主君の汚名を晴らす行為だし。

日本の忠臣=死を覚悟している、当然のものと思っていると考えてOK?

いやそれは違うような。日本の忠臣ってのは結局の所、絶対的な服従でしょ。

それもちょっと違うんでない?忠実な犬になれっていうとそれはそれで侮辱になるみたいだし。私は自分の生死を問わず、全力で主君を守りその成功のために働く、といったように捉えているんだが。

主のために死ぬというのは分かるけどそれが忠臣として最も良い行為だとされているようなのは、なんか独特だよね。

そういや日本人の大好きな三国志で言えば誰が忠臣として評価されているんだろう?その辺で日本人の感覚が推測できるような気もするが。

とりあえず日本でも諸葛亮や関羽の人気は高いそうだし、さすがに忠臣に関する基本的な認識はあんまり変わらないんじゃないか?忠義と自分の生死の感覚や、主君への服従具合が加わるのが日本の忠臣の独特な点なんじゃないかと。

三国志なら周泰なんかは忠臣として日本でも評価高そうだと思う。

「忠臣」に関しては漢字は同じでもこっちと日本では微妙なイメージの差があるのは確かだと思う。日本の忠臣ってやはり武士道の要素が濃いんじゃないの?

藤堂高虎とか、日本ではマニアを除いて人気無いらしいけどその理由が主君を何度も変えた忠臣ではないからってのが大きいそうだ。私の感覚では藤堂高虎の働きは間違いなく忠臣のものだと思うんだが……

武士階級が形成された初期の頃はわりとドライな雇用関係だったのは確からしい。あと武士道に関しては江戸時代の徳川政権が朱熹の理学を「朱子学」として推奨したことによる影響がかなりあるという話を聞いた覚えがある。日本における忠臣のイメージに関してもその辺りの影響があるんじゃないかと思う。ただ、日本人独特の感覚が影響している可能性も否定はできないね。

日本の統治階級に関してウチの国とはまた違う所があるからな。武士は日本のインテリ階級ではあったろうけど、それと同時に武官だから朱熹の理学の影響が入ってもそれをそのまま適用したのではなく、日本武士独自の思想に変化していったんじゃないだろうか。

とまぁ、こんな感じで。


■日本語と中国語の微妙な違いに戸惑う中国人オタク

ハッキリしない所はあるものの、何か引っかかるモノを感じてしまうようです。

「忠臣」という言葉は漢字の上では日本でも中国でも変わりませんし、意味に関しても共通してはいるものの、中国の感覚で日本の作品の「忠臣」を見た場合何か引っかかってしまう所もあるのかもしれません。

こういった明確な違いとまではいかないものの微妙な差を感じてしまうようなケースは、「忠臣キャラ」以外の日本のアニメや漫画に出てくる定番の性格設定のキャラやその行動に関してもありそうですね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


補足:日本と中国の“忠”の違いについて

朱子学と陽明学 (ちくま学芸文庫)

日中の“忠”の違い、儒教の違いは本が何冊も出ている大変なテーマです。蛮勇をふるって、ざっくり説明すると、「まごころを持って誠実に尽くす」というのがもともとの忠の意味。その対象も他者や国など君主に限らないものでした。それが朱子学によって主君に対する臣下の道徳的義務という概念に変わり、日本に入ってさらに強化されていくという道筋をたどります。同じ「忠」「忠臣」という言葉でも、バックボーンが違う日本人と中国人ではかなりイメージが違うという訳です。(高口康太)



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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年9月12日付記事を、許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (5)

    • 1. 名無し
    • 2013年09月29日 13:08


    • まぁ、なんだな…中国は 裏切り、金でしか動かない、の イメージがあるからな(^^)


    • 2.
    • 2013年09月29日 16:40
    • 主君の為に死ぬってのは、絶対服従の犬じゃなくて
      例え相手が馬鹿殿でも主君の為になる大事な事なら
      主君の逆鱗も自分の死も恐れずやり尽くすとかだと思うな。
      信長の守役は死んで信長を諌めた説は美談扱いになってるし。

      でも、中国だと、ダメ君主にいつまでも忠誠捧げて
      自分の身を損なうのは愚か者扱いなんだよな。
      ダメ祖国に忠誠尽くして死ぬのは忠臣扱いらいしが。
    • 3. 「忠」の守備範囲の違い
    • 2013年09月29日 18:40
    • やはり忠の字のに対する感覚が日中で違う。だから共産主義下で「忠字舞」というネーミングが使えたのではと思う。俺の感覚だと「封建的、反革命的なネーミングを表立って・・・」と思うのだが、彼らの感覚だと(実質はともかく理屈上は)違うのだろう。
      中国の場合の忠は「使命を曲げない」のが前提のように思う。困難を乗り越え使命を達成しても忠臣の典型。困難に破れ使命に殉じても中国では忠臣の典型。

      >>2
      日本人の発想だと、とにかく人か何かがダメになるシーンが必要だね。滅びの美学というか。武士出現以降の人物を忠臣例にあげるのが大方の発想。
    • 4. シグルイへの反応と、WWIIの話題が気になる
    • 2013年09月30日 01:45
    • 中国の人のシグルイへの反応が気になる。
      むろん、ネタ漫画としての反応も気になるんだけれど、
      「忠義」「お家のために」の大義名分が極端に誇張された作品だから、そこらへんの文化背景への反応が見たい。

      あとはWWIIの日本の自滅っぷりに対しての反応
      中国でも(日本への敵視は当然として、それ以外に)
      二次大戦の日本軍の頭の悪さっぷりを議論している人もいるんじゃないかと思う。
      上層部がいわゆる「滅びの文化」への中二病をこじらせた状態で、
      下もある程度それに従ってたということだし。
    • 5. Chinanews
    • 2013年10月01日 14:33
    • >2さん、3さん
      百度百科に代表的忠臣という項目がありました。

      諸葛亮、魏征、寇準、包拯、文天祥、于謙、海瑞、史可法、鄭成功、林則徐、李広、李靖、陸秀夫、屈原、蕭何、夏完淳、蘇武丶介子推、関羽、周泰、岳飛、張騫

      日本人の感覚から見ても忠臣っぽいと感じる人もいれば、その枠からはみ出る人もいるような。3さんがおっしゃるとおり、「使命を曲げな」ければOKという意味では範囲が広いという印象でしょうか。


      >4さん
      なにかいいネタがあれば紹介してみたいと思います。

      日本のそうした“クレージー”なところは武士道ではなく、軍国主義のイメージでとらえられていることが多いというか、武士道と軍国主義が一貫したイメージでとらえられていることが多い印象はありますね。

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