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自己批判しませんか?習近平の新たな左派キャンペーンが面白すぎる件について―中国

2013年09月30日

■自己批判しませんか?習近平の新たな左派キャンペーンが面白すぎる件について■

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SV102113 / shizhao


習近平の新たな左派的キャンペーン、批判と自己批判の民主生活会が大変なことになっている件について。

河北省共産党委員会常務委員会が民主生活会を開催した。民主生活会とは1940年代に展開された反対派粛正運動、整風運動で大々的に展開されたもので、自己批判したり、あるいは誰かを吊し上げる批判をやったりという政治キャンペーンである。清風運動は中国共産党の「三つの優良な作風」に位置づけられている。残る2つは理論と実践の連携、群衆路線の2つ。すでに群衆路線のキャンペーンは始まっているので、習近平の毛沢東系統がますます鮮明になった格好だ。

河北省では習近平主席が傍聴する中、省の偉い人たちが続々と自己批判&他の幹部の批判を繰り広げた。

で、この内容が結構面白いのである。

周本順河北省委書記
成果を出すのにあせりすぎる。時に主観で決断してしまい、人々に対する理解が少ない。時に投資がくじけ、頑張る意欲が消えてしまう。

張慶偉河北省長
人の批判ばっかりしてしまう。また幹部・群衆の奢侈の風潮に巻き込まれてしまう。イベントの際にゴージャスにしてしまったり、高価な宴席を設けてしまう。

河北省トップのお二人は結構無難なお答え。

孫瑞彬石家庄市委書記
オフロード車を公用車に使うのは便利なのだが、自分が乗ると結構いいよね。というわけで規定違反とか考えなかった……。

張越河北省政法委書記
ワイングラスを持つ機会が多く、茶飲みを持つ機会が少なかった。

艾文礼河北省宣伝部長
清廉さを保つことが足りなかった。規定以上の接待を受けたり、がっつり飲み食いしたり、軍用ナンバーの車に乗ったり。昨年、河北省の旧正月パーティーでは飲み食いだけで330万元(約5300万円)も使ってしまった。

以上が自己批判。なんかまじめに調べると結構まじめに問題になりそうなことを吐露している人も。

続いて河北省常務委員会メンバーの相互批判について。ほとんどがたわいもない話ながら、中には無礼講の飲み会で上司に絡むサラリーマンみたいになっている人もいる。

楊崇勇河北省常務副省長 → 周本順河北省委員書記
決定した政策を着実に実行するのに力を入れて欲しい。

臧天業河北省紀律委員会書記 → 張慶偉河北省省長
報告を聞く我慢強さが足りない。幹部を尊重していない。自分とは違う意見を受け入れない。

趙勇河北省委員会副書記 → 周本順河北省委員書記
あせりすぎ。規模や形式だけ追い求める時も。

この民主生活会、河北省を皮切りに全国各地に広がっている。今や中国全土の共産党幹部は自己批判のネタと他の幹部を批判するあたりさわりのないネタを考えるのに必死になっているのではなかろうか。

以前からの私の持論だが、習近平政権はこうした「古き良き共産党」を復活させることで、汚職まみれの党を改善する、あるいは民衆の支持を回復できると本気で信じているのではないか……と疑わせる動きを続けている。そこまでお馬鹿じゃないはず、とみんなが思っているのだが、しかしパフォーマンスにしては頑張りすぎだ。

この批判と自己批判の民主生活会もそうした茶番の一つとして歴史に残ることになるだろう。ただ他の茶番と違って、お笑い度が高いことは間違いない。どこかの共産党幹部が手加減間違えて、リアルにやばい問題をもらしたりしないかな……と楽しみにしている。

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 コメント一覧 (1)

    • 1. Indianapolis Colts Jersey
    • 2013年10月08日 02:22
    • 自己批判しませんか?習近平の新たな左派キャンペーンが面白すぎる件について―中国 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)

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