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愛国愛党と中国国旗掲揚の強要に反発、チベット人の小中学生4000人が抗議デモ(tonbani)

2013年10月05日

■ディル 生徒4000人が抗議デモ■


20131005_写真_チベット_1
*緊張が続く10月2日のディルの街中。

中国当局による新たな愛国愛党キャンペーンに反発し、ディル県一帯で緊張が高まっている。2013年10月3日付チベットエクスプレスを参照した。

チベット自治区ナクチュ地区ディル県では2013年9月10日から愛国愛党キャンペーンが始まった。愛国愛党と中国国旗掲揚を強要するこのキャンペーンを、地元のチベット人たちは「まるで文革が再来したかのようだ」と話す。ディル県にはチベット自治区政府やナクチュ地区政府から1万8千人の役人が集められたという。

28日には中国国旗掲揚に反発したモワ郷のチベット人たちが渡された国旗をすべて川に流し、部隊と衝突した。部隊はモワ郷とモンチェン郷を包囲し、住民を弾圧しようとした。これを知って回りのタクル郷、バロ郷、ネシュ郷、タリン郷の住民たちが彼らを弾圧しないようにと要請したが、逆に彼らの内40人が拘束された。

この40人の解放を求めるため28日午後7時頃からディル県庁舎の前に800~1000人ほどのチベット人が集まり、24時間の座り込みハンストを始めた。その夜、チベット自治区共産党書記とナクチュ地区共産党書記が現地に入り、この40人は解放された。しかし、40人全員、全身に激しい暴力を受けた痕が残されていたという。

当局はこれらの抗議活動に参加したチベット人は、その子供たちを学校から追い出し、病院で治療を受けること、冬虫夏草を採取することを禁止すると広言した。冬虫夏草は高級漢方薬の原料として珍重されており、チベット人にとっては貴重な収入源。その採集禁止とは生計を断つことを意味する。

ボイスオブチベットによれば、29日の夕方から、ディルにある小中学校の生徒たち約4000人が学校に集まりこの愛国愛党キャンペーンに対する抗議デモを行った。これらの学校の生徒のほとんどは農牧畜民の子弟であり、今回の騒動により学校を追い出される可能性が高い。デモの後の状況については伝えられていないが、家族は子供たちが家に帰らないと心配しているという。

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年10月4日付記事を許可を得て転載したものです。


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