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「進撃の巨人が読めるのは『漫画少年』だけ!」商業誌が堂々と海賊版掲載し問題に(阿井)

2013年10月09日

■進撃の巨人が読めるのは漫画少年だけ!■


アニメ『進撃の巨人』が中国で人気です。学生街ならいざしらず、普通の街中でプリントTシャツを見かけるぐらいほどの浸透ぶり。アニメが終わってようやくブームも一段落したかと思いきや、中国のネット上ではいかにも中国らしい話題が紛糾しておりました。商業誌による海賊版マンガ掲載という騒ぎです。


■正規版権を取得してマンガ『進撃の巨人』中国語版の連載開始!……から始まる炎上事件

 
20131009_写真_中国_進撃の巨人_1

事の発端は『漫画少年』という雑誌が『進撃の巨人』の中国語版を掲載したことです。これがただの海賊版なら何の話題にもならなかったと思いますが、中国人が問題視したのは扉絵に載っているこのキャッチコピー。
 
20131009_写真_中国_進撃の巨人_2
日本授権同歩連載
最熱血的漫画連載
(日本から版権獲得、日本と同時連載)
(最もアツい漫画を連載)


これに反応したのが日本の人気漫画を中国語に翻訳しているサークル『鼠絵漢化組』。日本のマンガを勝手に中国に翻訳して公開するという、よくある海賊版翻訳サークルなのですが、実は『漫画少年』に掲載されていた『進撃の巨人』は彼らが翻訳したバージョンだったようなのです。

自分たちの翻訳物が勝手に雑誌に載せられていることを知った彼らは、雑誌の売上を伸ばすために日本から著作権を貰ったと嘘まで吐く『漫画少年』のやり口を、恥ずべき海賊版商法だとマイクロブログで強く非難しました。
 
中国の講談社が発行している雑誌『勁漫画』のマイクロブログ・アカウントもこれに反応。講談社は中国で『進撃の巨人』の版権をどこにも渡していねぇよと『漫画少年』との関係を完全否定しています。 
 
『漫画少年』の裏表紙を見るに、日本から権利を貰った作品は『進撃の巨人』に限らず、掲載作品全てのことを言っているようなので、講談社側が事を荒立てれば問題は他の漫画にも波及するんじゃないでしょうか。


■取っ散らかった著作権問題
 
日本の漫画を勝手に載せている雑誌なんて今までたくさんありました。『ワンピース』と『名探偵コナン』と『RATMAN』(少年エース)を載せ、出版社の垣根を取っ払った雑誌なんかもありましたし、そもそも海賊版が横行している社会なのですから、権利云々さえ書いていなければ目を付けられることはなかったでしょう。
 
なお無断で翻訳が使われたと怒る『鼠絵漢化組』に対して、マイクロブログでは「勝手に漫画を中国語に翻訳するのもどうなのよ?」という綺麗なブーメランが返ってきていました。「ネットはビジネス的な利益が出ないから大丈夫」というよく分からない答えでそれを退けていました。本家の講談社が出てきた以上、とばっちりを食らう可能性もあるからしばらくは黙っていた方が良いと思いますけどね。
 
 同じ業界に本家がいるにも関わらずオリジナルを名乗るその大胆な手口もさることながら、それを指摘した側もグレーだったという一体どこに視点を据えれば良いのかわからない、ひとつの事件に問題が取っ散らかった著作権問題でした。

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*本記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の2013年10月8日付記事を、許可を得て転載したものです。 

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 コメント一覧 (2)

    • 1. Anonymous
    • 2013年10月09日 15:02
    • 突っ込みどころが多すぎて困る
    • 2. annonymous
    • 2013年10月12日 14:10
    • まさに目糞鼻糞を笑う

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