■南の楽園でタイ族と漢族マフィアが衝突、介入した警察が少数民族に発砲―中国■
2013年10月10日、“楽園”と呼ばれる景勝地、雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州で、タイ族と漢族の衝突が起きた。介入した警察が発砲、タイ族4人が負傷したほか、流れ弾にあたって警官1人が負傷した。
現地の写真70枚をまとめブログ「中国茉莉花革命」が掲載しているが、なんとも凄まじい状況。






最後の写真の華傑賓館というホテルがタイ族に襲撃された。RFAによると、同ホテルの経営者の息子・劉が発端となった。RFAの取材に劉は次のように答えている。
(1)9月27日、子どもを迎えに車で学校に行ったところ、あるタイ族が車の通行の邪魔となり言い争いになった。相手がひどく罵ってきたので、鉄の棍棒を持って車を降り、(止めに入ったそのタイ族の)親を殴った。
(2)10月10日夜、数人の友人と食事することになった。友人が車を運転していると、交通事故で渋滞に。クラクションを鳴らしたが、事故を起こしたタイ族はどこうとせず殴り合いになった。
メディアの取材に「鉄の棍棒で殴った」とか堂々と答えているのが驚きだが、とりあえず劉の行動が直接の火種になったのは間違いないようだ。
この劉という男、車に棍棒を積んで持ち歩いているなど真っ当なお仕事の人間とは思えない。現地住民のネット掲示板書き込みによるとマフィアだという。劉ら現地の湖南幇(湖南省グループ)はカジノを作り、金貸しを営み、青少年にドラッグを売りつけていた。また現地警察と結託して好き放題に振る舞っていた。今回の事件でタイ族も堪忍袋の緒が切れ、4カ村の住民が合同でホテルを襲撃したと説明している。
中国の少数民族問題というとチベットやウイグルの印象が強いが、雲南省や貴州省などの少数民族が多い地域では漢族による蔑視や対立も根強いものがある。資本やビジネス(非合法のものも含めて)のノウハウ、さらには警察などの権力とのコネクションなど漢族が有利なポジションを占めていることが多い。結果として漢族と少数民族の間にははっきりとした格差があり、対立の背景となっている。
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