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補償金目当ての“偽りのビル群”と一日限りの“子ども警官”、中国の不思議な土地収用

2013年10月15日

■補償金目当ての“偽りのビル群”と一日限りの“子ども警官”、中国の不思議な土地収用■
 


■補償金目当てに生み出されたビル街

2013年10月12日、貴州省貴陽市観山湖区で違法住宅の強制撤去が施行された。51棟、計7万2243平方メートルの建築物が重機で押しつぶされた。

貴州都市報によると、この違法建築群、昨年から雨後のタケノコのように次々と出没したものだという。この区画に新たな道路が建設されると知り、立ち退き補償金をつり上げるために建てたもの、いわゆる「種房」と呼ばれる行為だ。立ち退き補償金は農地や宅地、床面積によって金額が異なってくる。そこで開発計画を知るや、農地の上に建物を建てて補償金をつり上げようとするわけだ。

貴陽市の違法建築群も急ごしらえの産物。重機5台が10時間稼働しただけで51棟の建築はすべて粉々になってしまったという。もっとも写真を見ると平屋ではなく4階建てのちょっとしたビルが立ち並んでおり、急造建築とはなかなか信じられないのだが。

20131015_写真_中国_子どもSWAT_1

理屈でいえば、当局の建設認可を得ていない違法建築に補償金を支払う必要はないのだが、住民が強く抵抗した場合、当局も補償金をある程度上積みして穏便に解決を図るケースが多い。中国では土地収用に関連した騒動が頻発しているが、無認可建築の金額をどう査定するかでもめているケースも少なくない。

私の友人も無認可建築でちょっとしたお金を手に入れたとの“武勇伝”を教えてくれた。昔ながらの平屋建ての住宅に住んでいたのだが、再開発に伴い引っ越さなくてはならなくなった。そこで慌てて中庭に簡素な部屋をでっちあげ住宅面積を水増し。補償金のつり上げに成功したのだという。


■“子ども警官”の出動

「道路建設計画が流出したら農地がビル群に変わっていた」というだけでも十分驚くべきニュースなのだが、実はこれ以上のサプライズが存在する。

当局は今回、補償金で決着するのではなく強引に建築物を排除することを決めた。住民側の抵抗が予想されるため、2500人以上の警官、都市管理局隊員らを派遣したのだが、実はその大半が高校生。可愛らしい“子ども警官”だという。

にわかには信じられない話だが、ブログ「茉莉花革命」はあどけない“子ども警官”たちの写真を大量に掲載している。

20131015_写真_中国_子どもSWAT_2

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*ぶかぶかの服でだるそうに立っている“子ども警官”。手にはペットボトル。だらしなく胸元から白いシャツが見えている子も。

20131015_写真_中国_子どもSWAT_4
*女子高生も動員。

20131015_写真_中国_子どもSWAT_5
*全員分の服が用意できなかったのか、一部の子ども警官にだけ背中に「特警 SWAT」の文字が。

なぜ“子ども警官”が動員されたのかは不明。国慶節(建国記念日)休暇明けということもあって警官を集めきれず、とりあえずこけおどしの数だけそろえようという発想だろうか。

中国は世界最古の官僚国家として細々とした法律が用意されているのだが、その一方で法律を超えた柔軟な運用ができてしまうという側面もある。忽然と姿を現した幻のビル群、そしてその取り壊しのために動員された“子ども警官”。はったりという交渉術が中国でどれほど効果を持つかを象徴的に示すエピソードではないか。

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