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鉱山から流れ出した汚染水で魚も家畜も死んだ、抗議のチベット人に当局は軍・警察を派遣(tonbani)

2013年10月22日

■ラガンで鉱山より流れ出た鉛水により魚、家畜が大量死 抗議に対し当局は部隊を派遣し威嚇■


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2013年10月、四川省カンゼ州ラガン県バラン郷で、チベット人が鉱山汚染水による被害を県政府に訴えたが、改善されるどころか、当局は軍・警察を送り込み現地を封鎖した対抗するという事件があった。2013年10月18日付RFA英語版、同チベット語版、19日付Tibet Expressチベット語版を参照した。


■チベット人の抗議

バラン郷では2005年から鉛鉱山の開発が行われていた。その鉱山から有毒物質を含んだ水が流出、多くの被害を生み出したという。現地住民は次のように報告している。

「10月13日頃、バラン郷の鉱山から有毒物質を含んだ水が流れ出た。20~30マイル(32~48キロメートル)に渡り河川を汚染。数え切れないほどの魚が死に、川の水を飲んだ馬、羊、ヤギなど家畜も沢山死んだ。」
「この毒水は付近の5、6カ所の村の飲料水も汚染した。」
「村人たちは死んだ魚を県庁舎の前に運び、当局に訴えた。しかし、当局はこれにまともに答える代わりに軍・警察を現地に送り込み、地域の電話やネットを遮断した。」

別の報告者によると、「当局は県職員を現地に派遣したが、『調査には時間がかかる。そのうち上級機関が決定を下すだろう』と説明しただけ」だったという。


■詐欺的な開発、度重なる被害

そもそも鉱山開発自体が詐欺的な手法で始められたものだった。2005年当時は「道路を作る」という名目だったのだ。その後、鉱山開発の実態が明らかになったが、村のリーダーたちは当初から開発に反対していた。しかし「県官僚や請負業者は『この計画は党と県の意志である。異を唱えれば重大な結果が待っているだろう』と脅し」て強行したという。

被害が出たのも今回が初めてではない。2011年にも多くの魚や家畜が死ぬ事件があった。村人たちは政府に訴えたが、何の効果もなかった。今回もチベット人の訴えに具体的な回答はない。逆に村には軍・警察が送り込まれ、鉱山開発は続けられている。この結果に村人たちはひどく落胆しているという。

チベットには豊富な鉱物資源が眠っている。現在、中国政府は急ピッチで鉱山開発を進めているが、住民の意志や利害を完全に無視した開発は、地元住民との衝突をたびたび引き起こしている。当局は問題を話し合いで解決するのではなく、軍・警察の派遣で封じ込めようとしている。時には発砲にいたることもある。チベット人の死者が出ても開発が泊まることはない。

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年10月20日付記事を許可を得て転載したものです。

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