中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
中国インターネット情報センター(CNNIC)が第33回目となる中国インターネット利用状況報告を発表しましたので、いくつか主要部分をお伝えしたいと思います。
まず、2013年末時点、中国のインターネットユーザー総数は6億1,758万人になりました。
2012年末時点は5億6,400万人だったので、5,000万人強ユーザーが増えたことになり、インターネット普及率は45.8%になりました。6億という数字を超えてるにも関わらず、普及率がいまだ45.8%というのは、改めて市場規模の大きさを物語っているのではないでしょうか。
そしてモバイルインターネットユーザーは2013年末で5億人を突破しました。
こちらは2012年末比で8,000万人強増えたことになり、モバイルインターネットユーザーが全体に占める割合は81.0%になったと報告されています。ただ、念のためご説明すると、この81.0%というのはPCを利用したユーザーが19.0%しかいない、というわけではなく、重複利用が計算された上での81.0%です。
それにしてもモバイルインターネットユーザーの伸びは2012年末時点でも顕著でしたが、その勢いは衰えていないようです。もう1つその勢いを証明しているのが下のグラフです。
こちらは新たにインターネットの使用を開始したユーザーの機器利用の比率なのですが、左からデスクトップPCが28.7%、ノートPCが16.9%、そして携帯電話(モバイル)が73.3%と圧倒的な比率を占めており、半年前の2013年6月末時点のデータと比較しても比率が増加していることがお分かりいただけると思います。
新たにインターネット利用を開始する人はデスクトップやノートPCは利用せず、携帯電話などモバイル端末のみの利用、という人が増えてきていますね。
そして今回もう1つ面白いデータがあるのですが、それは非インターネットユーザーに「なぜインターネットをしないの?」と尋ねた下のグラフです。
圧倒的に多かったのは一番左にある「コンピュータやネットの利用法がわからない」で58.1%の割合でした。その後はインターネットをするには年齢が高すぎるか低すぎるが20.6%、時間がないが17.4%、そもそも必要ないが10.5%、インターネットの環境がないが10.0%と続いていきます。
この統計からは、もっと簡素なインターネットデバイスやネットワーク環境が増えてくれば、更に急速にネットユーザーが増えていく可能性を秘めていると言えるかも知れません。
続いては中国の各省別(地区別)のインターネット利用状況です。
こちらのデータはユーザー数の多い順に並べているのではなく、利用率(普及率)が高い順に並べられているのですが、やはり北京(75.2%)、上海(70.7%)、広東省(66.0%)など都市圏が上位に来ています。
しかし、ユーザー数が3,000万超と多い割には利用率(普及率)が50%を下回っている河北省(46.5%)や山東省(44.7%)、河南省(34.9%)などは今後の狙い目となってくるのかも知れませんね。もちろん、その他でも広東省は66.0%になっているとはいえ、その数が7,000万人近くで残りも4,000万人弱いますし、江蘇省も4,095万人いながら利用率は51.7%とほぼ半分といったところなので、こちらも大きな伸びが期待できるかも知れません。
中国市場、といってもそのカバー範囲は広大なので、こういった地域別普及状況をみながら進出、サービス提供地域を検討する、というのも1つの手かも知れません。
次は1週間におけるインターネット利用時間の推移です。
2011年から2012年にかけてもその前年に比べ時間の増長は大きかったのですが、2013年末は更に増長しました。これはおそらくモバイルインターネットユーザーが更に増え、場所を選ばず移動中などにもインターネットを楽しむ人たちが増えたことが主原因と思うのですが、レポートでも3GやWiFi環境の整備が進んだことが原因では、と報告されていました。
2014年は4G元年とも言われ、モバイルキャリア各社がLTEサービスを本格提供していくでしょうから、その提供価格にもよりますが、2014年末には利用時間が更に大幅増、となっている可能性もありますね。
さて、レポートはまだまだ続き、各種インターネットサービスの利用状況なども紹介したいのですが、長くなってしまうので、そちらは次回に紹介します。
また、今回紹介した内容もその他、男女別、学歴別、収入別などその他データが豊富に有りますので、ご興味ある方は中国語になりますが、こちらからPDFをダウンロードしてみてはいかがでしょうか
■続編:【中国ネット報告書】中国SNSの世代交代あらわ、ウェイボー・ユーザーが初の減少(osschina)
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*本記事はブログ「中国ソーシャルメディア雑記」の2014年1月17日付記事を、許可を得て転載したものです。