中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
前回は中国インターネット情報センター(CNNIC)の第33回中国インターネット利用状況報告のうちインターネット利用に関する概要をお届けしましたが、今回はインターネットサービス別の利用状況をお届けしたいと思います。
2013年末時点のインターネットサービス別のユーザー数及び利用率は下図のとおりです。
主だったものを紹介すると一番上の項目、『即使通信(=チャット、IM類)』が変わらずトップに位置しており、5億3,215万人のユーザー数、86.2%の利用率を誇っています。前年比増長率も13.8%と依然好調です。
そして次には検索ではなく、『网络新闻(= オンラインニュース)』が第2位につけているのですが、こちら2012年末のユーザー数が4億6,092万人となっているのですが、2013年6月末時点のデータを見ると同時期が3億9,232万人となっていて数値に違いが見られるのですが、検索以上に利用ユーザーが存在している、ということは確かな事実なようです。
その『搜索引擎(= 検索)』自体は4億8,966万人のユーザー数で数は増やしているのですが、インターネットユーザー総数の伸び率には追いつけなかったため、利用率という点では80.0%から79.3%と若干ながら数値を落としています。
その他目立つところでは、『微博(= ウェイボ) 』がユーザー数を3億861万人から2億8,078万人、利用率を54.7%から45.5%とどちらも数値を落としたことでしょう。 以前の記事でも指摘したとおり2011年下半期からユーザーの増加速度がスローダウンしていましたが、とうとうCNNICのレポートでも初となる減少を示したのは象徴的なできごとです。現在、新浪微博(Sina Weibo)はアリババと組んでECや広告などビジネス化を強力推進していますが、アクティブユーザーだけでなく、実質ユーザーの減少が今後にどう響いてくるのか、要注目です。
他には共にユーザー増長率が60%を超えた『旅行预订(= 旅行予約)』と『团购(= 共同購入)』が目立ちます。それぞれのユーザー数は1億8,077万人と1億4,067万人とまだ2億人に満たない規模ではありますが、その他10%程度の増長率やウェイボに代表されるようにマイナス成長をしているところが少なくない中、今後の注目に値するかと思います。
また、『网络购物(= オンラインショッピング)』も前年比ユーザー増長率が24.7%で、2013年末にはユーザー数が3億人を突破するなど着実に利用者が増えています。
さて、続いてはモバイル端末でのサービス別利用率です。
先の全体とそれほど順位的には変動はないのですが、10%以上の利用率増加を示しているのは『手机网络视频(= モバイルオンライン動画)』と『手机网络购物(= モバイルオンラインショッピング)』、『手机网上支付(= モバイルペイメント)』、『手机网上银行(= モバイルネット銀行)』、『手机团购(= モバイル共同購入)』などで『手机网络游戏(= モバイルオンラインゲーム)』なども増長率は9.9%なので好調な方に分類できるかも知れません。
やはり『微博(= ウェイボ)』はモバイル利用でも利用率が減少しており、2012年末の48.2%から2013年末は39.3%まで下げています。また、モバイルユーザーに関しては『手机社交网站(= モバイルSNS)』も利用率を42.0%から30.9%に下げているのは非常に印象的です。
中国ソーシャルメディアのトレンドがSNSや微博から微信(WeChat)などのチャット系に移っているのは、何度もお伝えしていましたが、統計としてもはっきりと現れてきました。 今後、微信(WeChat)などのチャット系が更に勢いを増すのか、それとも新たなソーシャルメディアサービスが誕生してくるのか、それともソーシャルメディア、という概念自体が飽きられ違ったものに形を変えていくのか。。。
今年も継続的に業界動向や統計データなどをお届けしていきたいと思います。
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*本記事はブログ「中国ソーシャルメディア雑記」の2014年1月17日付記事を、許可を得て転載したものです。