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【お知らせ】中国のカリスマ弁護士・浦志強を迎えての講演会—中国人権派弁護士の背負う「歴史的使命」とは—

2014年01月20日

■【お知らせ】中国のカリスマ弁護士・浦志強を迎えての講演会—中国人権派弁護士の背負う「歴史的使命」とは—■

問答有用――中国改革派19人に聞く

東京大学の阿古智子准教授から「中国のカリスマ弁護士・浦志強を迎えての講演会—中国人権派弁護士の背負う「歴史的使命」とは—」のお知らせをいただきましたのでご紹介します。

2013年、中国では労働教養制度廃止という転換がありました。労働教養制度とは裁判なしで事実上の懲役を科すことができるという、地方政府にとっては大変便利のいい制度。KINBRICKS NOWでも「中国政府のツイッター弾圧=たった5文字のつぶやきで1年間の勾留」など、労働教養制度がらみの事件をいくつも紹介しています。

廃止を前に特に大きな盛り上がりとなったのが薄熙来統治下重慶での野放図な運用(シモネタツイートで共産党高官を風刺=それだけで1年間の労働教育処分に―中国重慶市風刺漫画を転載しただけで労働教育2年に=書き込むとすぐに警察から恐怖のコンタクトなど)と11歳の娘に性的暴行を加えた加害者に重罰をと訴えた唐慧さんが逆に1年半の労働教養を命じられた事件でした。

重慶と唐慧事件、この双方に関わっていたのが浦志強弁護士です。経歴については阿古さん執筆の記事「「言論の自由」のために闘う 中国の弁護士・浦志強」(WEDGE Infinity)が詳細です。労働教養制度以外にも芸術家アイ・ウェイウェイの行政訴訟など多くの事件に携わってきました。講演会では浦弁護士が携わった実際の事件に加え、人権派弁護士の「歴史的使命」についてもお話されるようです。

浦弁護士がどうお考えかは講演会を聞くしかないわけですが、現状の中国の法、制度、運用がいかに不十分なものであるにせよ、それに立脚して漸進的に改革していこうというのが中国の人権派弁護士のスタンスです。

朝日新聞の吉岡桂子記者が討論者として出席されますが、記事「【ブックレビュー】中国を“本当に”変える人々、体制内改革派の言葉を引き出す=吉岡桂子『問答有用』」で紹介したとおり、新刊は中国政府内部の改革派の率直な言葉を引き出す内容でした。

浦弁護士と吉岡さん、お二人の討論から派手なスローガンとは一味違う地に足のついた中国改革の最前線が教えていただけそうです。当日は私も勉強に行こうと思っていますが、参加を申し込まれる方は下記の申し込みメールアドレスからご連絡ください。
 


中国のカリスマ弁護士・浦志強を迎えての講演会
—中国人権派弁護士の背負う「歴史的使命」とは—

2013年は、弁護士・浦志強の活動をいったん総括する年だったと言えるかもしれません。浦志強が弁護士生命をかけて取り組んで来た労働教養制度の廃止が、現実となったからです。中国内外の多くの新聞・雑誌が、労働教養制度の廃止に尽力した浦志強とその活動を紹介する特集記事を載せ、クオリティマガジン『中国新聞週刊』や米・Foreign Policyが「今年の人物」や「世界を率いる100人の思想家」に浦志強を選びました。
 
労働教養制度は矯正目的で労働を強要する制度で、中国で56年間続き、時の権力者たちが反抗する人々を弾圧する手段としても利用してきました。最近では、薄煕来元重慶市書記が言論弾圧を強め、労働教養処分を乱発しましたが、浦志強は、重慶市で処分を受けた十数人の訴訟代理人となり、処分撤回を求めて提訴しました。「陳情の母」と呼ばれ、注目された湖南省の唐慧さんの損害賠償訴訟では、一審は訴えを退けられましたが、二審で逆転勝訴しました。唐慧さんは11歳の娘を暴行し、売春を強要した被告の厳罰を求めて陳情を繰り返す中で、労働教養処分となりました。

浦志強は1980年代の民主化運動をきっかけに、「言論の自由」の重要性を認識し、その後、弁護士の立場から、「言論の自由」の推進に影響を与える訴訟に率先して関わってきました。幅広い層から支持され、強い信念をもって一貫した姿勢を貫く浦志強には、中国当局も畏れを抱くほどだと言われており、多くの若い弁護士や記者たちが浦志強を兄と慕い、その背中を見て、社会活動に身を投じています。
 
本講演会では、浦志強にこれまでの弁護士としての活動を振り返った上で、中国の人権派弁護士が背負う「歴史的使命」について語ってもらいます。

討論者には、中国の第一線で活躍する学者、官僚、財界人、ジャーナリストら、19人のインタビューをまとめた新著『問答有用』(岩波書店)が話題を呼んでいる、朝日新聞編集委員の吉岡桂子氏をお迎えします。日中関係は悪化の一途をたどっていますが、自らの国のあり方を真摯にみつめ、開かれた国際関係を展望する人々の間に障壁はありません。私たちは、浦志強のような活力ある中国民間人の声を聞くことは、このような時期だからこそ、重要であると考えています。ぜひ、お誘い合わせの上、講演会にご参加ください。

日時:2014年2月14日18時開場、18時半スタート、21時まで
場所:東京大学駒場キャンパスKOMCEEレクチャーホール
主催:早稲田大学現代中国研究所、共催:特定非営利活動法人・ヒューマンライツナウ
討論者:吉岡桂子(よしおか・けいこ)1964 年生まれ。朝日新聞編集委員。岡山大学法学部卒。山陽放送をへて、1989年朝日新聞社入社。東京、大阪で経済を取材したのち、2013年春まで通算7年あまり中国特派員(北京・上海)。2007年から1年間、米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員。著書に「問答有用中国改革派19人に聞く」(岩波書店、2013年)、「愛国経済中国の全球化(グローバリゼーション)」(朝日新聞出版、2008年)。
司会:阿古智子(東京大学総合文化研究科・准教授)
参加申し込みメールアドレス:ako●waka.c.u-tokyo.ac.jp(●を@に変えてください)
*当初、申し込みメールアドレスを間違って表記していました。現在のものが正しい表記です。
 
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