• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

中国軍機、東シナ海で自衛隊機にスクランブル、解放軍報記事に「ウソ出撃」疑惑

2014年02月02日

■中国軍機、東シナ海で自衛隊機にスクランブル、解放軍報記事に「ウソ出撃」疑惑■

China airforce J10
China airforce J10 / Peng Chen


■旧正月のスクランブル


2013年2月1日、中国人民解放軍機関紙・解放軍報が東海艦隊所属の戦闘機が1月31日の旧正月当日にスクランブルをかけたと報じた。

スクランブルの対象について解放軍報記事は触れていない。日本の小野寺五典防衛相はこの問題について「特異的な事例として報告、発表する内容は特にない」とコメントしているが(読売)、中国のタカ派コラムニスト、羅刹援退役少将がスクランブルの対象は「日本の戦闘機」だったと発言。旧正月に挑発してくるとは許しがたいと日本を批判している(共同)。

そもそもスクランブルなど毎回発表されていないだけでよくあることのはず。そんなに気にする話ではない。わざわざ解放軍報が記事にしたことがニュースバリューだろうか(一面とはいえちいさな囲み記事だが)。

もっともこの話には別の楽しみ方もある。香港アップルデイリーによると、中国ネット民は「たんなる仕事しているアピールのウソ出撃でしょ」と鋭く指摘しているのだ。


■鷹は二度舞い上がる

問題の記事は「雄鷹緊急出撃巡航海天」(雄鷹の緊急出撃、海上空を巡回)というなんとも勇ましいもの。

爆竹の音が聞こえ旧正月気分漂う基地に突如なり出した警報。号令一下、走り出すパイロットたち。アフターバーナーをふかして離陸する戦闘機。不明機を発見し、雷のようにまっしぐらに突き進む戦闘機……。

なぜこのやたらカッコイイ記事がウソ出撃ではないかと疑惑がかかっているかというと、去年の旧正月にもほとんど似たような記事が出ているからだ。

それが「戦鷹展翅護海天」(戦鷹は翼を広げ海上空を守る、2013年2月11日)だ。

寒気と霧の中、基地の電話が突然鳴り出す。出動要請だ。号令一下、走り出すパイロットたち。アフターバーナーをふかして離陸する戦闘機。不明機を発見した戦闘機。智慧と勇気の駆け引きの末、相手は引き返していった……。

とほとんど同じ内容。毎年旧正月に東海艦隊の管轄海域に新年のあいさつのためやってくる不明機がいるのか、それとも誰も仕事したくない旧正月向けのストック記事として毎年似たような記事を用意しているのか。2本の記事を並べると、定番の「旧正月休みでもがんばって働くおじさんたち」の一環のように見える。断言はできないものの、中国ネット民の疑いももっともというところか。


関連記事:
韓国防空識別圏拡大に中国が態度急転、「遺憾の意」表明=混乱にみる外交部と国防部の不一致
日米軍用機が中国防空識別圏に進入、中国戦闘機は1日で9回ものスクランブル発進
国際的慣例とは違う、異常な“中国式防空識別圏”、ルール作りの大ポカは中国自身のマイナスに
【小ネタ】空自がピンチだ?!爆笑!防空識別圏に進入した日本機に対する中国の警告マニュアル
「防空識別圏で他国機撃墜してもいいよね?」「ダメです」中国国防部定例記者会見の重要ポイントとネタを読む


トップページへ

 コメント一覧 (1)

    • 1. chongov
    • 2014年02月03日 03:41
    • 今度も無慈悲?

コメント欄を開く

ページのトップへ