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【小ネタ】中国検閲対策でグーグルがスゴい技術を導入?!肩すかし報道を解説してみた

2014年03月14日

■【小ネタ】中国検閲対策でグーグルがスゴい技術を導入?!肩すかし報道を解説してみた■
 

Google China
Google China / Cory M. Grenier



■なんだかすごい新技術がっ!……の肩すかし

2014年3月13日、時事通信は記事「中国、ネット規制困難に グーグル暗号化技術で」を配信しました。

グーグルが進めている利用者のプライバシー保護技術の強化により、「ダライ・ラマ」や「天安門」など政治的に機微な語句の検索をできなくする中国当局のネット規制が困難になっていると報じた。グーグルが強化しているのは、利用者が打ち込む検索語を自動的に暗号化する技術

という内容。

なんだかすごい技術が導入されたっぽく見えます。中国人だけではなく私もぜひ使いたいと思って調べてみたところ、驚くべき事実が!なんと私はとっくの昔にこの“プライバシー保護技術の強化”を使っていたのです。というか、最新のブラウザを使っている人はだいたいが該当するはずです。


■みんなが普通に使っているSSL検索

“プライバシー保護技術の強化”とは具体的にはSSL検索を意味します。SSLとはインターネットの通信を暗号化する技術。SSL検索では、ユーザーがどんな検索語を入力したのか、どんな結果が表示されたのかについて、ユーザーとグーグルの間で傍受されることがなくなります。

で、このSSL検索ですがすでに相当普及しています。ブラウザでグーグルを開いてみて「https」から始まるURLになっていたらSSL検索です。グーグルは2010年からSSL検索の取り組みをはじめ、他社のブラウザでも適用が広がっています。

なおIE6など古いブラウザを使っている人はSSL検索が使えません。時事通信が参照したワシントンポスト記事によると、中国ではトラフィックの16%がいまだにIE6なのでこの人たちは恩恵にあずかれないことになります。


■SSL検索は中国対策ではない

特に中国のネット検閲に対抗するという目的ではなく、検索キーワードもプライバシーの一環だとして傍受されないようにするのが目的です。中国のネット検閲システムは検索エンジンの入力語を監視するだけではなく、特定のサイトをブロックするなど複数の手段の組み合わせですし、現在グーグルの中国シェアは5%程度なので、中国での影響はほとんどないと言っても過言じゃないでしょうか。

ちなみにSSL検索についてググると日本語でも何度も取り上げられていることがわかります。特に衝撃を受けているのがウェブ業界で、普通のアクセス解析でも閲覧者がどんなキーワードで検索してサイトにたどりついたのか不明になってしまう、お客さんの把握が難しくなるという点が問題視されているようです。

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