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「通り魔が出たぞ!」ウイグル人におびえる中国、デマがきっかけでパニック発生

2014年03月16日

■「通り魔が出たぞ!」ウイグル人におびえる中国、デマがきっかけでパニック発生■


20140316_写真_中国_ウイグル_

 

「通り魔だ!」

繁華街でこの叫び声を聞いた中国人がパニック。我先にと逃げ出す騒ぎが起きた。しかも四川省成都市、広東省広州市と2カ所で、だ。

先に事件が起きたのは成都市。14日午後4時半、春煕路で数百人がパニックとなって、一塊に暴走する事件が起きた。誰が発端となったのかは不明だが、「通り魔だ!」との叫び声がパニックに火を着けたという。

続いて15日午前の広州市。沙河大街の衣料品モールで警備員が泥棒を捕まえようとしたところ、なんとか逃れようとした泥棒が「通り魔だ!」と叫んだ。するとたちまちパニックが広がり、群衆が暴走、逃げ出していったという。通路内に並べられていた商品は蹴倒されさんざんな状態になっている。

成都市、広州市の騒ぎの写真はSNSで拡散されたが、ブログ・中国ジャスミン革命がまとめている。

1日には昆明市で無差別襲撃事件が起き29人が死亡。14日には長沙市の市場で通り魔事件があり6人が死亡した。いずれもウイグル人の犯行だと報じられている。相次ぐ悲惨な通り魔事件により、中国国内には「いつ、どこで通り魔事件が起きても不思議はない」との恐怖が広がっているようだ。

今回の事件では幸運にも負傷者はいなかったようだが、このデマというやつはあなどれない。2009年には広東省韶関市の玩具工場で、「ウイグル人の出稼ぎ労働者が漢民族の女性を暴行した」とのデマが広がり、ウイグル人と漢民族の従業員数百人の大乱闘へと発展した。この騒ぎが7月のウルムチ騒乱につながった。一説には数百人もの死者がでたという大惨事である。他にも「エイズ患者の血液をウイグル人が無差別に注射して回っている」といったデマが流れ、民族衝突の火種になることも少なくない。

中国各地の政府は治安維持に務めているようで、長沙市では高速道路の検問で片っ端からウイグル人を訊問。雲南省では数百人のウイグル人労働者を新疆に送還したとの噂も流れている。あくまでネットで流れている情報だが、こうした強圧的な対策が導入されれば不満を持ったウイグル人の行動を引き起こしかねない。

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